• 2024年4月15日
  • 2024年4月18日

芝浦工業大学附属中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科の出題傾向と勉強法

芝浦工業大学附属中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科の出題傾向と勉強法

芝浦工業大学附属中学校は中高一貫理系教育で知られる学校です。この記事では芝浦工業大学附属中学校を目指す家庭に向けて、各科目の出題傾向と勉強法を紹介します。

そもそも芝浦工業大学附属中学校ってどんな学校?

そもそも芝浦工業大学附属中学校ってどんな学校?

芝浦工業大学附属中学校はその名のとおり、芝浦工業大学の附属校です。理工系分野で活躍できる人材の育成を目指していて、探求型授業やシットテックアワーを通じて、各教科と科学技術との間にどのような関連性があるのかについての理解を促しています。

加えて、中学三年生になると隔週二時間でサイエンステクノロジーアワーを実施。大学や企業と連携し、理工系の多様な分野と親しむ機会を提供しています。芝浦工業大学との連携も年々強化していて、最先端のものづくりに携われる環境です

キャリア教育に注力している点も、芝浦工業大学附属中学校の特徴だといえます。大学見学会や研究室見学会、大学の先取り授業などを通して、生徒が進路や職業について考えられる機会を設けています。

また、芝浦工業大学はSGU認定大学です。そのため、芝浦工業大学附属中学校でもグローバル教育を推進しています。中学三年生時にはアメリカやオーストラリアでのホームステイ、高校生になってからはニュージーランドやインドへの訪問プログラムに参加することが可能です。

芝浦工業大学附属中学校の入試概要

芝浦工業大学附属中学校の入試概要

芝浦工業大学附属中学校の入試について見ていきましょう。

2024年度の入試

二月一日に行われた第一回入試は男女計90名募集、二月二日に行われた第二回入試は男女計50名募集、同じく二月二日に行われた言語・探究入試および英語入試は男女計15名の募集でした。

受験料は25,000円で、二回同時申し込みの場合は40,000円、三回同時申し込みの場合は55,000円です。なお、一般入試のほかにも海外在住帰国生徒入試を行っています。

出願はWeb出願で1月10日開始でした。出願は、第一回が1月31日14:00まで、第二回が2月1日14:00まで、言語・探究入試および英語入試が2月1日23:59まででした。

2024年度の入試倍率

芝浦工業大学附属中学校の2024年度の入試倍率は以下のとおりです。倍率については、小数点以下第二位を四捨五入しています。

第一回入試は二月一日に行われ、受験者数427人に対して合格者は100人、実質倍率は約4.3倍。二月二日に行われた第二回入試では、受験者数409人に対して合格者数68人で実質倍率は約6.0倍。同日に行われた言語・探究入試では167人に対して合格者は26人で実質倍率は約6.4倍。二月二日の英語入試は受験者数35人に対して合格者数は7人で、実質倍率は5倍という結果でした。

2024年度の入試統計

受験者数合格者実質倍率
第一回入試427名100名約4.3倍
第二回入試409名68名約6.0倍
言語・探究入試167名26名約6.4倍
英語入試35名7名5.0倍

なお、海外在住帰国生徒入試は二か所で行っていて、シンガポール会場では11月11日に試験を実施しています。受験者数8人に対し合格者8人と全員合格でした。校舎での試験は12月11日に行われ、受験者11人に対し合格者9人で実質倍率は約1.2倍でした。

芝浦工業大学附属中学校における国語・算数・理科の出題傾向

芝浦工業大学附属中学校における国語・算数・理科の出題傾向

芝浦工業大学附属中学校の一般入試は三科目のみで、社会がありません。そのため、国語・算数・理科の出題傾向を紹介します。

国語は易しい題材が多い

国語は試験時間60分、配点120点で、大問は六つです。大問一にはリスニングの問題が出題されます。それ以外は、読解文複数と知識問題です。国語で出題される文章はそんなに難解なものはありません。文章の文字数はそこまでボリュームが多いわけではありませんし、ひねっていない問題が多いです。

芝浦工業大学附属中学校の読解で特徴的なのは詩・短歌・俳句といった韻文の出題です。韻文の大問では、想像力創造力を問うような記述の問題が出題されます。
全体として、記述、選択、穴埋めなどバラエティに富んだ出題です。

算数は作図の問題も出題される

算数は試験時間60分、配点120点で大問は五つです。大問一にはリスニングが出題されます。大問二と三は小問集合で、大問四、五が単元別の出題となっています。つまり、大問二つ分の小問集合が出題されるため、基本レベルの問題の占める割合が大きいです。頻出単元は立体図形、平面図形、四則計算などです。図形は作図の問題も出題されます。

大問の数が多い理科

理科は試験時間50分、配点100点で大問は八つです。大問が多く小問も30問もありますが、問題自体は知識を問う内容が多く、計算が出ても手間がかかる問題は少ない傾向にあります。そのため、時間内に解くことは十分可能です。大問一はリスニングとなっています。全体として、さまざまな単元における基礎を確認するような内容です。

ポイント
  • 一般入試に社会はなく、国語・算数・理科での受験となる
  • 各科目ともリスニング問題がある
  • どの科目も基本レベルの問題が多い

芝浦工業大学附属中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

芝浦工業大学附属中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

芝浦工業大学附属中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

リスニング対策では問題の読み上げを推奨

大問一では音声が流れるため、その情報を時間内に整理する技術を身につける必要があります。問題を作成した先生は、「小学四年生の問題集にある、短めの文章と内容に関する選択肢を保護者が読み上げて解かせる練習」を勧めています。本番では、いかにきちんとメモをとるかがカギです。

語彙の問題は暗記だけでは駄目

語彙の問題は、丸暗記しているだけでは駄目です。その言葉を実際にどのように使うのかが問われます。文章を作れるようにしておきましょう。選択問題ではなかなか点差がつきませんが、こうした言葉の使い方をきちんと理解できているかどうかでは点差がついています。

詩・俳句・短歌などの韻文に慣れておこう

芝浦工業大学附属中学校では読解問題で詩・俳句・短歌などの韻文が出題されます。読解というと、説明文と物語文が基本で、韻文が出題される学校は限定的です。

韻文は説明文や物語文よりも抽象的な表現を理解できる必要がありますし、想像力や創造力を問う記述問題が出題されています。表現力が評価対象になる場合、点数のつかない子供も多くいます。理系の学校でこうした問題が出るのは意外かもしれませんが、先生たちは「理系の学校だからこそ」と考えているそうです。

得点するためには豊富な読書量とアウトプットする技術の両方が必要です。そういう意味で国語が苦手な子供にとっては難しい問題といえます。日頃から韻文の問題をこなして、イメージをつかんでおきましょう。

記述問題でライバルと点差をつけよう

記述問題の字数は年度や問題によって異なります。そのため、どんな字数で出題されても書けるようにしておきましょう。書き抜きは比較的点差がつきづらく、説明記述や理由を問う問題で失点する子供が多いです。こうした問題で確実に点をとるためには、類似する問題を解き慣れておく必要があります。問題集で記述を解いたら、正解しているかどうか、先生にも意見を問うとよいでしょう。キーワードをすべて拾えているか、文体は適切か、文末表現が合っているかなどをチェックしてもらってください

選択問題の条件を確認しよう

選択問題では「なにを問うているのか」を必ず確認するようにしましょう。適切な選択肢を問う問題もあれば、ふさわしくない選択肢を問う問題もあります。また、答えをひとつ選ぶ問題もあれば、ふたつ選ぶ問題もあります。勘違いをしたまま解かないよう気をつけましょう。

芝浦工業大学附属中学校の国語対策
  • リスニング対策には保護者の読み聞かせて解かせる練習が必要になる
  • 語彙力向上は暗記ではなく文章を作成しながら身に付ける
  • 韻文対策には読書量とアウトプットの技術が必要になる

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

リスニングではメモをとって

大問一のリスニングではメモを許可されます。必ず、メモをとりながら聞き逃しのないようにしましょう。問題文が放送されるのは一回きりであるため、集中力が必要です。また、放送が終わったあとの解く時間には制限が設けられます。制限時間は基本的に一分と短いので注意しましょう。

分数と小数の計算に慣れておこう

分数と小数の入り混じった計算はミスを誘発しやすいです。大問二の小問集合では計算問題が二問程度出題されるので、解き慣れておくようにしましょう。

集中的に取り組みたいのは図形

芝浦工業大学附属中学校でよく出題されるのは図形です。平面図形・立体図形それぞれ出題されます。問題の難易度は決して高くなく、中学受験の問題集をやり込んでいれば、覚えのある問題です。そのため、問題集での対策は確実に点数につながります。角度や体積、表面積の求め方などを頭に入れておきましょう。

食塩水や仕事算も押さえておこう

図形ほどではないですが、食塩水や仕事算もよく出ます。中学受験に必要な特殊算の計算を一通り解けるようにして挑むと安心でしょう。

作図の問題の対策をしよう

芝浦工業大学附属中学校では作図の問題が出題されます。持ち物に定規やコンパスが含まれるのはそのためです。過去問を通して、どんな作図の問題が出題されてきたのかを確認しておきましょう。その上で、類似する問題を解いて対策することをおすすめします。作図を出題する学校は他にもあるので、他校の過去問を使うのもよいでしょう。

途中式を解答欄に落とし込めるようにしよう

芝浦工業大学附属中学校の問題では途中式を解答欄に書く形式になっていて、式だけで部分点がつきます。そのため、限られたスペース内に必要な情報を落とし込める技術を身につけておきましょう。

注意したいのは乱雑に書く癖のある子供です。芝浦工業大学附属中学校の問題の解答用紙は大枠があるだけのシンプルな仕様です。その枠内に整然と必要な式をまとめなければなりません。つまり、意識してまとめないと見づらくなりやすいです。

式を書いているとすぐ斜めになったり、順番がぐちゃぐちゃになったり、枠外にはみだしたりする子供も多くいます。そうした習慣は、指摘されたからといって当日すぐに改められるものではないです。そのため、日頃から途中式をコンパクトにわかりやすくノートにまとめる練習をしておきましょう

芝浦工業大学附属中学校の算数対策
  • 平面図形・立体図形と作図は問題集でやり込む
  • 分数・小数、特殊算は一通り出来るようにする
  • 決められたスペースに丁寧に計算式を書く習慣を付ける

理科の勉強法

理科の勉強法は以下のとおりです。

「聞いて解く問題」の制限時間が短い

大問一はリスニングですが、音声は一度しか流れません。音声が流れている間、できるだけ必要な情報を書き出すようにします。音声終了後に与えられる時間は数秒です。問題をスピーディーに処理する姿勢が求められます。

芝浦工業大学附属中学校の理科対策
  • 基本的な知識を問う問題で失点しないようにする
  • 国語と同様、選択問題では問題文に下線を引く習慣を付ける

知識問題で失点しないように

理科の難易度は決して高くありません。基本的な知識を問う問題が多く出題されます。そのため、テキストの解説ページをじっくりと読み込んで、確実に知識を定着化させるようにしましょう。特に実験の問題はよく出るので、手順や実験結果、そうなる理由などをよく理解しておくことが大切です。また、漢字で書かれた用語は自分でも書けるようにしておきましょう。

選択問題が多いので慎重に

理科では選択問題が多く出題されます。選択肢自体は難しくなく、選びやすい内容です。しかし、国語と同様に、適切な選択肢を問う問題もあれば、ふさわしくない選択肢を問う問題もあるので、間違えないように該当箇所に傍線を引いて臨みましょう。

設問にボリュームがあっても冷静に

実験について細かな説明があったり、図表が差し挟まれていたりと、理科の問題は一見ボリュームがあるように感じられるかもしれません。問題文を読み込むのが苦手な子供は、身構えてしまうでしょう。しかし、受験問題集のレベルを飛び越えるようなひねった問題は出ません。そのため、落ち着いて情報を整理しながら解くようにしてください。

難易度は高くないが、特徴的な問題も

難易度は高くないが、特徴的な問題も

芝浦工業大学附属中学校の問題は三科目とも、基本レベルが多く、けっして難しくはありません。点差をつけるためには中学受験テキストの解説ページを読み込んだ上で、問題集をやり込み、基本レベルをとりこぼしなく押さえましょう。

国語は韻文の対策や記述の練習、算数は図形をはじめ頻出単元のやり込み、理科は実験を中心に基礎知識の定着化を図りましょう。ケアレスミスをひとつでも減らし、記述問題をはじめ点差のつきやすい問題で確実に点をとる技術が求められます

加えて、芝浦工業大学附属中学校では三科目ともリスニング問題があります。聞き逃しても再度音声を流してはくれないので、集中して臨んでください。音声放送後は制限時間が設けられています。そのため、音声放送中からメモをとり、素早く解くようにしなければなりません。リスニングは小問が複数出題されるケースが多いです。油断せず集中力を維持しましょう。

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