• 2025年1月24日

中学受験塾の啓明館と啓進塾。それぞれの特徴って?

中学受験塾の啓明館と啓進塾。それぞれの特徴って?

中学受験塾はサピックス・早稲田アカデミー・四谷大塚・日能研の大手四塾だけではありません。この記事では、中学受験を目指す家庭に向けて、啓明館や啓進塾といった塾の特徴を紹介します。

啓明館ってどんな塾?

啓明館ってどんな塾?

啓明館がどんな塾か見ていきましょう。

啓明館は二人の担任がつく中学受験塾

啓明館は中学受験に特化した塾であり、「難関中学受験名門」を謳っています。啓明館の大きな特徴として、生徒の指導に当たるのが正社員のみである点が挙げられます。

中学受験塾でもアルバイト講師が一定数を占める塾は少なくありません。たとえ、「プロ講師」を売りにしていても、実際のところは「学生ではない」程度の意味しかなく、アルバイトも含まれるようなケースも中にはあるのです。しかし、啓明館では、本当に正社員だけを指導に当たらせています。

基本的に理系(算数・理科)と文系(国語・社会)の教師がそれぞれひとりずつ、「クラス担当」としてつくスタイルです。生徒一人ひとりを二人の目で見守ることで、各生徒にとって最適な指導を実現しています。

現在の校舎は二つ

啓明館は小石川校と新宿校のふたつの校舎を展開しています。新二年生の授業は小石川校のみの実施です。

啓明館の校舎対象学年
小石川校小2・小3・小4・小5・小6
新宿校小3・小4・小5・小6

学力の定着化を促すサイクル

啓明館では2週間1タームで学習カリキュラムを組んでいます。五週目に前2ターム分の復習を行って理解の遅れを解消するサイクルです。1タームごとに隔週テストを行い、到達を確認。さらに、学力の定着化を図るため、テスト後即復習に取り組んでいます。

翌日には「フィードバック&イントロダクション」、通称「F.B.I講座」が行われます。「F.B.I講座」では、復習を終えた答案を使って、国語・算数のテスト解説と類題演習を実施し、自力で解けるよう実力の定着化を促します。

加えて、算数の次回のカリキュラムを予習する上で、スムーズに理解が進むよう「イントロ」を実施。基本の確認を行います。

「予習」「授業」「宿題」「復習」「テスト準備」ができる教材

啓明館のテキストは、啓明館の「教材研究室・中学受験チーム」が作成に従事しています。使用するテキストは「予習」「授業」「宿題」「復習」「テスト準備」のすべてが落とし込まれている、『キー&マップ・ノート(Key&Map Note)』です。

たとえば、国語は授業のメモをとるためのスペースも確保された仕様です。そのため、ノートは不要でテキストに書き込むことで学習を進めていくことができます。算数はQRコードから解説を視聴できますし、理科・社会は書き込みをするポイントが多く用意されていて自分だけの参考書を作ることが可能です。

授業料が首都圏大手中学受験塾に比べて割安

啓明館の授業料はかなり良心的な価格に抑えられています。中学受験塾の費用は高いことで知られていますが、たとえば2025年度の啓明館の六年生の費用は月額33,000円です。大手だと授業時間が啓明館より短くても、倍額程度かかるところもあります。

ちなみに啓明館の入学金は30,800円(税込)です。兄弟姉妹が啓明館に通塾・卒業している場合、入学金は免除となります。

サナネットで安心の通塾

子供の通塾については塾についたか、出たかをメールでお知らせしてくれる「サナネット」という教育総合ネットワークを採用しています。サナネットでは、教師と保護者の間でメールをやりとりすることもできますし、行事予定、口座振替明細を閲覧することも可能です。

ネットワークカメラシステムで教室内を可視化

啓明館の教室、自習室、玄関にはネットワークカメラが設置されているため、教室内は常に可視化されています。このカメラは全ての教師のパソコンから見ることが可能です。

See-beコンテンツ(マルチメディア教材)が投影

授業ではホワイトボードをスクリーンにし、NHKアーカイブス豊富な資料映像を投影しています。図形など、言葉だけでは伝えづらい内容でも映像があるため、よりスムーズに理解を促すことができる点が強みです。

算数だけではなく、理科の実験であったり歴史映像であったり、さまざまなかたちで活用することが可能です。

タブレット『ヴィーナレット』の活用

啓明館のタブレットでは、解説動画や解説カメラ、メモリーマーカー、学習ゲームを使って学力向上を目指すことができます。予習・復習暗記や計算力の育成などさまざまな角度からアプローチできるタブレットです。

『中学受験@will』で映像授業を

さなるが独自開発した『@will』は、小学生から高校生を対象にした映像配信システムです。啓明館ではそのシステムを活用していて、『中学受験@will』はすべて「啓明館オリジナル」。啓明館のカリキュラムと教材に完全準拠した内容で、啓明館生のために作成された教材です。授業構成も、画面作成も出演も、啓明館のベテラン講師が担っています。

定期的に受講する学力トレーニングで成績アップ

毎週学力トレーニングを受講することで、テスト本番でも力を発揮できるようなシステムを確立しています。学力トレーニングは、教科全単元の基本レベルからハイレベルまで約70万ページにもわたるデータを誇り、圧倒的なボリュームです。生徒一人ひとりの掲げる目標に合った内容をこなしていきます。

学習カリキュラムを選択すると、その場で印刷される仕組みです。大単元、小単元、レッスンの順に取り組みます。大きなひとつの単元ごとではなく、細分化された単元ごとに確認テストがあるので、理解できているかどうかをスモールステップ形式でチェックしていくことができます

採点を行い、チューターが得点を入力すると次の問題が出力。小単元ごとの確認テストをクリアすると修了テストに取り組むことができ、合格すれば新しい単元に進むか、よりレベルの高い問題に挑戦することが可能です。

塾生が参加する特別プログラムも

サマーセミナー各期講習正月特訓日曜特訓は塾生が必ず参加する特別プログラムです。五六年生対象のサマーセミナーは三泊四日で、食事・睡眠以外の時間をほとんど勉強に費やすというイベントです。学力向上はもちろんのこと、生徒が努力し達成感を得るためのプログラムとなっています。

各期講習は春期講習・夏期講習・冬期講習を指し、復習および新学期に向けての導入を行います。本科コースより長く設定された授業時間でカリキュラムをこなし、一タームあたり四日連続通塾するので、長期休暇中の生活リズムや学習習慣の定着化につながっています

正月特訓は六年生が対象で年末から年始にかけての三日間、集中特訓を行っています。日曜特訓は、三月から七月は五週で三日(90分×3時限)、九月から一月は毎週(100分×4時限)の特訓授業です。男女別、到達度別のクラス編成となっていて、九月からは志望校別対策や過去問の指導・添削にも対応しています。

他にも英語教室のLeptonや、パズル道場、六年生を対象にした社会見学ツアーなども用意されています

保護者参加型の教育体制

サナネットのインフォメーションやメールを使用し保護者との連携を図っています。連絡を相互に密に行うことで細やかな受験指導を実現するためです。

啓明館の合格実績は?

啓明館の合格実績は?

2024年度の合格実績は男子と女子の御三家は、開成中学校3名麻布中学校3名武蔵中学校1名桜蔭中学校2名雙葉中学校1名といった実績を出しています。教室がふたつなので大手に比べると人数は多くないですが、開成中学校と桜蔭中学校は受験した生徒の全員が合格でした。他にも実績の一部を紹介すると、聖光学院中学校2名、栄光学園中学校1名、洗足学園中学校1名、浅野中学校1名、早稲田中学校5名とさまざまな難関校で成果をあげています。

啓明館はどんな家庭におすすめする塾?

啓明館はどんな家庭におすすめする塾?

啓明館の実績を見ると難関中学受験に特化というよりは、幅広い中学受験に対応できる塾と言う印象です。塾自体は面倒見のよいタイプなので、手厚いフォローを受けながら受験を目指したい家庭におすすめします。

実際、通っている家庭からも先生たちのサポートを心強く思っている声が多くあがっています。塾というと、先生の当たり外れがあるものですが、啓明館の場合は正社員だけという一定の安心感があることに加え、幅広く学習システムを導入しているという強みがあります。マンパワーだけではなくシステムでも生徒を支えている塾です。

また、中学受験塾にかかる費用が右肩上がりの中、啓明館は良心的な価格設定なので、できるだけ進学後に予算を残しておきたい家庭にもおすすめです。

中学受験特化の啓明館のまとめ
  • 少人数制授業を採用しており、一人ひとりの理解度に合わせた指導が特徴
  • 基礎学力の定着に重点を置き、独自のカリキュラムで丁寧な指導を行う
  • 授業料が首都圏大手中学受験塾に比べて割安
  • 幅広い学校の合格実績があり、難関校対策も可能
  • 生徒・保護者とのコミュニケーションを重視し、学習サポートが手厚い

啓進塾ってどんな塾?

啓進塾ってどんな塾?

啓進塾がどんな塾か見ていきましょう。

楽しく学ぶことを大切にしている塾

啓進塾は楽しく学ぶことを大切にしている中学受験塾です。無理やり受験勉強をさせるのではなく、学ぶことそれ自体が好きになれるような指導を実践しています。

啓進塾は「勉強は楽しいからやる!」「学ぶことは楽しく当たり前!」「もし子どもが勉強が嫌いというのなら、それは教える教師の責任である!」というスタンスを講師全員が共有しているのです。

現在は五つの校舎を展開

啓進塾は五つの校舎を展開している塾です。現在の校舎は金沢文庫校、戸塚校、日吉校、たまプラーザ校、川崎校です。

啓進塾の校舎対象学年
金沢文庫校小2・小3・小4・小5・小6
戸塚校
日吉校
たまプラーザ校
川崎校

啓進塾のテキストはオリジナルプリント中心

授業で使用するのは主にオリジナルプリントですが、学年やクラスによっては製本テキストも使用しており、自宅用の補助教材として四谷大塚の『予習シリーズ』を使用することもあります。オリジナルプリントの作成からテストの採点までを講師が行うことで、生徒の力を把握した指導をしている塾です。

春・夏・冬の季節講習

啓進塾では春・夏・冬に季節講習を実施しています。たとえば六年生の場合、春期講習は8日間、夏期講習は23日間といったように長期休暇中にまとまった日数を確保し、指導を行い、合格を目指しています。

なお、三年生は季節講習のみの受講ができますが、四年生~六年生の学習は通常のカリキュラム授業と春・夏・冬の講習が不可分になっています。

費用は兄弟姉妹がいると大幅に割安

2024年度の六年生の授業料は2月から7月が63,690円ですが、在塾生の弟妹は38,214円となります。これは啓進テスト・教材費含む費用です。また、9月~12月は80,960円で、こちらも在塾生の弟妹は割引されて55,484円です。こちらは日曜特訓ゼミと教材費を含みます。入塾料は16,500円で在塾生・卒塾生の弟妹は8,250円です。

演習やゼミも充実。補習は無料

6年生の9月からは入試問題演習が毎週行われ、日曜午後には日曜特訓ゼミも行われます。学校別対策にも注力していますし、補習も無料で基本的にはクラスごとの実施です。日曜日や講習の午前中、GW・夏休みなど授業とは別で時間をとっています。他にも週二回の算数特別教室などがあります。

啓進塾の合格実績は?

啓進塾の合格実績は?

2024年度の一部の合格実績を挙げると、開成中学校1名麻布中学校3名早稲田中学校2名聖光学院中学校6名栄光学園中学校7名洗足学園中学校9名慶應義塾湘南藤沢中等部3名浅野中学校20名慶應義塾普通部4名フェリス女学院16名といった実績です。難関校で高い合格率を誇っています。

啓進塾はどんな家庭におすすめする塾?

啓進塾はどんな家庭におすすめする塾?

勉強への苦手意識が強く、塾が続かないタイプの子供にも向いています。楽しく勉強するためのノウハウをたくさん持っている点が特徴です。地域の難関中学校に多く合格者を出しているので、志望校での実績があるようであれば、検討をおすすめします。

啓進塾のまとめ
  • 楽しく学ぶことを大切にしている
  • 学ぶこと自体が好きになれるような指導を実践している
  • オリジナルプリントの作成から採点まで講師が行うことで生徒の力を把握できる
  • 春・夏・冬の季節講習を実施している
  • 兄弟姉妹がいると大幅に授業料が割安になる

啓明館・啓進塾にはそれぞれの強みがある

啓明館・啓進塾にはそれぞれの強みがある

啓明館は充実したシステムを最大限活用しながら、正社員が指導に当たる面倒見のよい塾です。
啓進塾は楽しく学ぶ姿勢を重視していて、オリジナルプリントを中心とする教材を通して学力向上を図っていきます。

どちらの塾にもそれぞれのよさがありますから、志望校の合格実績を見て、目指す進路において頼りになりそうかどうかを検討してみてください。通える範囲に教室があるなら、まずは見学の予約をとって、どんな塾なのか実際に見てみるとよいでしょう。

どの塾であれ、実際に通わせてみると、子供の力だけではなかなかついていけないこともあります。塾と家庭学習の学習サイクルが軌道に乗らない場合は、家庭教師サービスを頼ってみるのをおすすめします。塾のフォローをするためのコースが用意されている家庭教師サービスはたくさんあります。

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