• 2023年10月25日
  • 2024年4月1日

跡見学園中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の勉強法

跡見学園中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の勉強法

跡見学園中学校は主体的な学習マインドの育成に重きを置く、伝統ある女子校です。進学支援にも力を入れているため、志望する家庭も多くあります。この記事では跡見学園中学校を目指す家庭に向けて国語・算数・理科・社会の勉強法を紹介します。

そもそも跡見学園中学校ってどんな学校?

そもそも跡見学園中学校ってどんな学校?

跡見学園中学校は、創立者跡見花蹊が明治8年に跡見学校を開校したのが始まりです。勉強のみならず情操教育にも力を入れています。

跡見学園中学校では、一人ひとりの女性が夢に向かい、未来を切り拓くための力を持てるような教育を行っています。中高一貫の六年間を通して、生徒たちの成長過程と向き合い、きめ細やかな指導を行い、自律し、自立した女性の育成を目指します。

勉強においては「できないからやらない」「やらないからできない」の悪循環を防ぐため、補習授業に力を入れています。少人数を対象にした国語・数学・英語の補習で、苦手教科を克服するための内容です。複数教員によるティームティーチングで実施しています。

今を生きる女性たちの育成に励む学校として、国際交流も重視しています。夏期海外語学研修ではオーストラリア・ブリスベンにある名門校St. Rita’s Collegeとの姉妹校交流プログラムを設けています。他にも、ニュージーランドへの体験留学や、一学期分留学するターム留学などの制度が用意されていて魅力的です。

跡見学園中学校の入試概要

跡見学園中学校の入試概要

跡見学園中学校の入試について見ていきましょう。

2023年度の入試

2023年度入試の合格倍率を見ていきましょう。学校ホームページの受験者数と合格者数から割り出し、小数点第三位で四捨五入しています。
帰国生入試は1.25倍です。一般入試は第一回が1.97倍で第二回が2.65倍でした。

特待入試は第一回が1.96倍、第二回が国語重視型入試で2.41倍。第三回は二種類あり、思考力入試が2.24倍、英語CS入試が1.67倍です。第四回は2.07倍でした。

2024年度の入試

2024年度の入試の予定は以下のとおりです。

一般入試

2月1日(木)午前の第一回は募集定員が70名、2月2日(金)午前の第二回は募集定員が60名です。受験科目は、二科(国語・算数)または四科(国語・算数・社会・理科)の選択制で、合否はどちらも試験当日の18時から2月6日までwebで確認できます。

特待入試

特待入試は、第一回が2月1日午後実施で募集定員は50名、第二回が2月2日午後実施で募集定員は40名です。第一回と第二回の受験科目は国語と算数の二科と定められています。

第三回は思考力入試と英語コミュニケーションスキル入試の二種類があり、2月4日午前に実施の予定です。思考力入試では漢字力・計算力・思考力が問われ、英語コミュニケーションスキル入試では漢字力・計算力・英語(筆記)・英語(面接)の試験が行われます。募集定員は合計で20名です。

第四回は2月5日午前で募集定員は20名、試験は二科(国語・算数)もしくは四科(国語・算数・社会・理科)の選択制となっています。

帰国生入試

帰国生入試は、12月19日午前で募集定員は10名です。入試の内容は国語・算数・作文(600字)・面接(受験生と保護者1名)となっています。合格発表は12月19日 (火) 16:00 ~18:00です。

2024年度の出願について

2024年度の出願はwebでの受付です。クレジットカード・コンビニエンスストア・金融機関ATM(ペイジー)・ネット専業銀行からお支払い方法が選択できます。出願時に選択した受験科目は、出願後の変更が認められません。気をつけましょう。

跡見学園中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

跡見学園中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

跡見学園中学校の一般入試における国語・算数・理科・社会の出題傾向を紹介します。

国語は読解文がふたつ出題

大問は四つで、制限時間は50分です。跡見学園中学校ではここ数年、読解文の大問がふたつ出ています。一般入試の場合は大問一が物語文で大問二が論説文です。物語文のほうが論説文よりボリュームがある内容になっています。文章に対しての設問の数は、物語文も論説文もだいたい同じぐらいです。問題の出題形式としては、選択問題と記述問題があります。記述問題は合わせて四問前後です。

大問三は筆順、部首、類義語や対義語、漢字の読みなどの知識問題、大問四は漢字を書く問題となっています。

算数は計算が多め

大問は四つで制限時間は50分です。算数は計算が多めに出題されています。

大問一はすべて計算で8問ほど出題されます。大問二は小問集合が8問で大問三・四は各2問の文章題です。大問三あたりまでは比較的簡単ですが、大問四はやや難しくなっています。図形の出題が多めで、平面図形は確実に出題されます。立体図形も頻出なので、図形だけで何問も出題される年度も珍しくありません

社会は時事も反映

社会の大問は三つで、制限時間は理科と合わせて50分です。

跡見学園中学校の社会は、地理・歴史・公民すべての分野から出題されます。加えて、問題の導入としてよく時事問題が取り入れられています。たとえば、2023年度の一般入試の第一回ではウクライナについての問題が出ました。ただし、ウクライナの現状を理解しているかどうかの問題ではなく、ウクライナの現状に絡めて知識を問う問題でした。
地図や表、グラフも問題ごとによく出ます。外国の都市の雨温図は押さえておいてください。

理科は実験の占める割合が大きい

大問は五つで、制限時間は社会と合わせて50分です。

大問一は小問集合で、大問二から四はそれぞれ問題文を読んで解く問題です。大問二から四の問題は、導入で実験を扱っているものが多くあります。
各分野からの出題です。

ポイント
  • 国語の読解文以外は比較的コンパクトにまとまった問題文が多い
  • 問題の難易度は基本レベルが多く難問はあまり出ない

跡見学園中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

跡見学園中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

跡見学園中学校に合格するためにはどういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

読解文の量が多いので素早く読む練習を

読解文がふたつあり、特に物語文は長めです。そのため、文章を素早く読む作業が必要になります。まずは過去問をやってみて、自分がどのぐらいの時間で読み込めているのかを確認してみましょう。

もし、遅いのであれば読み慣れる必要があります。問題集をやり込んで、文章に慣れましょう。焦って飛ばし読みをする子供もいますが、それでは重要な情報を取りこぼしてしまいます。飛ばし読みがクセになっている子供はしばらく問題文を音読するようにしてみてください。その上で、問題集をやり込み、スピードアップを図りましょう。

論説文に慣れておこう

物語文以上に多くの子供が苦戦するのが論説文です。論説文は小難しく感じる子供も多くいます。読み慣れなければならないので、問題集の論説文は積極的に解いていきましょう。テーマを把握できないようであれば、論説文の内容を要約する練習をしてみるとよいです。要約したものは必ず塾や家庭教師の先生に見てもらってください。要約のポイントがずれていないかどうかチェックしてもらいます。語彙力が追い付かず読み込めない場合は、塾の「まとめ教材」や市販の問題集を使って語彙を固めていきましょう。

漢字は点数のもらえる字を

中学受験において、漢字の採点は厳しいです。書けたつもりでも、「とめ」「はね」「はらい」で減点されます。しかし、実際には走り書きのような字を書く子供がとても多いです。うまく書けなくても、丁寧に書けば得点は得られます。注意して臨みましょう。

跡見学園中学校の国語対策
  • 文章を素早く読めるようにする
  • 論説文を積極的に解いて慣れておく

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

算数は図形に注意

基本レベルの問題が多い中で、意外と難しいのが図形です。平面図形にしろ、立体図形にしろ苦手な子供が多い単元ですから、しっかりと対策を立てる必要があります。過去問では相似を使った問題や立体の切断などが出ています。図形は頻出単元なのでやり込んでおきましょう。ほぼ毎年図形の問題が複数出題されています。

規則性の問題が解けるように

規則性もまた、跡見学園中学校の頻出問題です。定番の問題が出やすいので、問題集をやり込んでください。図形を使った規則性の問題もよく出るので、類題を解いて対策しておきましょう。

問1と問2は基礎を固めて

算数の問1と問2は、問題集の基本問題レベルをやり込んで解けるようにしておきましょう。特に計算ミスをなるべく減らせるようにしたいところです。計算ミスが多い場合、計算に特化した問題集を毎日少しずつ解くようにしましょう。解いているうちにミスの傾向が見えてくるので、先生にアドバイスを求めてください。

途中式を書く問題も

問題の後半に進むと、採点者にわかるように途中式を含めて考え方を書き出す問題も出てきます。採点者に伝わるような書き方を心がけましょう。日頃から途中式をちゃんと書くようにしてください。

跡見学園中学校の算数対策
  • 図形と規則性の問題は頻出単元なので類題をやり込んでおく
  • 採点者に伝わる途中式を書けるように常に意識しておく

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。

実験の単元はよくやり込んでおこう

理科は問題を見ればわかるとおり、実験に関連した出題がとても多いです。実験の問題をたくさん解いて、実験の流れや結果を説明できるようにしておいてください。

資料にも目を通そう

図表や写真が問題に組み込まれていることが多いです。難しいものは少なく、あくまで基礎の範囲から出題されます。問題集の解説ページに載っている図表や写真はチェックしておきましょう。

要点をまとめた教材をやっておこう

基礎的な用語や知識を問う問題も多いので、塾や市販のまとめ教材や問題集の要点チェックのページを繰り返しやり込んでおきましょう。ある現象や実験結果について理由を問う問題もよく出ます。その場合は文末を「から」もしくは「ため」にするのを忘れないようにしてください。

跡見学園中学校の理科対策
  • 実験関連の問題は必ず出ると思ってよい

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

全分野を押さえておこう

地理・歴史・公民のすべてから出題されるため、満遍なく勉強しておく必要があります。対策としては、白地図をやり込んで、地形・気候・自然災害を覚えておきましょう。地理や歴史の問題は、時事と絡めながら出題するケースがあるので、情勢が緊迫している国の状況にはアンテナを張っておくとよいです。

記述問題が多め

社会のテスト問題は記述問題が多めです。物事の背景を問う問題や理由を問う問題がよく出題されています。つまり、丸暗記で覚えているだけでは駄目で、起きている事態の背景を説明できなければなりません。社会を学ぶ際は常に、なにが原因でその結果どういう事態を引き起こしたのかを説明できるようにしておきましょう。誰かに口頭で説明するやり方での暗記がお勧めです。

跡見学園中学校の社会対策
  • ただ丸暗記するだけでは記述問題に立ち向かえない

一般入試以外の試験は?

一般入試以外の試験は?

跡見学園中学校には一般入試以外にも特待入試帰国入試があります。特待入試の思考力入試では漢字力・計算力・思考力のテストが実施されますし、英語コミュニケーションスキル入試では漢字力・計算力・英語のテストおよび英語の面接が実施されます。

とりわけ思考力のテストは独自性が強いので、学校のホームページで過去問を確認してみてください。問題文や図をよく読み込んだ上での思考力が求められます。漢字力・計算力のテストについては、ドリルをやり込めば対応可能です。英語のテストは文法をはじめ、基本的な問題が多く、奇をてらった問題は出ません。

四科のテスト内容において、一般入試と特待入試は似た構成です。ただし、特待入試の国語では物語文と論説文ではなく論説文をふたつ扱いますし、一般入試より特待入試のほうが算数の大問3・4の難易度はやや高めに設定されています。

過去問から傾向を読み解いて臨もう

過去問から傾向を読み解いて臨もう

跡見学園中学校を受けるのであれば、過去問から頻出単元を分析しましょう。比較的傾向がわかりやすいので、対策が練りやすいです。算数の図形であったり、理科の実験であったりが繰り返し出題されているとわかります。

問題の難易度は基本寄りで、難問は出ません。しかし、その分、どう点差をつけるかが問われます。平易な問題で点を落とさないようよく見直しましょう。問題集の基本問題を繰り返しやって、とりこぼしのないようにしてください。

試験に出てくる問題文は比較的コンパクトにまとまっていますが、国語の読解文だけは別です。大問1の物語文はボリュームがありますし、大問2には論説文も控えています。確実に点をとるためには素早く読み込み理解する力が必要です。

なお、その年の出題傾向は全体的に似ているので、複数回受験したほうが圧倒的に有利です。

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