塾をサボる子供への抜本的な対処法!サボり癖は早いうちに直そう

塾をサボる子供への抜本的な対処法!サボり癖は早いうちに直そう

学校や塾や習い事に対して、「サボりたいなあ」と思った経験はありませんか? なかには実際にサボってしまう子供もいます。「サボり」は、見方によっては親への「ヘルプの声」でもあるのです。この記事では、塾をサボる子供への抜本的な対処法を紹介します。

サボり方は十人十色。塾が防止に取り組むも

サボり方は十人十色。実はサボりではない場合も
最近の塾は生徒を守るためのセキュリティの一環として、入退館時に保護者に連絡がいくシステムを採用しているところが多いです。これはサボり防止の環境づくりにも一役買っています。

また、受付前を通らなければ外に出られない塾も少なくありません。生徒が先生の目を盗んで抜け出さないようにする効果もあります。また、その日学んだ内容や生徒の様子をオンラインで確認できる塾も増えてきました。

最近の塾は、先生だけではなく塾全体で子供の様子を見守っているのです。

昨今、塾に行かないだけがサボりではない。

サボるとひと口に言っても、塾に行かないだけがサボりではありません。
現在は入退館時に親へ連絡を入れている塾が主流になりつつあるため、親に隠してズル休みするのは至難の業なのです。

サボり方として多いのは具体的には以下のとおりです。

子供のサボり方のパターン
  1. 授業中に「トイレ」と言って席を外しそのままフラフラしている
  2. 自習室で居残るためにご飯を買いに行ったままなかなか戻らない
  3. 授業中にこっそり勉強以外のことをしている

つまり、「塾には来ているものの極力勉強をしない」というサボり方が主流です。

塾から足が遠のいたら、親はどうすればよい?

塾から足が遠のいたら、親はどうすればよい?
塾から子供の足が遠のき始めたら、親はどう働きかければよいのでしょうか。

子供から事情をヒアリングしよう

子供が塾をサボるようになるのには相応の理由があります。親にとって納得できるものかどうかはさておいて、ひとまず腰を据えて話を聞いてみてください。ヒアリングするときに大切なのは、叱らない姿勢です。

大人でもそうですが、怒られるとわかっていて正直に話をするのはなかなかハードルが高いもの。「最近、塾についてはどう?」とソフトに切り出してみましょう。なるべく自分の言葉で話し出すのを待ってください。

なお、子供はどうしても自分にとって都合の良い情報だけを親に伝えることがあります。とりわけ、低学年でその傾向は顕著です。

脚色して話してしまう子供の実例

授業開始直後、問題集を開きもせずに友達としゃべろうとした小学3年生のAくん。先生に注意されたため、「ぼく、わからない問題がありまーす。問題を見てないからぜーんぶわからない!」とおどけて笑いをとろうとしました。先生は笑わず、「Aくん、まずは問題集を開きましょう」とたしなめて授業を続行。

帰宅後、ご両親に「塾はどう?」と尋ねられたAくんは「今日、先生はぼくが質問してもきいてくれなかった。ひどい」と訴えました。翌日、ご両親が塾に怒鳴り込んできて、先生は経緯を説明。ご両親がAくんに「本当なのか」と問うと、「うん」と認めたというケースがありました。

親の気を引きたい子供は、自分の経験を脚色して話してしまいがちです。しかし、だからといってはなから子供の言葉を疑ってかかるわけにもいきません。親は子供を信じてあげるべき立場です。「親に疑われてる」と思った子供は本音で話すことを憚ってしまうでしょう。

たとえ事実にズレがあったとしても、子供が親に伝えたい気持ちは本物です。Aくんの場合も、先生の対応に「ひどい」と思った気持ち自体は否定されるべきではありません。

一方で、Aくんの主張が正当なものとして通るかは別問題です。大切なのは、子供の気持ちを正面から受け止めてあげること。塾に事実確認をすることです。

塾から事情をヒアリングしよう

子供からの聞き取りが終わったら、塾側の認識も確認する必要があります。いきなり塾に足を運ぶのはおすすめしません。最初は電話で連絡をとりましょう。出迎えの際に担当者をつかまえて話すと、どうしても業務の兼ね合いで手短になります。加えて、他の保護者や生徒に内容を聞かれてしまうかもしれません。

電話をかける時間帯は、塾が始まるより早い時間、それも余裕のある時間を狙ってください。塾長は昼過ぎや二時ぐらいから出勤するところが多いです。そのあたりで電話をすると、腰を据えて話を聞いてくれるでしょう。なお、担当講師ではなく塾長を指名するのがよいです。そのほうが塾全体で情報共有して対処に当たってくれるため、効果が期待できます。

話をするときはなるべく落ち着いて、要点を伝えてください。子供の主張はこうだと伝えた上で、塾側の認識を確認するとよいでしょう。

子供を無理に塾に行かせるのは避けよう

行きたくない原因がはっきりするまで、無理に子供を塾に行かせる必要はありません。子供が「行きたくない」というなら、いったんそれを受け容れましょう。

「ちゃんとさせないと」という焦りはあるでしょうが、まずはぐっとこらえたほうがよいでしょう。子供に「親は自分の苦しみと向き合ってくれない」と思われてしまうと、状況はますます悪化します。

子供の行動を変えるためには、親子の信頼関係が欠かせません。一度子供を休ませて、今後の対応を考えることをおすすめします。

塾でのトラブルの種類によって対応は変わってくる

塾でのトラブルの種類によって対応は変わってくる
行きたくない理由がはっきりしてきたら、どう対応していくかを決めましょう。

勉強についていけないのが原因だった場合

勉強についていけないから塾をサボるという場合、学習環境を根本的に見直す必要があります。まず、授業レベルが合っていなかったのに、長く塾からその指摘がなかったのであれば、塾側の対応に問題があるでしょう。

理解できないものを座ってずっと聞いていなければならない環境は、誰にとっても苦痛です。「自分はできないんだ」「ばかなんだ」と思い込み、自信や自己肯定感が削られてしまいます。

自信を失った子供が学力を伸ばすには、スモールステップ方式で成功体験を積み重ねていく必要があります。つまり、勉強を楽しいと思えるよう、ゴールをたくさん用意し、短いスパンで小さな成功を積み重ねていける方法をとるべきです。

塾内のコース変更で対応できればよいですが、難しいのであれば、個別指導や家庭教師に切り替えるのも手です。先生と生徒が一対一のスタイルであれば、子供一人ひとりに合った、カリキュラムを用意できます。成功体験を意識した授業を実現できるのです。

部分的に家庭教師に切り替えた子供の実例

Bちゃんは集団クラスで頑張っていましたが、算数だけは成績が上がりませんでした。イライラや不安が目立つようになったため、家庭と相談して算数だけ家庭教師コースを選択。三か月ほど集中的に勉強して実力をつけて、集団授業に戻ってきました。その後も補講の位置づけで、家庭教師は継続。成績が大幅に上がりました。

先生が嫌いで塾に行きたくない場合

先生と相性が悪く、塾に足が向かないケースもあります。とりわけ、低学年だと強く叱られた翌日から塾に行けなくなる子供は多いです。物腰柔らかなタイプ、生真面目なタイプ、威厳のあるタイプなど先生もさまざま。相性の悪い先生のいる塾に無理をして通う必要はありません。まずは改善を求めてみて、ダメそうであればほかの塾や家庭教師を検討しましょう。

ときどき、「先生は嫌いじゃないんだけど、授業はつまらないんだよね」と言う子供もいます。塾の一番の価値は、なんといってもわかりやすい授業です。つまらない授業をわざわざ受ける必要はありません。集団授業では講師が変更できないため、コース変更か、転塾、家庭教師などほかの教育サービスへ乗り換えをしたほうがよいでしょう。

心にストレスを感じてしまった子供の実例

Cくんは小学2年生のやんちゃな男の子でした。授業開始時にすぐに席につかずはしゃぎ回っていたところを、強面の先生が厳しく一喝。
その気迫に圧倒されて、Cくんは次の週から塾に来られなくなりました。塾と家庭で話し合い、先生も大声で叱ったことを謝罪。しかし、Cくんの心の傷はすぐには癒えず、他塾と家庭教師を併用することになりました。

数年後、強面の先生は退職し、Cくんは再び塾へと戻ってくることができました。

塾内の人間関係トラブルが原因だった場合

競争意識が強い環境に身を置くと、相応のストレスが溜まるものです。そのため、塾で人間関係が悪くなることは珍しくありません。

たとえば、まじめに勉強している子供の中で、やる気のない態度でいると槍玉にあげられることがあります。あるいは、成績が自分より劣っていることを馬鹿にする子供もいます。

もし、塾での人間関係トラブルが原因だった場合は、塾に改善案を求めましょう。具体的な対策を考えてくれる塾ならば、状況が改善する余地はあります。子供の責任を一方的に問いただすだけで、塾として対応する気がないようであれば、見限ったほうがよいです。

大雑把に「喧嘩両成敗」で終わらせてしまう塾も多いですが、これは塾側が対応を面倒くさがっている証拠。子供をしっかり観察できている塾であれば、そんなに雑なおさめ方はしません。人間関係がこじれるに至った経緯を見て、丁寧に対応してくれるはずです。

人間関係に悩んでいた子供の実例

集団クラスのDくんがほかの生徒に対し、挑発的な物言いを繰り返したため、クラス全体から距離を置かれたことがありました。このときは塾がすぐに保護者に連絡を入れて、事情を説明していました。

Dくんはみんなと仲良くしたい気持ちはあるのです。ただし、コミュニケーションが得意ではないため、相手の気を引く方法がわからず、つい喧嘩腰に絡んでいってしまいます。わざとらしく芝居がかった挑発をすることで、相手にも面白いと思ってもらえるのではないか、と考えている節がありました。しかし、さじ加減に失敗してしまい、他の子供たちのひんしゅくを買っていたのです。

塾から家庭への報告が早かったため、初期の段階から連携できていたのは強みでした。話し合いの末、個別指導に移動して一旦クラスと距離を置くことで、状況が悪化するのを食い止めたのです。その後、Dくんへの反感が落ち着いてきた頃に、ぶじ集団授業に合流することができました。

(※注)実はサボりではない場合もある

実はなんらかの特性を持っていて、通塾を苦痛に感じているケースもあります。塾では基本的に座り続けなければなりません。しかし、座り続けていることが苦手でどうしても席を外してしまう子はいます。

ほかにも、「何ページをやって」と数字で指示されただけでは該当のページを探せない子供、周囲の音に反応し過ぎて集中できない子供など、いろんなケースがあるものです。

塾側が子供の様子を見て、「もしかしてこの子には発達障害の特性があるのでは」と推測することもあります。しかし、専門家ではないため、保護者に言葉にして伝えることはほとんどありません。「塾ではこんな様子です」というあいまいな説明に終始してしまいがちです。

そうするとまじめな保護者ほど「やればできるはずなのに」と子供に厳しく接し、結果として悪循環に陥ることもあります。

なんらかの特性をサボりだと誤解してはならない

一概には言えませんが、子供の発達に気になる点があれば、早めに専門の機関へ相談してみることをおすすめします。ただし発達障害とは診断されず「グレーゾーン」と診断される子供も多くいます。そのような場合でも、しっかりと塾と情報を共有出来ていれば対応も変わってくるはずです。

現在では発達障害やその疑いのある子供専門の塾や、それに特化したプログラムを用意している家庭教師も増えてきています。子供に合った学習環境を保護者が用意してあげることで、びっくりするほどグングンと伸びていくかもしれません。

塾をサボる子供にはそれぞれに理由がある

塾をサボる子供にはそれぞれに理由がある
「サボる」というと、その響きから子供に責任があるように聞こえるかもしれません。しかし、サボるに至った背景には、子供一人ひとりの事情があるものです。まずは叱りつけるのではなく、子供から話を聞きましょう。その上で塾側の見解も聞いて、とるべき対応策を検討してください。

「サボるからうちの子はダメ」ではなく、「サボるということは、この子にとってもっとよい学習環境があるのかもしれない」と考えてみるとよいです。そのまま放置すると、「合わないからやらない状態の継続」、つまり傍目には「サボり癖がついている状態」に陥りかねません。

子供は自分に最適化された環境に身を置くと、グングン伸びます。なにが最適かは子供によってバラバラです。塾の集団クラスには多くの子供が通っています。スタンダードな教育サービスであることは間違いないですが、集団授業を受けるだけで伸びる子供は一握りに過ぎません。

子供一人ひとりの成長をどうフォローしていくかという観点から、ぜひわが子に最適な教育サービスを選んでください。


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