直営校と提携塾がある?中学受験塾の四谷大塚に入塾するには

直営校と提携塾がある?中学受験塾の四谷大塚に入塾するには

四谷大塚は広い地域に展開する中学受験塾です。評判の良いテキストである「予習シリーズ」で知られています。ただし、直営校は限られていて、多くを占めるのは提携塾です。この記事では、四谷大塚について紹介します。

四谷大塚ってどんな塾?

四谷大塚ってどんな塾?
四谷大塚の特徴は以下のとおりです。

伝統ある中学受験塾の老舗

四谷大塚は業界の中でも老舗の中学受験塾です。1954年12月、駿台予備校の四谷分校で実施した「日曜テスト」から始まりました。2006年以降は東進スクールを経営するナガセの傘下に入っています。

四谷大塚の直営校は首都圏のみ四谷大塚の直営校は首都圏のみ

四谷大塚は大手中学受験塾としてよく知られています。広い地域に展開しているイメージがありますが、直営校は東京・神奈川・千葉・埼玉のみ。そのほかは提携塾の位置づけです。提携塾は四谷大塚のカリキュラムに従って指導を行うシステムに加盟しています。平たく言うとフランチャイズです。

「予習シリーズ」が有名。四谷大塚の教材は塾オリジナル

四谷大塚のテキスト「予習シリーズ」はその質の高さから、別名「中学受験のバイブル」と呼ばれています。開発したのは、四谷大塚の一流講師陣です。中学受験に必要な要点が網羅されていて、わかりやすくまとめられています。優れたテキストであるため、早稲田アカデミーでも予習シリーズを採用していることは有名です。
なお、予習シリーズのみならず副教材や入試対策教材もよくできています。公立中高一貫校対策教材もあります。

中学受験塾では珍しい予習型の塾

中学受験塾は復習型を採用する塾が一般的です。しかし、「予習シリーズ」の名前からもわかるように四谷大塚は予習型を提唱しています。予習型を可能とするぐらいテキストがわかりやすいのです。
四谷大塚の生徒は、予習を済ませてから授業に臨むため、よりスムーズに授業内容を吸収することができます。ただし、提携塾の場合は予習よりも復習に大きな比重を置くところもあるため、あらかじめ確認してみてください。

全国統一小学生テストでもおなじみ

四谷大塚といえば全国統一小学生テストでもよく知られています。無料で全国規模のテストを受けられて、詳細なデータ結果をもらえるため、ちょっとした腕試しにテストを受ける家庭も少なくありません。全国の提携塾には毎度申し込みがたくさん来ます。
逆に、無料のサービスと聞いて、「しつこく営業されるのでは」と身構えてしまう家庭もあるかもしれません。しかし、全国統一小学生テストは、塾にとっても得るものが大きいのです。第一に、全国の子供たちの学力データが集まります。第二に、教育熱心な家庭に名前を知ってもらう絶好の機会です。よって、ひとりでも多くの子供に受けてもらいたいというわけです。
実際、塾を知ったことで入塾を決める家庭が多少は出てきます。しかし、それは全体の中ではごく一握りなので、「中学受験についてはまったく考えていない」「四谷大塚にこの先入る予定がない」という家庭でも気負わず受けてみるとよいでしょう。

四谷大塚に入塾するには

四谷大塚に入塾するには
四谷大塚に入塾するにはどうすればよいのでしょうか。

目指せ入塾テスト突破。合格率は半分程度

四谷大塚に入塾する際には、テストを受けなければなりません。合格率はだいたい半分程度ですから、二人に一人は落ちる計算になります。ただし、合格するまで何度でも無料で挑戦できるシステムです。テスト自体には費用もかからないため、安心して再挑戦できます。

全国統一小学生テストを入塾テストにできる

全国統一小学生テストを受けて合格基準を満たした場合も、入塾可能です。二人に一人が合格ですから、平均点がとれていれば入塾できると考えてください。もちろん、全国統一小学生テストでよい点をとって合格資格を得たからといって、入塾しなければならないわけではありません。

四谷大塚のメリットってなに?

四谷大塚のメリットってなに?
四谷大塚に通うメリットは以下のとおりです。

バランスのとれた塾

四谷大塚はサピックスのように超難関校受験に特化しているわけではありませんが、その分間口の広い塾です。一部のとびぬけて成績優秀な子供のために、他の子供が疎かにされることはありません。宿題の量や授業進度もサピックスに比べるとこなしやすくなっています。

提携塾が多いため、通いやすい

直営校に通おうと思うと、首都圏に住んでいなければ難しいですが、提携塾であれば数が多いため、家の近くで見つけやすいです。公式サイトから検索することができます。

記憶に定着化しやすい優れた構成のテキスト

四谷大塚で使用している予習シリーズは、見やすくわかりやすい優れたテキストです。
中学受験塾のテキストは、塾ごとに特徴があります。たとえば、サピックスは毎年改訂する即時性ある小冊子タイプのテキストです。しかし、整理が大変で親のサポートが欠かせません。
その点、予習シリーズは大幅改訂こそ数年に一度ですが、一冊にまとまっているため安心です。中もカラーで見やすく、四谷大塚のテストシステムに合わせた作りになっています。基礎からしっかりと説明されているテキストなので、親が子供をサポートする上でもやりやすいでしょう。四回進んで一回復習という構成なので、学習内容が子供の記憶に定着化しやすいです。

夏期講習が充実している

大手中学受験塾の中でも、コストパフォーマンスが高い夏期講習を実施しています。四谷大塚の塾生は夏期講習と8月特訓の両方が必修と決められていて、時間数で考えると他塾よりも長いです。
夏期講習の費用は多くの塾で二十万円前後の設定であり、四谷大塚も例外ではありません。そのため、費用に対して授業時間数の多い四谷大塚は、ある意味でコストパフォーマンスが高いと言えます。

テストシステムの充実と精度の高さ

四谷大塚はテスト会として始まった塾です。そのため、テストシステムの充実ぶりはよく知られています。中でも「合不合判定テスト」のデータは正確性が高いとされていて、中学受験を目指す家庭であれば絶対に受けておきたいテストです。

自習室がある

自習室がない塾は、家庭学習のほうが集中できるタイプの子供にはよい効果をもたらすでしょう。しかし、家庭学習のみだと上手く学習サイクルを構築できない家庭も多いです。「授業後は自習室で勉強してきてほしい」と考える家庭のニーズに、四谷大塚は応えてくれます。
ただし提携塾など、中には自習室のない教室もあるかもしれませんので予め確認することをお勧めします。

四谷大塚の主なメリット
  • 家の近くで見つけやすく「幅広い成績」の子が通いやすい
  • 優れたテキストである「予習シリーズ」があることで記憶に定着化しやすい
  • 「合不合判定テスト」というデータの正確性が高いテストシステムがある

四谷大塚のデメリットってなに?

四谷大塚のデメリットってなに?
四谷大塚に通うデメリットは以下のとおりです。

ここ数年の合格実績はイマイチ

近年、御三家のような超難関校受験では他の追随を許さないレベルで、サピックスの合格実績が際立っています。サピックス、四谷大塚、日能研、早稲田アカデミーの中学受験の大手四塾を、超難関校の合格者数順に並べ替えると、サピックス、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研の順になります。
なお、日能研は中位校に強く、超難関校を受験する子供をメインターゲットにしていないため、結果が悪くてもそんなには問題ありません。

しかし、四谷大塚が、サピックスはもとより早稲田アカデミーにも超難関校対策で勝てない状況はここ数年続いています。合格実績で勝てないのであれば、生徒に対する面倒見のよさといった別のアピールポイントが必要です。しかし、生徒へのフォローアップは早稲田アカデミーのほうが手厚いことで知られています。
早稲田アカデミーの売りは熱血指導です。よく「体育会系」と形容されますが、講師陣も元気よく声かけをしてくれます。四谷大塚は優れたテキストとテストシステムを有するバランスのとれた塾ですが、バランスがよい分、あえて四谷大塚を選ぶ突き抜けた理由が見当たらないのが現状といえるでしょう。

提携塾のクオリティにばらつきがある

提携塾に関しては塾ごとのカラーが大きく出るため、玉石混交なのが現状です。中には、指導にあたる塾講師のほとんどがアルバイトというケースもあります。提携塾に通う場合は、直近数年分の合格実績を確認してください。
合格実績は受験した人数と合格者数の両方を聞き出し、割合で考えることが大事です。「当塾の生徒は、優秀な学校にたくさん受かっています」と華々しい合格実績を装いつつ、実際には受験した子供がたまたま多かっただけというケースもあります。提携塾を検討している場合は、見学時に塾側にヒアリングしましょう。

サピックスほどではないが授業速度はそこそこ速い

四谷大塚は小学六年生になる前に、受験に必要な内容を一通り終えるカリキュラムです。サピックスほどではないですが、授業速度はハイペースなものになります。
おまけに、四谷大塚は予習型の塾なので、子供の予習のやり込み具合が授業理解に大きく影響しがちです。学習のルーティンが確立されていないと、あっという間に取り残されてしまいます。「予習が不十分」「授業理解が追い付かない」「宿題や復習に時間がかかり、結果的に予習ができない」という負のスパイラルに陥ってしまいかねません。
入塾前にどのぐらいの勉強が必要なのか、我が子の一週間の動き方を具体的にシミュレーションしてみたほうがよいでしょう。

親の負担もある程度覚悟が必要

中学受験は、子供だけではなく親にも負担がかかりがちです。たとえば、サピックスは完全に親の協力を前提にした授業システムです。家庭学習でいかに頑張れるかにかかっています。他塾も多かれ少なかれ親に協力を求めます。
四谷大塚はサピックスほどの負担はありませんが、予習型であるため子供からの質問が多くなりがちです。なお、成績優秀者の家庭では、親が進捗状況を管理し、わからない問題には付箋を貼って塾で質問を済ませてくるよう促しているケースが多くあります。とびぬけて親の負担が大きい塾ではないですが、ある程度の負担は覚悟したほうがよいでしょう。ただ、提携塾の中には面倒見のよい少人数の塾もありますから、フォローに割く時間をとるのが難しい場合は相談してみてください。

四谷大塚の主なデメリット
  • ここ数年の大手中学受験塾の中では「超難関校」への合格実績がイマイチ
  • 四谷大塚を選ぶべき「突き抜けた理由」を見つけにくい
  • 提携塾では塾ごとのカラーがありクオリティに「ばらつき」がある

四谷大塚の直営校と提携塾、どちらに入るべき?

四谷大塚の直営校と提携塾、どちらに入るべき?
直営校と提携塾のどちらがよいかは一概には言えません。直営校のほうが一定水準のサービスが確実に期待できるのは間違いありません。提携塾は塾によって指導の質がバラバラで、ピンからキリまであります。大切なのは、複数の塾見学に行き質問をすることです。塾の質を見極める目が必要となります。

提携塾への入塾を検討しているのであれば、ここ数年の具体的な合格実績と、現在の講師数および学年ごとの生徒数、講師の雇用形態、自習室の運用状況、予習や宿題の量、一週間の学習サイクルの作り方を質問してみましょう。「直営校とはどの点が違いますか」と尋ねてみるのもよいでしょう。可能であれば、実際に指導してくれる先生の体験授業も受けておきたいところです。
名物講師の体験授業のクオリティが高いのは当たり前なので、あくまで入塾した場合の担当になる講師の授業を希望するとよいでしょう。もし、通える範囲に直営校と提携塾があるのであれば、ぜひ両方見学してください。

入塾テストを突破して、相性のよい教室に入ろう

入塾テストを突破して、相性のよい教室に入ろう
四谷大塚は、超難関校の合格実績こそ伸び悩んでいますが、広いレベルの受験校に対応できるよい塾です。入塾テストも二人に一人は受かるので、たとえ落ちても恥ずかしがらず再挑戦するとよいでしょう。どんなテストもそうですが、一回目は形式になれるのに手間取ってあまり点が伸びないものです。最初から一回で受かる気で受けるのではなく、落ちても粘る覚悟で臨むことをおすすめします。
ただあまりにも何度も落ちると、子供のモチベーションに障りますから、基本的な勉強のサポートはしてあげられるとよいですね。

提携塾選びは必ず口コミに目を通すようにしてください。四谷大塚の名前だけで入塾を決めてしまわないことが大切です。入塾したら早めに学習サイクルを確立するようにしましょう。上手くいかない場合は、復習の指導だけでも家庭教師などの教育サービスに任せるとよいです。復習がスムーズに終われば、予習を疎かにせずに済み、学習サイクルも軌道に乗りやすくなります


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