四谷大塚についていけない。国語・算数・社会・理科の勉強法は

四谷大塚についていけない。国語・算数・理科・社会の勉強法は

四谷大塚は大手中学受験塾の中でも、バランスのとれたカリキュラムで広く実績を出している塾です。難関校、上位校、中堅校と手広くカバーして、生徒を合格に導いています。この記事では四谷大塚での勉強に苦労している子供に向けて、科目ごとの勉強法を紹介します。

そもそも四谷大塚ってどんな塾?

そもそも四谷大塚ってどんな塾?

四谷大塚は大手中学受験塾のひとつです。直営校は首都圏にだけ展開しています。直営校よりも圧倒的に提携塾の数が多く、地方への展開は提携塾が担っている状態です。

提携塾はいわばフランチャイズのような位置づけなので、塾によって大なり小なり違いがあります。システムやカリキュラムは四谷大塚のものですが、提携塾ごとにカラーの違いがあるため、入塾を検討している場合なるべく複数の塾を見学しに行くとよいでしょう。

四谷大塚は、中学受験テキストとして有名な『予習シリーズ』でもよく知られています。フルカラーでバランスのよいカリキュラムは、他塾の生徒も参考書として購入するケースがあるぐらい使い勝手のよいものです。なお、四谷大塚のテキストやテストシステムは、早稲田アカデミーも採用しています。

現状、四谷大塚の難関校における合格率は、大手の中では三番目です。サピックス、早稲田アカデミー、四谷大塚、日能研の順になっています。四谷大塚は難関校のみならず、上位校や中堅校狙いの子供も手広くカバーしているため、生徒の成績にも柔軟な対応が可能です。

四谷大塚における国語の勉強法は?

四谷大塚における国語の勉強法は?

四谷大塚における国語の勉強法を見ていきましょう。

四谷大塚で使う国語の教材は?

メインテキストである『予習シリーズ』、『予習シリーズ』での学びをさらに深めるための『演習問題集』、語彙や漢字を強化する『漢字とことば』、難関校狙いの子供向けの『最難関問題集』があります。

解くのに時間がかかる国語。どこまでやればよい?

国語の勉強法としては、『予習シリーズ』をやり込むことが第一です。『演習問題集』まで手が回らずに焦る子供も多いですが、無理してやる必要はありません。まずはきっちり『予習シリーズ』を仕上げてください。

『予習シリーズ』は単元の冒頭にポイントをまとめた頁があり、そのあとに基本問題、発展問題、最後に文法や語彙をまとめた頁があります。まず、冒頭のポイントをチェックし、基本問題から取りかかりましょう。文章は音読します。六年生は時間がないので黙読でも大丈夫です。語彙の読み間違いがないようしっかり読み込みます。その上で、出てきた言葉は必ず覚えるようにしてください。発展問題も同様に取り組みます。

記述は先生に確認してもらうとよいです。多くの場合、自分では気づかなかった減点ポイントを指摘してもらえます。先生に指摘された内容は次回に生かすため、頭に入れておきましょう。

基本問題と発展問題は両方解いたほうがよいですが、基本問題がほとんどこなせないうちから無理して発展問題を解いても、得るものよりタイムロスのほうが大きいでしょう。その場合は『予習シリーズ』の発展問題は一旦脇に置いておいて、演習問題集で基礎レベルを固めていくのも手です。ある程度軌道に乗ってから発展問題をこなすことをおすすめします。

漢字は毎日覚えよう。書く際の筆圧に注意

『漢字とことば』を活用し、毎日少しずつ漢字を覚えていきましょう。毎回漢字テストをやってくれる提携塾ならばよいですが、そうでなければある程度自分で進めていく必要があります。家庭学習の冒頭で必ず漢字テストを行うことにしてはどうでしょうか。

間違えた問題は丁寧に直して、その場で覚えてしまうとよいです。本当に覚えられたか確認するために、次の回の漢字テストで、前回ミスした問題をあわせて解くようにします。解き直すサイクルを確立するようにしましょう。

漢字を書く際は、とめ・はね・はらいを意識しましょう。筆圧にも注意するようにしてください。漢字で減点されがちな子供は、弱い筆圧で書きなぐっているケースが少なくありません。線がはっきりしないため、どうしても丸がつかないのです。筆圧が薄い子供はBや2Bの鉛筆を使いましょう

なかなか得点が上がらない子供の原因と対策

勉強しているのに、一向に国語の得点が上がらない子供の傾向として、「そもそも読めていない」ケースがよくあります。無意識に文章を読み飛ばしていたり、文意を理解しようとせず文字だけを目で追ってしまったりする子供は少なくありません。そういうタイプには、六年生であっても音読をおすすめします。塾の先生が添削してくれるのであれば、読み終わったあと、要約文を書かせるのも手です。上手い要約文には記述に必要なノウハウが詰め込まれていますし、文意を理解する練習にもなります。

得点が上がらない子供の原因と対策
  • 無意識に読み飛ばしていないか確認する
  • 文意を理解しながら読み進める習慣を付ける
  • 塾の先生の添削を基に要約文を書いてみる

四谷大塚における算数の勉強法は?

四谷大塚における算数の勉強法は?

四谷大塚における算数の勉強法を見ていきましょう。

四谷大塚で使う算数の教材は?

四谷大塚で使う算数の教材は『予習シリーズ』を中心に、計算力アップのための『計算』、『予習シリーズ』の類題が解ける『演習問題集』、難関校受験向けの『最難関問題集』、それから『週テスト問題集』などです。

予習を忘れずに。つまずきやすい算数

四、五年生の『予習シリーズ』の算数は、例題・類題、基本問題、練習問題の構成になっています。このうち、多くの塾では例題・類題を予習してくるように指示されるはずです。例題・類題を解くにあたっては、解説を読み込みましょう。授業を聞くための下地ができます。

例題・類題のやり込みがいい加減なまま授業を受けると、どうしても理解が追い付きません。授業中に理解を深められれば、家庭学習も効率化し宿題や予習復習に割く時間も増えるので、準備して臨む姿勢が大切です。算数はつまずく子供が多いです。授業ごとの準備がカギとなります。

基本問題をパーフェクトに

よく『予習シリーズ』の基本問題のやり込みが甘いまま、練習問題に取り組もうとする子供がいますが、それではろくに学力が身に付きません。基本問題をやり込む際は『演習問題集』も活用してください。類題が載っているので、併用することで確実に解けるようになります。

『予習シリーズ』で間違えた問題があれば何度もやり直し、その上で『演習問題集』の類題を自力で解いてみましょう。『演習問題集』の類題がスラスラ解けるようであれば、解き方を理解できています。『予習シリーズ』と似ている問題なのに手こずるようであれば、解き方を丸暗記していただけかもしれません。その場合は、演習シリーズ含めてほかの類題にも挑戦するとよいでしょう。塾の先生に相談すれば問題を用意してくれます。

計算ミスを連発する子供は数をこなそう

計算ミスを連発する子供は、解き慣れていないケースと性格に原因のあるケースの主に二つに分かれます。問題慣れしていない子供は、『計算』を毎日やり込んで、慣れるようにしましょう。性格に原因がある場合は、ミスしやすい性格であることを自覚した上で、具体的な対策を用意しておくべきです。

性格に原因がある場合の具体的な対策例
  • ガサツな性格で、途中式の書き方も雑。そのせいでミスを誘発している。
    → 右から左、もしくは上から下へ文字を書いて見直せるようにする
  • やったらやりっぱなしの性格で、見直しをしないためミスに気付かない。
    → 今度から終わったら一問目に戻る作業をルーティン化する
  • 計算中に集中力が切れる傾向があって、どこを解いていたかわからなくなる。
    → 今度からは一問解き終わるまで鉛筆の先を問題から離さない

四谷大塚における理科の勉強法は?

四谷大塚における理科の勉強法は?

四谷大塚における理科の勉強法を見ていきましょう。

四谷大塚の理科の教材は?

メインテキストである『予習シリーズ』、類題を解ける『演習問題集』、難関校受験者向けの『最難関問題集』、受験のための要点チェックにぴったりな『四科のまとめ』がメインの教材です。

『予習シリーズ』をやり込んでから『演習問題集』をやろう

四谷大塚の『予習シリーズ』は全科目フルカラーです。理科は色の情報も大切ですから、『予習シリーズ』を活用して理解を深めましょう。

理科は算数が苦手な子供ほど、つまずきやすい傾向があります。電気や滑車など、計算が必要となる単元がいくつかあるためです。

五年生の『予習シリーズ』に細かく解説があるので、まずは読み込んで重要な解説には線を引いてください。線を引いたところを中心に読み込んで、重要な語句はチェックペン用のインクで塗りつぶしておくよいでしょう。『予習シリーズ』に書かれている内容を理解したら、『演習問題集』を解き進めてください。

要点チェックと『四科のまとめ』で全体の復習を

どの単元が理解できていて、どの単元が理解できていないかを把握するためにも、『予習シリーズ』の要点チェックや『四科のまとめ』を使って理解度を確認しましょう。基本を押さえておかないと、難しい問題は解けません。

関連性の深い単元も。解けない場合は立ち返ろう

理科には、「てこ」「滑車」「輪軸」のように関連性の強い単元が存在します。最初のほうの単元でつまずいていると、あとから出てきた単元は解けません。行き詰まったら、無理に今やっている単元を解くのではなく、最初に立ち返りましょう。

計算が必要な問題はたくさん解こう

計算が必要な単元では、たくさん問題を解いて出題形式に慣れるところから始めましょう。基本を積み重ねていけば、応用にも対応できる下地となります。『演習問題集』だけでは問題数が足りないようならば、塾の問題集や過去問からも類題をピックアップするとよいです。先生に相談すれば適当な問題を見繕ってくれるはずなので、「類題が解きたいです」とその都度申し出るようにしましょう。

理科でつまずいた時の対処法
  • つまずいた単元があったら、その単元の最初に戻って理解し直す
  • 計算が必要な問題は慣れることが大切

四谷大塚における社会の勉強法は?

四谷大塚における社会の勉強法は?

四谷大塚における社会の勉強法を見ていきましょう。

四谷大塚で使う社会の教材は?

メインのテキストである『予習シリーズ』、類題を解くための『演習問題集』、ポイントを確認できる『四科のまとめ』がメインです。

覚えてもどんどん抜けてしまう社会の難しさ

社会は覚えなければならない内容が多いため、一度覚えてもどんどん知識が抜けていってしまいつい焦りがちです。そのため、「どうせ忘れるのに覚える意味ある?」と不安を口にする子供も多いです。しかし、イチから覚えるのと覚え直すのとではかかる時間が違います。授業に合わせて『予習シリーズ』をやり込んで、下地を作っておきましょう。

基本的に『予習シリーズ』の構成どおり、地理、歴史、公民の順番に取り組みます。時事は六年生の後半がメインです。とにかく地理の知識を固めておかないと歴史も理解しづらいので、早いうちに地図や土地の特徴を頭に入れておきましょう。
六年生になったら、五年生の『予習シリーズ』の要点チェックに挑戦し、改めてテキストの説明を読み直しておいてください。要点チェックや『四科のまとめ』でざっくりと学習内容を振り返り、それから『演習問題集』でより難しい問題を解いてみましょう。

社会科の点数が上がってくる傾向は六年生の後半に顕著ですが、そこまで先延ばしにしてよいわけではありません。積み上げてきた学習量で差が大きく出る科目です。コンスタントに取り組みましょう。頭に入らない場合は学習漫画を読んでから学ぶのもおすすめです。特に歴史は、物語を通して覚えておくと忘れづらいです。

社会の進め方と取り組み方
  • 知識は抜けていくものだという認識を持つ
  • しっかりと下地を作って覚え直す時間を短縮できるようにする
  • 取り組む順番は「地理」→「歴史」→「公民」
  • 積み上げてきた学習量で差が出るということを認識する

四谷大塚のスピードに追い付こう

四谷大塚のスピードに追い付こう

今現在の四谷大塚のカリキュラムは、五年生の間に中学受験の出題範囲をすべて終わらせて、六年生では志望校別対策に多めに時間を割く内容になっています。どうしてもハイペースな進行となるため、ついていけない子供が出てくるのは当然です。むしろ、そうした子供をどうやってフォローするか、塾の姿勢が問われます。

ひとたび勉強についていけなくなると、授業中に解説された内容もその場では理解できなくなるわけで、帰宅してイチから勉強し直さなければなりません。大幅なタイムロスです。

まずは授業についていけるよう、予習を怠らないようにしましょう。授業を聞いたときにすぐ納得できるように下地を作ります。勉強の仕方で行き詰まったらその都度先生に相談してください。受験生は要点チェックや『四科のまとめ』を活用し出題範囲内でのポイントを押さえましょう。その上で、『予習シリーズ』や『演習問題集』を活用し、問題を一問でも多くこなすことをおすすめします。


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