慶應普通部の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の勉強法

慶應普通部の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の勉強法

慶應普通部は慶應義塾の学校のひとつで、「独立自尊」の基本精神を根幹に据えて前期中等教育を担っています。この記事では、慶應普通部を目指す家庭に向けて各教科の勉強法を紹介します。

そもそも慶應普通部ってどんな学校?

そもそも慶應普通部ってどんな学校?

慶應普通部は学問の本質を探究する学校です。入学後は、どの科目でも満遍なく基礎固めをします。同時に知的好奇心を伸ばすため、高度な問題に触れる機会を設けたり、批判的思考・情報リテラシーなど「学び方を学ぶ」教育を行ったりします。

また、労作教育を掲げているのも慶應普通部の特徴です。労作教育は時間を惜しまず自分の心身を思うように活動させること、自主的な選択や決定ができるようにする教育のことを指します。安易な知的偏重主義に陥ることのないカリキュラムとなっていて、共に学ぶ友人同士が刺激し合い、視野を広げていける環境です。

普通部における教育活動は正課(授業・学級活動)、課外(式典・行事)、部会活動(クラブ活動)の三種類があり、授業である正課を中心に注力されています。

慶應普通部の入試概要

慶應普通部の入試概要

慶應普通部の入試について見ていきましょう。

2023年度の入試の倍率

2023年度の受験者数は557人で合格者数が195人でした。つまり、小数点第二位以下四捨五入で約2.9倍です。

2024年度の入試

募集は男子180名(内部進学者数により変動)です。試験日は2月1日で合格発表は2月3日に設定されています。出願期間は2023年12月11日から2024年1月12日まで。試験場は慶應義塾普通部の校舎です。学校感染症(第1種~第2種)にかかって受験できない場合は、1月31日までに追試希望を普通部事務所に伝えると、神奈川県私立中学高等学校協会実施の共通追試を受けられる仕組みです。

体育実技の実施

体育実技を実施しますが、実技自体の出来不出来はあまり関係ありません。真面目な態度で臨みましょう。

慶應普通部における国語・算数・理科・社会の出題傾向

慶應普通部における国語・算数・理科・社会の出題傾向

慶應普通部における出題傾向を紹介します。

国語は随筆と物語文

試験時間は40分で配点は100点です。大問は三問で、読解がふたつと語句の知識が出題されます。2023年度の慶應普通部の読解文は、随筆と物語文でした。難関中学校の受験問題としては、文章量はさほど多いほうではありません。問題の出題形式としてはまず選択問題があり、それ以外では抜き出しや説明記述、空所補充、脱文挿入などがあります。説明記述といっても字数の多いものが出るわけではなく、解きやすいです。

算数は大問が多い

試験時間は40分で配点は100点です。大問は八問もあり、大問一は計算です。頻出単元は立体図形、平面図形、場合の数、数の性質、速さなどで、問題数が多いので40分という限られた時間で正確性とスピードを問われる内容になっています。難易度の配置はランダムなので解く順番について気を付ける必要があります。場合の数は書き出して解くタイプが多く、スムーズに処理する必要があるでしょう。

理科は各分野から出題

理科は30分で配点は100点です。例年、各分野から出題されています。生物・化学・物理・地学の分野ごとに大問ひとつずつの出題です。生物に関しては細部まで出題されるため、問題集だけでカバーしきれないところで点差が開きがちなのが、慶應普通部の理科です。また、理科は化学や物理の活用のされ方を把握しておくとよいでしょう。時事問題の視点を持ちたいところです。記述・作図・グラフなどが出題されています。

社会は記述が必ず出題

社会は30分で配点は100点です。大問六つから構成されています。地理の比率が高めで、次いで歴史、公民は少なめです。とにかく地理の出題が多いので、国名や地名といった基本事項はもちろん、ひとつひとつの知識をきちんと覚えていないと解けません。問題数に対して時間がタイトなのがネックになります。記述問題は考察記述や説明記述が出て、解答欄のスペースからして字数は50~60字でまとめなければなりません。

ポイント
  • 全体的に「正確性」と「スピード」を問う内容が多い
  • 一般教養が必要になるため「詰め込み式」の受験対策では対応できない

慶應普通部に合格したい。どんな勉強が効果的?

慶應普通部に合格したい。どんな勉強が効果的?

慶應普通部に合格するためにはどういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

物語文は人物ごとの心情を追えるように

物語文に取り組む際は各登場人物の心情の変化を追いかけるようにしましょう。人物の心情がどのタイミングでどのように変化しているかを理解していないと、解けない問題が出題されます。たとえば、過去には表情の変化にどういう心情が読み取れるかを問う問題がありました。説明記述だったので、読み取った内容を的確に言語化できなければなりません。選択問題より高度な理解を求められます。加えて、制限時間を考えるとすぐに書き始める力がなければなりません。

物語文の理解が覚束ないタイプの子供は、結構な確率で台詞と地の文で書かれている内容がそれぞれ誰の言葉で誰の気持ちなのかを、整理できていません。とり違えずに理解できるようになるのが最初にやるべきことです。その上で、人物ごとに色分けして、心情の変化がわかるポイントに線を引いていきます。文章量に圧倒されないよう、登場人物ごとに切り分けて理解させてあげるとよいでしょう。

接続詞のニュアンスを拾えるように

読解が苦手な子供によく見られるパターンとして、接続詞のニュアンスを理解できていないケースが挙げられます。接続詞を無視して、書かれているキーワードのみ拾っていくので、心情の変遷がうまく理解できないというケースです。どういう意図があってその接続詞を使っているのかを一度解説してあげるとよいでしょう。接続詞心情描写両方に傍線を引いて読み込んでいくと、わかりやすく整理できます。

語句の知識と漢字を確実に

三つの大問のうち、ひとつは必ず語句の知識と漢字の書き取りの力が必要となります。大問三が漢字を含む総合知識問題か、漢字の書き取り問題のみかは、年度によって変わるため注意してください。
漢字は同音異義語の紛らわしい問題も出題されるため、言葉の使い分けをきちんと理解しておく必要性があります。

慶應義塾普通部の国語対策
  • 人物ごとの心情の変化を追えるように線を引く癖付けをする
  • 接続詞を読み飛ばさない様に癖付ける

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

計算慣れしておこう

大問一の計算ではミスを誘発するようなややこしい分数の計算などが出題されるため、計算慣れしておく必要があります。計算ミスが多いようなら、数をこなしましょう

要点を答案に反映して

慶應普通部の答案は考え方や途中式を書き込むタイプです。そのため、答えだけ合っていては駄目で、採点者に解き方が伝わるような書き方を心がけなければなりません。問題数も多いのでスピーディーに読みやすくまとめられるよう練習しておきましょう。なお、解答用紙はA3サイズです。過去問を解く際はノートにやるのではなく、解答用紙をコピーして書き込んでみてください。そうしないと、本番でうまく情報量を落とし込めない可能性があります。

場合の数は書き出そう

場合の数は式を使って解くもの、ある程度書き出さないと解けないものなど様々なバリエーションがありますが、慶應普通部は書き出して解くタイプが多いです。つまり、とっかかりやすいですが時間はかかります。また、とりこぼしなく整理する力が求められます。場合の数の問題のパターンを頭に入れて、解き慣れた状態で臨みましょう。

図形の問題は作図できるように

図形の問題は作図できないと解けない問題も出題されます。過去問を通して、そうした問題にも対応できるようにしておきましょう。図形の問題はタイムロスしやすいですが、何問か出ることもあり、素早く解けないと他の問題まで手が回らなくなります。練習しておいてください。

問題数と書く量への対応がカギ

算数は問題数が多い上、書き出して解く問題の量も多いので、とにかく時間がかかります。しかし制限時間は40分と、入試の算数としては短めの設定なので、いかにスピーディー正確に解き進めていくかがカギです。過去問をたくさん解いて、どのような時間配分であれば得点できるかを事前に把握しておくようにしてください。

慶應義塾普通部の算数対策
  • 過去問をこなして計算に慣れ、時間配分を把握出来るようにしておく
  • 過去問を解く際はA3サイズの用紙に回答を書き込むようにする

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。

理科は掘り下げた内容も

問題集でカバーできるような代表的な問題も出題されますが、その一方で異色の問題も出題されます。失点しやすい問題でいかに得点して合格ラインをキープするかが問われる試験です。特に生物は細かい情報を問われやすいので気をつけましょう。

化学や物理は問題集とはまた別の角度から事象に切り込む問題が出る年度があります。問題文を読み込んで、解く手がかりを探してください。受験対策テキストに載っている図や写真をよく覚えておきましょう。できれば、難しい問題の対策として、あわせて図鑑などにも目を通しておきたいところです。

時事問題にも関心を持っていると解きやすい

理科は時事問題や社会問題と切り離せない分野でもあります。話題になっていたり問題視されていたりする事柄と絡めて出題されるケースもあるので、時事問題を学ぶ際には理科の目線も意識しておくとよいでしょう。

苦手単元の把握を早めに

基本ができていて、その上で細かな部分理解していないと解けない問題が出るので、理科の苦手分野は早めに把握しておきましょう。テストや模試の結果を見て、勉強不足な単元がわかったら徹底的に問題を解いていきます。ひと通り解いただけでは理解できないので、間違えた問題は繰り返しやり込みましょう。

実験・観察の問題は頻出

実験や観察の問題がよく出ます。グラフや記述や作図ができないと解けない問題が出題されるため、正確に理解するようにしてください。実験や観察では道具の名前から、実際の流れまでを押さえておきましょう。

慶應義塾普通部の理科対策
  • 図鑑などを活用して生物の細かい情報まで入れておく
  • 常に時事問題には理科の目線を持って学ぶように心掛ける

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

社会は一般教養を問う問題が多い

慶應普通部の出題比率は歴史が最も多く、次に地理、一般教養、公民、時事といった順になっています。つまり時事問題はほとんど出ません。歴史・地理・公民は受験対策しやすいとして、一般教養を問う問題については日頃からのアンテナの張り方が問われます。慶應普通部を受けるのであれば日頃からいろんなニュースを学び、本を読み、知識を取り入れるようにしましょう。「北極圏の航路を書け」といったような、通常の受験対策では太刀打ちできない問題が出ます。

問題数が多いのでいかに失点しないかが大切

問題数が多い上、一般教養を問う難問が紛れ込んでいます。この一般教養を問う難問は他の難関校と比べても、なかなか解けないものばかりです。そうなると、解ける問題でいかに落とさないかが問われます。記述問題も多いので減点されないような満足いく回答を書けるようにしておきましょう。

資料を用いた問題が多い

慶應普通部ではグラフや地図、地形図、図版といった資料を用いた問題が出題されます。読み解けるようにしておきましょう。特に地図地形図はしっかりと頭に入れておかないと、大問全体が解けない事態に陥りかねません。地理は社会の中では最初に学ぶ分野であり、知識が抜けていくのも早いです。早めに覚え直しておかないとのちのち苦労します。

慶應義塾普通部の社会対策
  • 日頃からアンテナを張って一般教養を身に付けるように心掛ける
  • 「地図」「地形図」は何度も覚え直す必要がある

慶應普通部の入試は手強い。求められているのは教養人

慶應普通部の入試は手強い。求められているのは教養人

慶應普通部の入試の難易度は科目ごとに異なります。国語はそこまで文字数が多い文章ではないので、漢字や知識を身につけた上で文意を読み取る力をつけましょう。算数は考え方や途中式を解答用紙に落とし込まなければならないですし、そもそも書き出さなければ解けないタイプの出題が多いです。素早く正確に書けるようにします。

理科は基本から難問までが混在していて、一歩先の知識が必要です。社会は一般教養を問う問題が多く、日頃からさまざまな分野に関心を寄せているかが問われます。

全体を通して、正確性スピードを問う内容が多く、教養人に足る知識を求められます。そういう意味では苦戦する子供は多いでしょう。

勉強の仕方として、詰め込み式の受験対策では一般教養には対応できません。常日頃から関心のアンテナを張って、プラスアルファの勉強を心がけておきたいところです。たとえば、社会問題やニュースをチェックしたり、理科の図鑑を読み込んだりといったことです。

ただし、それらはあくまでプラスアルファで、慶應普通部で合格点をとろうと思ったら、基礎固めが前提となります。テストや入試の結果を分析し、苦手な単元をやり込んでください。


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