【中学受験】グノーブルの評判は。ついていけないぐらい難しい?

【中学受験】グノーブルの評判は。ついていけないぐらい難しい?

中学受験を意識している首都圏の家庭なら、「グノーブル」の名前を聞いたことがあるのではないでしょうか。
最近、中学受験において存在感を増している塾です。2021年度は塾生の約一割が御三家に合格していて、サピックスに肩を並べる実績を誇っています。この記事ではグノーブルがどういう塾なのか、評判はどうなのかについて紹介していきます。

目次

グノーブルの基本情報

グノーブルの基本情報
グノーブルの基本情報は以下のとおりです。

グノーブルは首都圏に展開する塾

グノーブルは2006年に大学受験塾として創設され、2013年から中学受験部をスタートしています。東京・千葉・神奈川に校舎を有する塾で、2021年現在の校舎は、お茶の水校・吉祥寺校・自由が丘校・白金高輪校・巣鴨校・成城学園校・東京(東日本橋)校・たまプラーザ校・武蔵小杉校・横浜校・西船橋校の計11校です。

高い合格実績を誇る

グノーブルは高い合格実績を誇ります。以下は2021年度の合格実績です。

男子中学校
合格者数
開成中 13名
麻布中 16名
武蔵中 7名
駒場東邦中 10名
栄光学園中 11名
聖光学院中 22名
灘中 2名
筑波大学附属駒場中 7名
女子中学校
合格者数
桜蔭中 10名
女子学院中 11名
雙葉中 6名
フェリス女学院中 7名
豊島岡女子学園中 11名
早慶附属校・共学中学校
合格者数
慶應義塾(普通部・中等部・湘南藤沢) 計32名
早稲田中(早稲田中・早大学院・早実中) 計25名
渋谷教育学園幕張中 34名
渋谷教育学園渋谷中 23名
筑波大学附属中 10名

生徒数は大手に比べれば少ない

2021年の合格実績によるとグノーブルの生徒数は469人です。数千人を擁するような大手中学受験塾に比べると人数はまだまだ少ないと言えます。ただし、塾生の合格実績の高さから、今後の人数も右肩上がりが予想できるでしょう。

コミュニケーションを重視したクラス編成

グノーブルでは生徒とのコミュニケーションに重きを置いています。そのため、クラス編成も双方向性のあるコミュニケーションを実現できる人数です。直接のやりとりを通して、一人ひとりの生徒の「知の力」を育てます。

グノーブルの入室テストって?

グノーブルの入室テストって?
グノーブルの入室テストの詳細は以下のとおりです。

入室テストの科目

学年 受験科目
新一年生(現年長) 算数
新二年生(現一年生)
新三年生(現二年生) 算数・国語
新四年生(現三年生)
新五年生(現四年生) 算数・国語・理科・社会
新六年生(現五年生)

なお、新四年生はテスト終了後に体験授業を受けます。

入室テストの受験料

入室テスを受けるのに受験料が必要な塾もありますが、グノーブルの入室テストには受験料は不要です。

入室テスト合格後はフォローも

入室テストに合格したあとは、授業についていけるようサポートしてくれます。たとえば、まだ履修していない内容がある子をフォローしてくれたり、転塾のカリキュラムギャップをどう埋めるかについて考えてくれたりします。

グノーブルはサピックスと深い関係がある?

グノーブルはサピックスと深い関係がある?
ここではサピックスとの関わりや設立経緯を見ていきましょう。

グノーブルの設立者はサピックスの創設メンバーのひとり

グノーブルが急成長の塾となった背景には、設立者である中山伸幸氏の存在があります。中山氏はサピックスを創設した三人のうちのひとりです。大学受験コース「NEXUS」を設立し東大合格実績を伸ばすも、方針の相違からサピックスを離れてグノーブルを立ち上げました。もともと英語指導のたしかさや、受験指導をしながらも受験一辺倒ではない教育観で大きな信頼を集めていたため、一部の生徒たちがグノーブルに転塾し、初年度から高い合格実績をたたき出す異例の塾となりました

グノーブルの中学受験部門はサピックスからの引き抜きにより創設

グノーブルの中学受験部門は、2013年度から開始してあっという間に実績をあげました。なお、教務本部長についたのはサピックスの教務本部長だった眞田素氏です。今のサピックスのカリキュラムを作った人物であり、グノーブルが元祖サピックスのように評されるのも無理はありません。

カリキュラムや授業時間、テキストはサピックスとほぼ同じ

学年ごとのカリキュラムを見比べると、内容は一部の相違を除きサピックスとほぼ同じです。カリキュラムが似ているだけあって、授業時間数もサピックスと変わりません。

たとえば、六年生を見てみましょう。どちらの塾も、
平日17:00から21:00までで、80分×3コマを週2日
土曜14:00から19:00までで、75分×4コマです。

なお、サピックスといえば、大量に配布されるテキストで有名ですが、グノーブルも同様です。薄い冊子の形状をしたテキストなので、毎年の出題傾向を受けて臨機応変に差し替えることができます。こまめに改訂することで、受験に必要な最新の問題を随時提供できるのです。

六年生の授業料はサピックスとほぼ同じ

2021年度グノーブルとサピックスの授業料は学年ごとに以下のとおりです。なお、費用は税込表記です。

学年 グノーブル サピックス
新一年生 ¥14,300 ¥20,900
新二年生 ¥17,600 ¥22,000
新三年生 ¥23,500 ¥24,200
新四年生 ¥41,800 ¥41,800
新五年生 ¥48,400 ¥52,800
新六年生 ¥59,400 ¥59,950

グノーブルのほうが全体的に安いですが、六年生の授業料はサピックスとほぼ同じです。

評判からわかるグノーブルのメリットって?

評判からわかるグノーブルのメリットって?
実際に通わせている家庭の声からわかる、グノーブルのメリットは以下のとおりです。

元祖サピックスのノウハウがある

設立の経緯からもわかるとおり、代々木ゼミナールに買収される前の元祖サピックスのノウハウが色濃い塾です。質の高い授業および洗練されたカリキュラムとテキストで無駄なく難関校合格を目指すことができます。サピックスは希望者が多く入塾できないケースもありますが、その点でまだまだ生徒数の少ないグノーブルはねらい目です。

生徒数の少なさからフォローが手厚い

グノーブルは現状、大手に比べれば生徒数の多い塾ではありません。そのため、講師陣も生徒一人ひとりと向き合う姿勢を貫いています。塾が生徒の状態を個別に把握しているため、その子にとって本当に必要な指導がピンポイントで可能です。フォローの手厚さに救われる子供も多くいます。

生徒の自立学習をサポートするシステム完備

通常授業の解説動画がweb上で配信されています。復習用や休んだ日の分として活用することが可能です。難関中学受験に強い塾ということは、その分授業レベルも高くなります。解説動画を通して理解を深められるのは、大きな利点と言えるでしょう。

受験のための勉強ではなくその先を見据えた勉強

グノーブルは合格だけを目指す塾ではありません。進学後までを見据えて、学びそのものの持つ価値を大切にしている塾です。

集団授業だけで難しい場合は個別指導も

集団授業だけでは理解を深めるのが難しい子供もどうしてもいます。その場合は、「中学受験グノーブル個別指導」を活用する選択肢も可能です。生徒が理解できるまで、腰を据えて教えてもらえます。

グノーブルのメリット
  1. 元祖サピックスのノウハウ
    サピックス設立者から引き継がれるカリキュラム
  2. フォローが手厚い
    まだ生徒数が少ないため目が行き届く
  3. 自立学習をサポート
    通常授業の解説動画がweb上で配信されるので、自ら繰り返し学習が可能
  4. 先を見据えた勉強
    中学受験の先にある、学びそのもののを大切にしている
  5. 個別指導も併用可能
    グノーブルが経営する個人指導塾で苦手を克服できる

評判からわかるグノーブルのデメリットって?

評判からわかるグノーブルのデメリットって?
実際に通わせている家庭の声からわかる、グノーブルのデメリットは以下のとおりです。

中堅校にはあまり強くない

難関校対策に注力しているため、中堅校対策にはあまり強くありません。あらかじめ中堅校狙いの家庭が選ぶ塾ではないでしょう。

生徒数が少ないためデータやライバルとの競争に不足

生徒数がまだまだ多くはないため、集められるデータには限りがあるのが難点です。少人数なのでライバルが上手く作れない場合もあります。

テキストの整理が大変

授業で使うテキストは薄手の冊子タイプで、大量に配布されるため管理が大変です。整理するには、親のサポートが欠かせません。テキスト専用の棚を作らないとすぐにぐちゃぐちゃになってしまいます。

授業がスピーディー

難関校対策を得意とする塾であり、きっちり復習していく習慣がないとあっという間に学習についていけなくなってしまいます。宿題量も多いため相応の努力が必要です。

校舎数が限られていて教室も広くない

首都圏の11校しかないため、入塾を検討しようにも通えない環境の家庭は多いです。また、少人数制を採用していることもあり、広々とした設備があるわけではありません。

グノーブルのデメリット
  1. 中堅校にはあまり強くない
    難関校対策に注力しているため、中堅校対策にはあまり強くない
  2. データやライバルとの競争に不足感
    蓄積データや生徒数が他塾に比べて少ないため比較材料に不足感がある
  3. テキストの整理が大変
    サピックスと同じく、授業で使うテキストは薄手の冊子タイプなので整理が大変
  4. 授業の進度が速い
    高度な学習内容を、その都度の授業と自宅での復習で習得する能力が求められる
  5. 校舎数が少なく、教室が狭い
    他塾に比べて非常に少ないため、通塾を諦めざる得ないことも

授業内容が高度なグノーブルに向いている子は?

授業内容が高度なグノーブルに向いている子は?
塾には塾ごとのカラーがあります。グノーブルに向いている子はどんなタイプでしょう。

学習習慣が身についている子

グノーブルの授業スピードについていこうと思うと、学習習慣がついていない子供では難しいです。授業を集中して聞いて、「家に帰ったら復習」を心がける必要があります。グノーブルは少人数制を採用していて、生徒一人ひとりに対するフォローは丁寧ですが、主体的に学ぶ意欲がないと難しいでしょう。

わからない問題を整理し、消化できる子

自分がわからない問題を整理し、管理する能力も必要です。わからない問題は質問しに行くなり親に解説してもらうなりして随時消化していかないと、次の授業のわからない問題、その次の授業のわからない問題と、消化しきれないまま抱え込むことになりかねません。この部分は親のサポートで多少フォローできる部分でもありますが、親だけが一手に担うのは負担が大きいです。

難関校を目指している子

グノーブルに子供を入れる家庭は難関校を目指しているケースが多いです。中堅校の指導に秀でている塾というわけではないので、最初から中堅以下を目指すのであれば、わざわざグノーブルを選ぶ必要はないでしょう。他の中堅校受験のおいて実績をあげている塾を選ぶことをおすすめします。

校舎に通いやすい子

塾選びはアクセスしやすい立地かどうかも大切なポイントです。グノーブルはまだ校舎数が多くはないため、どれほど魅力を感じたとしても通える範囲に棲んでいる子供は限られているでしょう。受験生になると、タイムロスをどう減らすかが重要になってきます。仮に、移動時間が長いとしても、移動中に勉強できる環境であれば問題ありません。

ただ、小学生の体力はまだ十分ではありませんから、移動時間が長いとどうしても疲れがたまりやすかったり、通塾が億劫になってしまったりする傾向は否めません。

前向きな競争意識を持てる子

子供に競争意識を持たせる塾は多く、グノーブルもまた例外ではありません。成績順のクラス分けもそのための仕組みのひとつです。

ただ、大手に比べると人数が少ない分、競争意識といっても比較的穏やかな傾向はあります。だからといって、皆が耐えられるわけではありません。競争しなければならない環境に大きなストレスを感じたり、一生懸命になるあまり、自分よりよい結果を出す子が許せなくなってしまったりとさまざまな子供がいます。

競争で傷つくタイプの子供は、家庭教師や個別指導のほうが向いているでしょう。わが子が前向きな意味での競争意識をもって取り組めるか、見極めてあげてください。

グノーブルに向いている子
  • 学習習慣が身についている子
  • わからない問題を整理し、消化できる子
  • 難関校を目指している子
  • 校舎に通いやすい子
  • 前向きな競争意識を持てる子

グノーブルは面倒見のよいハイレベルな塾

グノーブルは面倒見のよいハイレベルな塾
グノーブルは、御三家をはじめとする難関校狙いの家庭にはぴったりな塾です。グノーブルの中心にいるのはサピックスを牽引してきた名だたる講師陣であり、カリキュラムの完成度の高さや生徒の向学心を引き出す技術は疑う余地もありません。

実際、初年度から高い実績を出している稀有な塾です。合格比率で見ると難関校受験で業界ダントツ一位のサピックスと肩を並べています。間違いなく子供たちを難関校合格へと導くノウハウを持つ塾です。

しかも、大手と比べてフォローが手厚いという魅力があります。少人数の強みを生かし、講師陣の目が生徒一人ひとりにまで行き届くようにしているのです。大人数の生徒を擁する塾ならではの激しい競争はないかもしれませんが、逆にその環境が安心感につながり学習意欲を持てる子供も多くいます。

難関校受験を考える家庭であれば、入塾を検討する余地はあるでしょう。復習や宿題がハードなので、家庭学習が軌道に乗らない場合は、家庭教師との併用もおすすめです。

あわせて読みたい記事

グノーブルの紹介と合わせて、「サピックスで中学受験対策。マンスリー確認テストや組分けテスト」も是非ご覧ください。グノーブルとサピックスの違い、我が子にとってのメリット・デメリットなど、比べてみてはいかがでしょうか。


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