四谷大塚に入塾するために、最初に受けるのが入塾テストです。生徒を集めるテストなのだから、なんだかんだ受かると考える向きもあるかもしれません。しかし、実際は、不合格の確率もそれなりに高いため、確実に受かるためには対策が必要です。この記事では不合格にならないための勉強法を紹介します。
四谷大塚の入塾テストの難易度は?合格率はどのぐらい?
四谷大塚の入塾テストの難易度や合格率はどのぐらいなのでしょう?
四谷大塚の入塾テストの難易度は高いの?
四谷大塚の入塾テストの難易度は、大手中学受験塾の中では「一番難しい」と評されています。中学受験で最難関校に強い塾といえばサピックスですが、そのサピックスの入塾試験よりも難しいと嘆かれがちです。それだけ聞くと、身構えてしまいますが、難しいと感じるのは他の子供も同じなので、入塾のハードル自体が特別に高いわけではありません。
難しいと言われる理由のひとつに、出題傾向が分析されていない点が挙げられます。四谷大塚の入塾テストは問題用紙を回収するため、具体的なテスト内容は一切出回っていません。そのため、受けた家庭のブログや知り合いの口コミぐらいしか情報源がないのです。
なお、他の塾でも基本的にテスト問題の二次配布は禁止されていますが、インターネット上で売り買いされている現状があります。
合格率は50パーセント前後
四谷大塚の入塾テストの合格率は50パーセントと言われます。つまり約半数が不合格になっているということです。不合格になったからといって、今後も絶対入れないわけではありません。再チャレンジが許可されているためです。何度落ちても受け直すことができます。
四谷大塚側も何度も受けるガッツのある生徒は伸びるという考えで、再チャレンジを歓迎しています。
入塾テストを受けないと入れないの?
入塾テストを受ける以外にも四谷大塚に入塾する方法はあります。
全国統一小学生テストを受けよう
ひとつはCMでおなじみの全国統一小学生テストです。だいたい偏差値50前後で、入塾資格審査合格証が郵送され、入塾テスト合格と等しい扱いになります。全国統一小学生テストは無料で受けられるテストで、年長から受験資格があります。入塾テストを兼ねて受ける子供もいますが、そうではない子供のほうが多いので気軽に受けて大丈夫です。
受験会場を担当する塾によってある程度の温度差はあるかもしれませんが、しつこく勧誘されるようなことは基本的にありません。全国規模の学力データを入手できるので、おすすめします。
体験授業の週テストに合格しよう
もうひとつは週テストを受けて入塾するというやり方です。まずは体験授業を希望してください。体験授業といっても一回だけではなく複数回あり、カリキュラムの中には週テストも含まれます。この週テストに合格すれば、入塾が可能です。
四谷大塚の入塾テストを受けるまでの流れは?
四谷大塚の入塾テストを受けるまでにはどんな手順を踏めばよいのでしょうか。
入塾テストを受けるまでの流れ
- 01申し込みはインターネットから
- 入塾テストを希望する家庭は、ホームページのお申込みフォームから申込みをします。送信できていれば、自動返信メールが返ってきます。
- 02校舎から連絡が返ってくる
- メールもしくは電話で校舎から連絡があります。
- 03入塾テストと同時に父母説明会も
- いよいよ入塾テスト本番です。保護者向けには説明会も行われます。
- 04合否の連絡
- 入塾テストの結果についてテストを受けた校舎から連絡がきます。
- 05校舎面談で情報の共有を
- 校舎面談で情報共有を行います。現状の学力はどのぐらいか、今後どのように学習していくべきなのか等の話し合いです。
- 06受講コース決定と手続き
- 四谷大塚は学力によって受講コースが変わる塾です。そのため、最初は入塾テストの結果を受けてコースを編成します。
四谷大塚の入塾テストを受ける前に、家庭で身に着けておきたいこと
四谷大塚の入塾テストを受ける前に、家庭であらかじめ身に着けておきたい習慣やスキルについて紹介します。
日々の学習習慣とフィードバック
中学受験を目指すのであれば、毎日勉強机に向かう習慣づけが必要です。毎日コツコツ勉強する習慣がついていなければ、入塾してもいずれ勉強についていけなくなります。なお、子供の解いた問題は必ず採点しフィードバックするようにしましょう。
どうしても忙しいと「ちゃんと解けているね」「ここは間違っていたよ」だけで済ませてしまいます。しかし、フィードバックを疎かにすると、せっかく解いても学力が身に付きません。手厚いフォローを家庭でするのが難しければ、家庭教師をはじめ教育サービスにアウトソーシングしてください。間違ったところはどう間違っていたのかを伝え、次からは解けるように段階的に仕上げましょう。
読み書き
字の読み書きができるようにしておきましょう。
「読み」は音読で身に着けよう
読書習慣を定着化させましょう。本好きな子供を除き、低学年はまだ字を追うことに慣れていません。もちろん、だいたいの子供は読めるには読めるのですが、文章の内容がすとんと入るまでにタイムラグがある子供も多いです。
子供がひとりで読むことを嫌がるようであれば、親も一緒に読んであげてください。親が音読すれば、正しい読み方を学ぶ機会にもなります。徐々に子供だけで読む箇所を増やしていきましょう。中学受験塾の低学年指導でもよく音読をさせる塾があります。声に出して読むことでより正確に、字の読み方をインプットできますし、読み流してしまうクセもなくなるものです。
なお、実際のテストでは音読はできませんから、音読を通して黙読でも読み飛ばさない能力を身につけていきましょう。
「書き」はとめ・はね・はらいや筆圧に注意
字は丁寧に書く習慣を身につけさせましょう。中学受験塾の漢字の採点は厳しいです。とめ・はね・はらいがちゃんとできていなければなりません。成績のよい子供でも、字を書く際に、細部が疎かになってバツがつくケースは多いです。
また、筆圧が弱すぎてバツがついてしまう子供もよく見ました。筆圧が弱いと、そもそも、とめ・はね・はらいができているのか、いないのかがわからないのです。その結果、採点も厳しくなってしまいます。日頃から一文字一文字を色濃く丁寧に書く練習をしてください。
計算ではスピードと正確性の両立を
算数の問題を解く上で、基本的な計算力はなにより必要です。せっかく問題の解き方がわかっても計算でつまずいては失点してしまいます。正確に解ける計算力が必要です。ただし、入塾テストには時間制限があります。時間内に解き終わるだけのスピードも求められるため、正確さと速さを両立できるよう日頃から計算練習しておきましょう。
解き終わったあと問題を見直す習慣
解いたら解きっぱなしではケアレスミスは防げません。時間ギリギリまで見直しをする子供もいれば、ぼんやりしている子供もいます。解き終わったあとは必ず問題を見直すよう子供に教えておきましょう。優先的な見直しが必要だと感じた問題には、マークをつけておくとよいです。限られた時間内で効率的な見直しができるようにしておきましょう。
「日々の学習習慣とフィードバック」「読み書き」「解き終わったあと問題を見直す」という習慣をしっかりと身に付けておくことが何よりも重要です。
四谷大塚の入塾テスト対策。受かるための勉強法
四谷大塚の入塾テストに合格するためには、どのような勉強法が効果的なのでしょうか。
四谷大塚の入塾テストは学年によって教科が違う
四谷大塚の入塾テストは学年によって内容が大きく変わります。新三年生までは国語と算数の二教科、新四年生からは国語・算数・理科・社会の四教科です。
四谷大塚の入塾テストは時間が足りない?
入塾テストでは、「国語が解き終わらなかった」という感想をよく聞きます。四谷大塚の国語は、長めの読解が出ることが多く、慣れていないと読み終えるだけで大幅に時間がかかってしまうのです。日頃からある程度まとまった分量の文章を読む練習をしておく必要があります。
もちろん、ただ読めるだけでは得点できません。記述問題も多いので、問われた内容に的確に答えられなければなりません。記述問題は文末に注意しましょう。せっかく内容的には合っていても文末が設問に対応していないため、バツがつくケースがよくあります。
一例を挙げると、理由を問われているのに文末を「ため」「から」で締めないといったものです。また、解答欄のマスが多いのに、字数を少なくしてしまうのもNGですので注意してください。ほかにも接続詞を多用したり、読点で字数稼ぎをしてしまったりといろんなアウトな事例があります。
四谷大塚の入塾テストの算数は応用レベル
国語の難しさが顕著なのは事実ですが、では算数は簡単かというとそんなことはありません。応用レベルがしっかり出ます。他塾からの転塾であれば、使っていた算数テキストの応用レベルまで解けるようにしておきましょう。計算問題も文章題も出るので、計算問題でのケアレスミスで失点しないところから始めます。
四谷大塚から出ている問題集で勉強しよう
低学年で初めての入塾テストだと、なにをどう勉強するべきか見当がつかないかもしれません。まずは、四谷大塚から出ている「はなまるリトル」シリーズを解いておくとよいです。はなまるリトルシリーズぐらいの難易度がこなせるようになれば、そこそこ得点できるはずです。
どうしても落ちてしまう場合、どうすればよいの?
四谷大塚の入塾テストに何度か挑戦して、どうしても落ちてしまう場合どう対策すればよいのでしょうか。
受験した校舎にアドバイスを求める
「どうしても入塾したいのですが、どういう対策が必要でしょうか」と問い合わせてみてください。塾側から見て、子供の実力不足の原因がどこにあるのかを指導してくれるはずです。使うべき問題集はどれなのか、どの単元に注力するべきか、学習習慣をつけるにはどうしたらよいかなどを指導してくれるでしょう。
四谷大塚に詳しい家庭教師を頼む
中学受験においては、中学受験塾と家庭教師を併用して対策する家庭が少なくありません。四谷大塚の補習に慣れている家庭教師も多いです。四谷大塚の入塾テストにはどういう勉強が必要なのか、詳しい先生にお願いして短期間でもよいので指導してもらってください。
他の中学受験塾を受けてみる
通えそうな場所に他にも中学受験塾があるのなら、一度受けてみることをおすすめします。出題傾向が違ってあっさり合格する可能性もあります。日能研やサピックス、早稲田アカデミーなどに挑戦しましょう。
全国統一小学生テストや体験授業を受ける
入塾テストに落ち続けると子供にもプレッシャーがかかるので、入塾テストではなく、あえて全国統一小学生テストを受けるのもおすすめです。もしくは、体験授業がまだなら、参加してみてください。
子供が自信を失わないようにフォローを
子供も不合格を繰り返すと自信を失ってしまうかもしれません。二人に一人は落ちるテストであり、不合格を繰り返した末に入塾し、実力を伸ばしていった先輩たちがいることを聞かせてあげてください。「自分はダメなんだ」と思い込まないで済むよう、出た結果に対して叱らないことが大切です。
学習習慣をつけて四谷大塚の入塾テストに合格しよう
四谷大塚の入塾テストは「日本一難しい入塾テスト」と冗談で言われるほど、中学受験塾の中では手こずる子供が多いテストです。しかし、条件は皆一緒なので、身構える必要はありません。
低学年のうちは、基礎的な読み書きが身についているか、計算力が定着化しているか、それらを応用でもある程度活かせるか、といった点が問われます。どの問題集で実力をつけたらよいのかわからない場合は、はなまるリトルに挑戦してみてください。
新四年生以降は四教科に増え、受験に必要な学力がダイレクトに問われます。とりわけ、国語の読解文の長さや、記述問題に手こずる子供が多いです。まずは解答する上でのルールを知っておくようにしましょう。
入塾テストは入塾するためのテストというより、中学受験に向けてやっていける子供なのかを問われるテストだと言えます。まずは、中学受験に必要な学習習慣を身につけましょう。なお、この学習習慣は、子供の日々の勉強だけを指すのではなく親や教育サービスによるフィードバックも含みます。
四谷大塚は繰り返し受験することを勧めていますし、入塾テストはお金もかかりません。家庭での学習スタイルを見直しながら何度でも挑んでみてください。