• 2024年4月18日
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芝浦工業大学柏中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

芝浦工業大学柏中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

芝浦工業大学柏中学校は男女共学の中高一貫校です。「グローバル」と「サイエンス」に注力する教育に魅力を感じ、志望する家庭が多くあります。この記事では、芝浦工業大学柏中学校を目指す家庭に向けて出題傾向と勉強法を紹介します。

そもそも芝浦工業大学柏中学校ってどんな学校?

そもそも芝浦工業大学柏中学校ってどんな学校?

芝浦工業大学柏中学校では、「創造性の開発と個性の発揮」を建学の精神として掲げています。生徒一人ひとりの主体的に生きる力、学ぶ力を伸ばしていこうとする学校です。そのための方針は五つで、「創造性の教育」「主体性の教育」「生きる力の教育」「感性の教育」「健康と安全の教育」に重きを置いています。

「グローバル」な教育を目指す学校だけあって、例年20人前後が高校卒業後、海外の大学へと進学していました。コロナ禍のただ中では、残念ながら人数は減らざるを得なかったものの、海外志向の生徒が多いのは変わっていません。

海外の大学からのアプローチもあります。ロンドン大学(イギリス)とニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)は以前より広報担当者が来校しています。また、アメリカやカナダといった大使館主宰の説明会も校内で開催されます。ニューサウスウェールズ大学(UNSW・ファウンデーションコース)は、関東圏初のパートナーシップ校となりました。進学者には特別報奨金が与えられる仕組みもあります

中高一貫校なので、高校に進んでからの短期留学という選択肢も用意されています。

また「グローバル」のほかに「サイエンス」も重視しています。具体的には、二日に一度は理科の授業内で実験を行っていて、大学レベルの実験が可能な設備を所有。理工大学の併設校である強みを生かしています。中高合わせて60名もの部員を擁する科学部があるのも特徴といえるでしょう。

芝浦工業大学柏中学校の入試概要

芝浦工業大学柏中学校の入試概要

芝浦工業大学柏中学校の入試について見ていきましょう。

2024年度の入試

芝浦工業大学柏中学校を受験するのであれば、学校説明会や入試説明会へ足を運ぶのがよいでしょう。学校説明会は6月19日(水)、7月2日(火)、8月25日(日)の3回、入試説明会は9月1日、9月22日、10月13日、11月3日、12月15日の5回実施されました。

試験は1月23日に第一回入試、1月27日に第二回入試、2月4日に課題作文試験です。合格発表の日程は第一回が1月24日、第二回が1月28日、課題作文試験が2月4日に設定されています。募集人数は第一回が約110名(帰国生若干名含む、うちグローバルサイエンス約30名)、第二回が約55名(帰国生若干名含む、うちグローバルサイエンス約10名)、課題作文試験が約15名です。

なお、出願期間は第一回が12月18日から1月18日。第二回が12月18日から1月25日。第三回が12月18日から2月3日です。

2024年度の入試倍率

芝浦工業大学柏中学校の入試倍率は、第一回は受験者数995人に対し合格者数457人で実質倍率は約2.2倍、第二回は受験者数457人に対し合格者数110人で実質倍率は約4.2倍、課題作文試験は受験者数86人に対し、合格者数26人で実質倍率は約3.3倍です。なお、小数点第二位以下は四捨五入しています。

2024年度の入試統計

受験者数合格者実質倍率
第一回995名457名約2.2倍
第二回457名110名約4.2倍
課題作文試験86名26名約3.3倍

芝浦工業大学柏中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

芝浦工業大学柏中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

芝浦工業大学柏中学校の四教科の出題傾向は以下のとおりです。

国語は知識問題と読解文

国語の試験時間は45分で配点は100点。大問三つで、知識問題と論説文の読解、物語文の読解という構成になっています。

大問一は漢字の書き取りや、部首や読みから漢字を考える問題がよく出題されます。読解文は論説文と物語文の二種類です。論説文はそんなに難しいものは出ません。物語文は近代日本の名作から出題される傾向にあります。

出題形式は、選択問題や並べ替えや記述などさまざまです。記述問題は自分なりに例示をさせる問題がよく出題されます。過去問をやり込んで慣れておきましょう。

算数では説明させる問題も

算数の試験時間は45分で配点は100点。大問は七つです。

大問一は小問集合。大問二から大問七はそれぞれの単元から出題されます。立体図形、平面図形、場合の数、速さ、割合などがよく出題されるので、やり込んでおきましょう

後半では、文章で説明させる問題や、途中式が採点対象になる問題が出ます。出題傾向がよくわかるので、過去問は早いうちに一度解いてみるとよいでしょう。

理科は大問四つに各分野が割り振られる

理科の試験時間は40分で配点は75点です。

生物人体が最も多く、植物動物なども出題されます。地学天体岩石が頻出です。物理力のつり合い電流などさまざまな分野を扱っています。化学水溶液固体・気体・液体の問題、金属の燃焼などが出ます。

全体的に計算問題が多く、グラフを書く問題や記述問題など解くのに時間を要するタイプの問題が少なくありません。

社会は地図の問題が重要

社会の試験時間は40分で配点は75点です。大問は四つで、地理、地図、歴史、公民から出題されます。

地理の大問とは分けて、大問一つを丸々地図に当てているのが芝浦工業大学柏中学校の特徴です。地図に基づいて問題が出されるので、各地域の特徴や気候などを把握しておく必要があります。

出題形式はさまざまですが、並べ替えの問題や正しい選択肢の組み合わせを求める問題、正誤を見抜く問題などが出ます。正誤を見抜く問題では「正しいものをすべて選べ」といった個数を限定しない問題も出るため、苦戦するかもしれません。

ポイント
  • 全教科とも記述の問題が出題される
  • 問題の難易度は決して高くない
  • 出題傾向は毎年似通っている

芝浦工業大学柏中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

芝浦工業大学柏中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

芝浦工業大学柏中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

部首を把握しよう

部首を手掛かりに漢字を考える問題が出題されるため、部首を頭の中にしっかり入れておきましょう。ひとつの部首で何個漢字が書けるかゲーム感覚で挑むのもおすすめです。

学校側は思考力を働かせ、漢字の意味や成り立ちを理解しながら身につけてほしいという意図で出題しています。音記号と部首の関係性を学んでいきましょう。

漢字を正しく頭に入れよう

同じ読みで異なる漢字の問題が出ることがあります。本文中に間違えて書かれた漢字を見つける問題です。それ以外にも、知識問題として漢字の書き取りが出題されますから、きちんとやり込んでおきましょう。

説明文を読み解くコツは

説明文を読解する際には、文章がなにを伝えようとしているのかを知らなければなりません。形式段落意味段落を整理できるようにしておきましょう。意味段落がわかるようになれば、どのように主張を展開しているかが読み取れるようになります。

例年、抜き出された文章がどこに入るのかを考える問題や、接続詞の問題が出題されていますから、論の展開を読み取る力は大切です。文章がどのようにつながっているかを理解する必要があります

芝浦工業大学柏中学校の国語対策
  • 誤字に気付くためにも、漢字の意味や成り立ちを理解する
  • 文章の伝えたい内容、つながりを理解できるようにする

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

頻出単元を固めておこう

算数の頻出単元は立体図形、平面図形、場合の数、速さ、割合などです。

平面図形点の移動がよく出るので、解き慣れておいてください。立体図形図形の切断の問題が多いです。割合買い物の問題がよく出ます。どれも中学受験対策の問題集に載っている問題なので、やり込んでおいてください。

問題数は多くないので見直しの優先順位を

算数の問題の小問数は17問でけっして多くありません。つまり、一問でもミスをすると失点が大きくなるので注意して解く必要があります。自信がない問題も印をつけておいて優先的に見直しましょう。

考え方を言葉で説明できるように

算数では説明記述が出題されます。記述問題は三行程度なので、問題の考え方や式の考え方をコンパクトにまとめてください

公式も丸暗記するのではなく、どうしてそう考えるのかを説明できるようにしておきましょう。

六割とるための取捨選択を

合格者平均は例年六割程度なので、確実に解ける問題を見極めて解いていきましょう。難易度順に出題されているわけではないので、優先順位を決めるのは難しいです。出来にもよりますが、解けない問題に時間を割くぐらいなら、自分の得意とする単元を見直しておくといった判断が必要となります。そのあたりは塾の先生や家庭教師にあらかじめ助言を仰いでおきましょう

当日、時間配分を間違えないためには、イメージトレーニングは欠かせません。当日と同じ時間設定で過去問を解いてみてください。問題の解き方は理解できているのに、合格ラインに届かなかった場合は、解く順番や見直しの仕方を検討しましょう

芝浦工業大学柏中学校の算数対策
  • 中学受験対策の問題集をやり込む
  • 解き方・考え方を説明できるように、何となくで解き進めないようにする
  • 時間配分を間違えない解き進め方を、塾・家庭教師に助言を仰ぐ

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。

記述問題の数が多い

芝浦工業大学柏中学校の理科は、記述問題が多いです。現象の背景にある理屈を言葉にできるようにしておきましょう。

そのためには、日頃からテキストのまとめページを説明するつもりで読み上げるとよいです。結論だけを覚えるのではなく、つながりで知識を入れていきます

グラフを書く問題が出題されることも

グラフを書く問題自体はそんなに難しくありませんが、乱雑に書いてしまうタイプの子供は気をつける必要があります。提示された数値とずれない場所に点を打って、まっすぐ線を引いてください。

各分野を押さえよう

理科は生物・地学・化学・物理、各分野からの出題です。満遍なく勉強しておく必要があります。頻出単元を優先しつつ進めていきましょう。

計算問題が多めに出題されるので、計算に関連する単元は解けるようにしておいてください。

文章を隅々まで読もう

リード文の長い問題や資料の多い問題もあり、理科はボリュームたっぷりに感じるかもしれません。しかし、焦らず文章の端々まで読み込みましょう。

難易度自体が高いわけではないですが、基礎知識を問うだけでなく思考力を試すような問題も出ます。解くためのヒントを文章から見つけましょう

時事問題対策を

時事に関連づけた出題もあるため、日頃から理科関連のニュースをチェックしておいたほうがよいです。

芝浦工業大学柏中学校の理科対策
  • 丸暗記だと記述問題に対応できないので、背景の理屈とつながりを覚えるようにする
  • 計算問題は過去問を通してしっかり解けるようにする

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

難易度は標準なので、まずは受験テキストを頭に入れよう

社会の問題は基礎知識が定着しているかを問う問題が多く、受験テキストを読み込んでいれば解けます。基本的な受験問題を解けるようにしておいてください。

白地図を活用しよう

大問をまるまる一問、地図にあてているのが、芝浦工業大学柏中学校の特徴です。地図をもとにさまざまな設問を解いていかなければなりません。気温や降雨量、特産品や工業、農業などを各地域と結びつけて覚えていきましょう

白地図をやり込んで、情報のとりこぼしがないようにしておきたいところです。

記述問題に対応できるように

記述問題が二問程度出題されるため、書けるようにしておかなければなりません。用語の説明であったり、出来事の理由であったりが問われます。

三十字や五十字程度でまとめる力が必要です。過去問で練習してみましょう

芝浦工業大学柏中学校の社会対策
  • 各地域の特徴は白地図を何度もやり込んで覚える
  • 受験テキストと過去問をしっかりとやり込む

問題の難易度は標準的。ただしどの科目も書く力が問われる

問題の難易度は標準的。ただしどの科目も書く力が問われる

芝浦工業大学柏中学校の問題の難易度は決して高くなく、スタンダードな問題が数多く出題されます。過去問から出題傾向が読み取れるため、過去数年分をやり込めば確実に点数アップにつながるでしょう。

国語は知識問題と読解の両方で得点できるようにしてください。漢字を覚え、部首の組み合わせを理解します。読解文では説明文の構成や物語文の心情をおさえましょう。

算数では頻出単元を研究し、問題を解けるようにしてください。問題数自体は多くないです。確実に得点するためにはいかにケアレスミスをしないかが問われます。どの問題から見直すか優先順位を決めて臨みましょう

理科は各単元からバランスよく出題されます。時事と絡めた出題もあるため、ニュースもチェックしておいてください。記述対策も必要です

社会は受験テキストを読み込みましょう。地図を扱った問題が定番なので、情報を白地図に落とし込みながら暗記しておくとよいです。 

全教科を通して記述の問題が出題されるため、時間内に解けるよう対策をしておいてください。加えて、得点できる文章に仕上げるにはどうすればよいか、の先生や家庭教師にアドバイスを求めることをおすすめします。

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