• 2020年12月25日
  • 2024年4月1日

家庭教師と中学受験を目指す上で、失敗しないためのポイントって?

家庭教師と中学受験を目指す上で、失敗しないためのポイントって?

中学受験と聞くと大手中学受験専門塾を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし、塾に通う以外にも、中学受験対策にはさまざまな方法があります。そのひとつが家庭教師です。中学受験に特化したサービスを提供する、家庭教師派遣センターはけっして少なくありません。この記事では家庭教師と中学受験を目指す上で、失敗しないための方法について紹介します。

中学受験を目指すにあたり、家庭教師が向いている子供のタイプは?

中学受験を目指すにあたり、家庭教師が向いている子供のタイプは?
大手中学受験専門塾に入れても、ついていけない子供は必ず出ます。ついていけない子供がダメなのではありません。仮に、わが子が塾についていけなかったとしたら、「この子は塾向きではないのかもしれない」と考えたほうがよいでしょう。
だいたいの塾では、クラス分けや順位で子供たちを競わせます。モチベーションアップを図るためです。しかし、逆に、そうした競争を負担に感じ、疲弊する子供ももちろんいます。また、周囲に人がいると落ち着かないタイプの子供は、集団授業ではなかなか集中できません。遠慮がちな性格だったり引っ込み思案だったりすると、自分からは全く質問できない子供もいます。そうした「塾向きではないタイプ」の子供たちには、オーダーメイドカリキュラムで対応する家庭教師のほうが向いているでしょう。
家庭教師は一対一の強みで、生徒をこと細かくフォローすることが可能です。「いつまでになにをどこまで進める」といった指示出しがあれば、勉強はだいぶ楽になります。もちろん、塾でもそうした指示出しはしてくれますが、家庭教師ほど即時性があるわけではありません。

塾が向いている子供のタイプ
  • 集団の中で競争心を持ってガツガツ競うことが得意な子供
  • 複数の中でも質問をすることに臆さない子供
  • クラス分けや順位発表をモチベーションに変えられる子供
家庭教師が向いている子供のタイプ
  • 周囲に人がいると落ち着かない集中できない子供
  • 遠慮がちで質問を積極的にできない子供
  • マンツーマンで合格まで一直線に突き進みたい子供

家庭教師のメリット・デメリットを把握した上での準備を

家庭教師のメリット・デメリットを把握した上での準備を
中学受験で家庭教師を最大限活用するためには、メリット・デメリットを把握しましょう。

中学受験対策における家庭教師のメリットとは

中学受験対策における家庭教師のメリットは以下のとおりです。

競争によるプレッシャーが少ない

競争意識がやる気に結び付く子供もいれば、かえって自信をなくしてしまう子供もいます。家庭教師の場合、塾の集団授業のようなプレッシャーはかかりません。生徒一人ひとりに焦点を当てて成長を見守ることが可能です。

送迎の負担がない

塾のように送迎の負担がないため、保護者が忙しい家庭であっても安心です。送迎時間は受験勉強で忙しい子供にとってもタイムロスとなります。家庭教師であればその点、不安はありません。

フォローが手厚い

塾の集団授業では複数の子供を一度に見ているため、どうしても一人ひとりの進捗に対する目配りが大雑把になりがちです。対して、家庭教師の指導はあくまで個人に向けたものになります。現在なにをどこまで理解できているのか、細部に至るまで把握した上での指導を行ってくれるため安心です。

メンタルケアをお願いしやすい

一対一の距離感であるため、ただ勉強を見てもらうだけではなくメンタルケアをしてもらうことが可能です。受験勉強は長期間にわたります。多くの生徒が一度は気持ちの浮き沈みを経験するものです。そんなときに、自分に寄り添ったアドバイスをしてくれる先生の存在は心の支えになるはずです。

合わない先生は交代できる

ほとんどの家庭教師派遣センターで用意されているサービスです。自分と担当の家庭教師が合わないと感じたら交代をお願いすることができます。塾の集団授業では、たくさんのクレームが殺到しない限りまずできないことです。

中学受験における家庭教師のデメリットとは

中学受験対策における家庭教師のデメリットは以下のとおりです。

マンパワーによるところが大きい

中学受験専門塾の強みは、毎年多くの生徒を見てきたノウハウと体系化されたカリキュラムです。その点で、家庭教師はどうしてもマンパワーによるところが大きくなるため、先生の見極めがカギとなります。

コストが高くつきやすい

家庭教師のデメリットとして、塾の集団授業に比べてコストが高くつく点が挙げられます。授業料だけではなく交通費も家庭が負担するケースがほとんどです。「気づいたら当初予定していた予算を大幅にオーバー」なんて事態は避けたいもの。できるだけ、事前にどのぐらいの費用がかかるのか計算しておきましょう。特に長期休み中や受験本番直前の追加授業について、あらかじめ考えておくことをおすすめします。

ライバルがいない

塾と違い、肩を並べて切磋琢磨するライバルがいません。プレッシャーから解放される一方で、その分モチベーションの維持や相対的な成績の把握は難しくなります。定期的に全国規模の模試を受けるようにするとよいでしょう。

中学受験を目指すにあたって家庭教師の選び方

中学受験を目指すにあたって家庭教師の選び方
中学受験を目指すにあたって、どのように家庭教師を選べばよいでしょうか。

家庭教師の種類を知っておこう

家庭教師は大きく分けて、プロ家庭教師大学生アルバイトの二種類があります。まず、プロ家庭教師は社会人の家庭教師です。素晴らしい合格実績を誇り名前が売れてている家庭教師もいれば、塾講師との兼業でノウハウを生かしている家庭教師もいます。
気をつけなければならないのは、社会人だからというだけで、プロの枠で売り出されている家庭教師もいるという点です。プロ家庭教師という分類にははっきりした定義がありません。内実は、家庭教師派遣センターごとの定義に左右されるため確認が必須です。
次に大学生アルバイトですが、基本的に中学受験指導において大学生アルバイトをメインの指導者に据えるのはおすすめできません。一番の理由は経験不足です。中学受験対策においては、蓄積されたノウハウや情報がモノを言います。大学生アルバイトにお願いするのであれば、「中学受験専門塾で習った内容のフォロー」辺りがよいでしょう。

家庭教師との契約の仕方を知っておこう

家庭教師との契約の仕方もさまざまです。一般的なのは家庭教師派遣センターを通しての契約でしょう。家庭教師派遣センターが仲介に入ると、それなりのマージンはとられます。
しかし、ただ高いわけではなく相応のメリットもあるのです。その最たるものはトラブルが起きたときの対応力でしょう。たとえば、「家庭教師と子供の相性が悪い。できるだけ早く交代してほしい」となったとき、家庭教師派遣センターが間に入っていれば、速やかに新しい先生を手配してくれます。
対して個人契約の場合は、合わない家庭教師に当たってしまうとイチから自力で代わりの家庭教師を探さなければなりません。大きくタイムロスしてしまいます。個人契約の一番の魅力は、業界でネームバリューのある先生に直接お願いできる点です。逆に言えば、それ以外の個人契約は、中学受験対策ではあまりおすすめできません。

中学受験において家庭教師を活用するならどういう方法がよいか

中学受験において家庭教師を活用するならどういう方法がよいか
中学受験における家庭教師の活用法は、大きく分けて三つあります。

家庭教師一本で中学受験に挑む

実績のある家庭教師に指導をお願いして、塾には通わず中学受験に挑むパターンです。週に必要な回数だけ家庭教師に来てもらい、マンツーマンで合格を目指します。指導力のある家庭教師にお願いできるかどうかがカギです。どうしても費用は高くつきますが、その分フォローは手厚いでしょう。

家庭教師を塾の補習の位置づけにする

塾で学んだ内容を受けて、わからない問題や勉強の仕方について家庭教師にフォローしてもらうやり方です。中学受験の合否を分ける大きな要素として、塾で出された宿題および復習をどれだけとりこぼしなくやり込めるかという点が挙げられます。難関校に受かる生徒は一切手を抜きません。ポイントを絞ってみっちりと家庭教師に教えてもらうことで、ぐんと成績アップする未来が期待できます。

家庭教師をサポート業務メインでお願いする

中学受験専門塾に通うとなると、親がサポートにつかなければなりません。このサポート業務はなかなか大きな負担です。送迎や弁当以外にも、大量のプリントの整理ややっていない問題の洗い出し、復習しなければならない箇所の特定などやらなければならないことがたくさんあります。
結果、忙しい共働き家庭では親のほうが先に参ってしまうケースもあるのです。そうなる前に、親の役目とされる勉強に関するサポートを家庭教師に一任してはどうでしょうか。もちろん、送迎や弁当作りは無理ですが、勉強に関する内容であれば対応してくれるはずです。
家庭教師に、今後やらなければならない問題を取りまとめてもらい、家庭学習がはかどるよう細かく指示出ししてもらうだけで、親の負担はだいぶ軽減されます。

家庭教師との中学受験。不安要素があるときはどうする?

家庭教師との中学受験。不安要素があるときはどうする?
思うように成績が上がらなかったり、家庭教師の提示する計画に不安があったりしたときはどうすればよいのでしょうか。

成績が上がらない。このままで合格できるか不安な場合

成績が上がらない場合は、その理由がどこにあるのかを考える必要があります。まずは家庭教師の意見を聞くようにしましょう。家庭教師の分析が納得いくものであればよいですが、そうでなければ家庭教師派遣センターに相談します。
その際に、家庭教師派遣センターには家庭教師の分析内容を伝えて、家庭側としてはどういう点が腑に落ちないのかを説明しましょう。家庭教師と家庭教師派遣センターとの間で話し合いがもたれるはずです。
家庭教師と家庭は緊密に連携できる分、なかなか第三者の目が入らない傾向にあります。ときどき、家庭教師派遣センターに間に入ってもらうことは有効です。その分、家庭教師も緊張感をもって指導にあたってくれます。

本当に受かるの?先生の計画に不安がある場合

中学受験において、受験勉強のスケジューリングはとても大事な要素です。いかに指導が上手くてもスケジューリングが下手な先生にあたると、個々の単元の理解はできても、必要な範囲をカバーしきれないまま受験当日をむかえるなんて事態を招きかねません。
そうした悲劇を避けるために、家庭教師とまめに情報を共有するようにしましょう。保護者も含めて週に一回、進捗を共有する時間を5~10分程度とるとよいです。加えて、その月の大まかな方針を確認する時間をとることをおすすめします。
とりこぼしのない情報共有のためには、あらかじめ情報共有用のフォーマットを用意しておくのが有効です。家庭教師派遣センターで専用のフォーマットを用意している場合もありますし、家庭教師に作成をお願いする場合もあります。家庭側で知りたい項目だけピックアップして作るのもよいでしょう。具体的な内容としてはその月の目標具体的なペース配分表授業ごとの内容報告実際の課題達成状況、それを受けての反省点や現状分析などです。
それ以外にも、家庭で宿題や学習を進めていく中で、「この単元に関して自分は実力不足だ」と感じたり「この単元を復習したい」と思ったりしたら、すぐに先生へフィードバックするようにしましょう。家庭教師派遣センターでは、定期的に個々の家庭教師の指導計画についてアドバイスしているケースもあります。しかし、どれだけ踏み込んだアドバイスをするかはその家庭教師派遣センターの方針次第です。実質、ほとんど先生任せにしているところもあります。
人生の岐路になり得る中学受験。先生に対しても悔いの残らないコミュニケーションをとりたいものです。「このやり方でよいのだろうか?」といった不安は抱え込むのではなく、直接ぶつけるようにしましょう。もしかすると、家庭教師側には経験に基づいたなにかしらの根拠があるのかもしれません。
生徒の目には必要な単元に見えても、家庭教師からすると優先順位が低い単元である可能性もあります。受験本番までの限られた期間でなにをどれだけ進めるのかを検討するには、プロの目線が欠かせません。出題範囲が広い中学受験ですから、シビアな判断力を要するのです。

家庭教師との間の不安を解消させるポイント
  1. 不安を感じたらすぐに家庭教師派遣センターに相談する
  2. 説明・相談の前にできるだけ情報を纏めておく
  3. 家庭教師とはまめに情報を共有する
  4. 情報共有のためのフォーマットを早い段階から用意する
  5. 家庭目線での意見とプロ目線からの意見をしっかりと融合させる

中学受験において家庭教師を活用し合格を掴もう

中学受験において家庭教師を活用し合格を掴もう
家庭教師は生徒のニーズに合わせて上手く活用すれば、心強い味方です。マンツーマンで必要な学習内容を手厚くフォローしてくれます。家庭教師のメリット・デメリットを把握した上で、メリットを最大限生かせるような指導をお願いしましょう。不安要素は即解消できるよう、打ち合わせの時間を設け、指導用のフォーマットを共有してください。時間との戦いである中学受験において、最大限の成果を得るために、記事で紹介したような失敗しないためのポイントを押さえておくことをおすすめします。

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