市進学院に転塾する前に。教材・テスト・クラス分け事情を知っておこう

市進学院に転塾する前に。教材・テスト・クラス分け事情を知っておこう

めんどうみ合格主義」を掲げている市進学院は、小学四年生から六年生を対象にした中学受験コースを有する塾です。この記事では市進学院への入塾・転塾を考えている家庭に、教材・テスト・クラス分け事情を紹介します。

市進学院ってどんな塾?

市進学院ってどんな塾?
市進学院とはどんな塾なのでしょうか。

市進学院は市進教育グループの塾

市進学院は茨進、平成進學アカデミー、典和進学ゼミナール、個太郎塾、プロ家庭教師ウイング、NPS成田予備と並んで、市進教育グループの塾のひとつです。東京・千葉・神奈川・埼玉と首都圏に展開しています。

合格実績は市進教育グループ全体で算出されているため、市進学院のみの合格者数は不明ですが、2022年度は男子の御三家では開成9名と武蔵1名の合格者、女子の御三家では、桜蔭7名と女子学院2名の合格者を出しています。全体的に見ると、千葉で実績を出している塾のため「千葉では市進」と評判です。

めんどうみ合格主義を掲げる

市進学院は徹底的に生徒の面倒を見ることを掲げている塾です。「めんどうみ合格主義」のキャッチコピーの下、各生徒に目配りしています。

塾は、学校とは異なり「誰が最後まで責任をもって生徒を見てくれるのか」が曖昧なケースも多いです。しかし、市進学院では担任の先生が責任をもって、生徒のサポートに当たります。相談したのにたらい回しにされてしまったり、よく知らない先生から見当はずれなアドバイスをもらってしまったりすることは基本的にありません。

先生の目が確実に行き渡るように少人数制を採用していて、質問対応や補講などの学習サポートも手厚いです。家庭学習まで綿密な計画でフォローしてくれます。

市進学院の授業時間は多くない

大手中学受験塾と比べると、市進学院の授業時間はあまり多くありません。子供の拘束時間が短いことを楽に感じる家庭もあれば、逆に不安に思う家庭もあるようです。ただし、授業以外でなにをやればよいのかを生徒任せには決してしていません。むしろ授業外でのフォローが手厚いからこそ授業時間を短くできているといえます。

家庭学習への働きかけ

家庭学習への働きかけが徹底しているのが市進学院の特徴です。計画表を通して家庭学習をしっかり管理しています。

授業の復習は翌日までに実施すること、ノートを活用すること、自分の到達度に合わせて「段階的な学習」をしていくことを家庭学習の方針としていて、反復学習やその生徒に合ったステップアップを促しています。

なお、段階的な学習とはホップ・ステップ・ジャンプの三段階です。ホップとは市進学院の生徒が最低限できなければならない課題、ステップはホップが確実にできるようになったら臨む標準レベルの課題、ジャンプは「ここまでこなせるようになるのが目標」とされるラインです。

ひとつのクラスに先生は二人

市進学院においてひとつのクラスにつく先生は二人います。文系と理系の先生がそれぞれひとりずつです。四教科それぞれを教えてくれる先生がいるわけではありません。専門性に特化した先生に教えてほしい場合は他塾のほうがよいでしょう。

しかし、二人の先生がひとつのクラスをもつスタイルは、生徒への目配りとしては理想的です。どの程度勉強についていけていて、なにを苦手としているのか、いまの課題はなにか、など担任の先生ふたりが意見を出し合ってくれます。

個太郎塾がある強み

授業についていけなかったとき、市進教育グループには、個別指導塾である個太郎塾があります。実際、塾から併用を勧められることもあるようです。もちろん、枠組みとしては別塾なので、塾内に個別指導コースがあるところに比べると不便な点もあるでしょう。しかし、転塾を考える前に検討するべき対処法があるのは強みです。

志望校別講座がない

市進学院には、残念ながら大手中学受験塾のような志望校別講座がありません。そのため、各学校に特化した対策は過去問を通して進めていかなければなりません。

市進学院の教材ってどんなもの?

市進学院の教材ってどんなもの?
市進学院の教材とはどんな内容なのでしょうか。

市進学院の教材は演習をさせる仕様

市進学院は、他の大手中学受験塾と比べると、演習の占める割合の大きい授業となっています。そのため、テキストである「必修シリーズ」は解説がそこまで多くない作りです。解説のページの横に自分で書き込めるページがあり、「自分で作る参考書」仕様になっています。

四谷大塚や日能研のように半年分で一冊の分厚いテキストではなく、もう少しページを小分けにして綴じてあります。荷物が重たくならずに済み、取り回しも楽です。小分けといっても毎授業ごと配布の形式をとるSAPIXとは違い、ある程度まとまっていますので、管理も難しくありません。厚さや印刷の印象から、他塾の生徒であれば「夏期講習のテキスト」を思い出す人もいることでしょう。

大手中学受験塾教材との比較

教材の内容に関しては「デイリーサピックス」や「予習シリーズ」に比べると見劣りがするという意見がある一方で、「授業内での演習に比重を置くための作りでよい」と評価する声もあります。

大手中学受験塾では解説に割く時間が長いため、塾で教える難易度と家庭学習の難易度にできるだけ開きがないようにします。市進学院では授業で演習をたくさんこなすので、授業内で解く問題のレベル自体はあまり高くありません。そのため、「家庭でほかの教材を」となったときに、レベルに差があり行き詰まってしまうこともあるはずです。ただし、塾自体は面倒見のよさでそのレベル差をフォローしてくれるので、どんどん先生に質問しに行ってください

ちなみに、市進学院でよく指摘されるのが、「理科や社会を始める時期が遅い」点です。大手中学受験塾では四年生からガッツリ取り組む理科と社会ですが、市進学院では五年生からです。四年生からやったところで、忘れてしまう子供はたくさんいるので、そのあたりは考え方次第でしょう。

ただし、難関校を狙うのであれば、理科や社会の「予習シリーズ」を通販で購入してあわせて読んでおくことをおすすめします。「予習シリーズ」のほうが受験に必要な理科と社会の情報を広く網羅しています。

「予習シリーズ」に関しては「直営校と提携塾がある?中学受験塾の四谷大塚に入塾するには」で詳しく紹介しています。

教材の数が多いため、先生への確認が必須

市進学院は教材の数が多い塾です。そのため、すべてをきっちり仕上げるのはなかなか難しいと言わざるを得ません。「どの教材を」「どのレベルまで」「どうやり込むか」がとても大切なポイントとなります。市進学院は家庭学習まで計画的な塾ですから、生徒が家庭で「なにをやってよいかわからない」なんて事態には陥りませんが、自分の状況を塾にフィードバックする意味でも、「こういう状況だが、どうすればよいか」と相談していきましょう。

塾と認識を共有しておくことは大切です。先生が生徒の実力を見誤っていると、難しすぎる課題を出されて教材をうまく活用できなくなったり、もうできる部分を何度もやらされてタイムロスしてしまったりという事態が起こりかねません。

テキストである「必修シリーズ」以外の主要教材

テキストである「必修シリーズ」以外にはどんな主要教材があるのでしょうか。

授業プリント

「必修シリーズ」で学んだ内容をどんどん解いて身に付けていくための演習プリントです。

家庭学習用のホームタスク

授業で使う「必修シリーズ」より難易度が高いことで知られる「演習問題ホームタスク」は、家庭学習用の問題集です。

ベーシックトレーニング

算数と国語のドリルで、一週間に六回分あります。日曜以外、毎日解くための仕様です。「計画表」に書かれた番号に対応しているため、隅から隅までやり込むことができます。

算数「トライアルシリーズ」

通常の家庭学習にプラスして使える問題集です。

算数「スピードチャレンジ」

算数では解くスピードも大切です。この問題集では速さと正確さを身に付けるトレーニングをします。

国語「エッセンスシリーズ」

調べ学習用教材です。ベーシックトレーニングに取り組む際に参考にします。

理科「知識のまとめ(小5・6)」・社会「知識の完成(小6)」

それぞれ重要な知識をピックアップしている問題集です。

市進学院のテストって?

市進学院のテストって?
市進学院にはどんなテストがあるのでしょうか。

タスクテスト

タスクテストは市進学院の授業時間中に実施される小テストです。授業内容を確実に定着化させるためのもので、日々の学習が確立できているかを問われます。授業でわからなかった箇所は家で復習するようにしましょう。

一方で、タスクテストで点をとることそれ自体を目的化してしまうのもよくありません。最終目標は志望校に受かることですから、そのための実力をつけるつもりで臨むとよいです。

定例試験

市進学院には定例試験と呼ばれるテストがあります。一か月から一か月半間隔で行われる実力テストです。範囲がそれなりに広いため、対策をするのはタスクテストに比べて難しくなります。

「タスクテストでなら点はとれるのに、定例試験ではさっぱり」という生徒も中にはいるでしょう。タスクテストの内容が定着化していれば、ある程度点数につながるはずなので、一時的な「詰め込み」で終わっていなかったか、勉強の仕方を見直す必要があります。なお、定例試験の後には、ホームページから解説や試験の解説動画を見ることが可能です。

模試は首都圏模試を勧められる

市進学院では、首都圏模試を受けるように勧められます。もちろん、首都圏模試自体は受けてみればよいのですが、上位校以上向きの模試とは言い難いです。なぜなら、首都圏模試の問題はあまり難しくありません。加えて、上位校以上を狙う生徒は首都圏模試よりも、四谷大塚の「合不合判定テスト」や日能研の「全国公開模試」を受ける傾向にあり、首都圏模試を受けない子供が少なくありません。そうすると、首都圏模試の偏差値は高めに出るため、判断が難しくなります。

四谷大塚の「合不合判定テスト」に関しては「女子が受ける私立の最難関中学校って?中学受験の最新事情」で詳しく紹介しています。
日能研の「公開模試」に関しては「日能研に転塾する前に。教材・テスト・クラス分け事情を知っておこう」で詳しく紹介しています。

市進学院のクラス分けってどうなっているの?

市進学院のクラス分けってどうなっているの?
市進学院のクラス分けはどのような仕組みなのでしょうか。

定例試験の結果でクラス分け

市進学院もほかの中学受験塾と同様、成績でのクラス分けがあります。学年によってクラス表記の仕方が異なるため、少しわかりづらいかもしれません。

学年 クラス表記
四年生 発展4V11 
応用4V10
標準4V(もしくは4V1・4V2)
五年生 発展5L10
応用5L(もしくは5L1・5L2)
標準5V
六年生 発展6F(もしくは6F1・6F2)
応用6C
標準6A
備考

クラスの分け方は、教室の生徒数によっても変わってきます。4V11がない教室や、上記にもあるとおり1・2に分かれている教室、分かれていない教室があります。

クラスアップ・クラスダウン

先ほど定例試験の結果によってクラスアップすると書きましたが、クラスアップの条件はそれだけではありません。日頃の取り組みや定例試験の結果も反映されます。「クラスアップしたのについていけない」では子供にとって逆効果なので、塾としてもその判断は慎重に行います。

クラスダウンについてはより慎重な判断の下で決められるため、一度上がった生徒をすぐ下げることはほぼないようです。

面倒見のよい市進学院は、演習重視の塾

面倒見のよい市進学院は、演習重視の塾
市進学院は大手中学受験塾とは違い、授業時間内の演習に重きを置く塾です。そのため、テキストや教材の作りも実践的なものになっています。その分、解説の情報量に不足があると指摘する声もあり、どのレベルの学校を志望するかによって教材への満足度は変わってくるでしょう。少なくとも難関校を目指すのであれば、理科と社会は予習シリーズを併用したほうが確実です。

テストはタスクテストと定例試験がメインです。日々の学力の定着化を目指し、その上で定例試験に臨んでください。クラス分けは定例試験の結果や日頃の取り組みによって決まります。そのため、テスト対策だけしても意味はありません。上位クラスでもついていけるだけの実力を日頃から身に付けるように努めましょう。

問題集のレベルと自分の実力に差があるように感じたら、先生に相談して調整してもらってください。家庭学習を塾がしっかり管理する分、自分の状況をフィードバックしていかないとズレが生じてしまうかもしれません。

塾についていけず、個太郎塾を併用したくない場合は、フォローを家庭教師に頼む選択肢もあります。塾での解説不足を補うのにおすすめです。


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