四谷大塚の組分けテストはその名とおり、生徒のクラス分けのための基準となるテストです。この記事では組分けテストに臨む上で気をつけること、取り組みたいことなどを紹介します。
そもそも組分けテストってなに?
組分けテストの仕組みを見ていきましょう。
組分けテストの概要は
組分けテストとは、四谷大塚で五週に一度の頻度で実施されているテストです。直営校だけではなく、いわゆる四谷大塚NET加盟塾やYTnet提携塾でも実施されています。組分けテストを実施する意義としては、復習のよい機会作り、学力の確認、モチベーションアップなどさまざまな理由が挙げられます。
テストを受ける側として一番気になるのはなんといってもどの組になるか。受ける子供の大半は当然クラス順位アップを望んでいます。Sランクが一番難しく、次いでC、B、Aという順序です。さらにS1、S2……といったようにアルファベットごとに順番が振られてレベル別に細分化されています。
コース | 偏差値の目安 |
---|---|
S | 65以上 |
C | 56~64 |
B | 46~55 |
A | 45以下 |
組分けテストの配点と制限時間
配点は算数200点、国語150点、理科と社会は各100点となっています。制限時間は学年によって異なり、四年生の場合は算数40分、国語40分、理科20分、社会20分。五、六年生の場合は算数50分、国語50分、理科35分、社会35分です。特徴として、算数と国語に得点差を設けている点が挙げられます。
他の塾では多くの場合、算数と国語の配点を揃えているため、四谷大塚のスタイルは珍しいです。これは受験において算数がいかに重視されているのかを反映させた配点だといえます。
科目 | 配点 | 制限時間(4年生) | 制限時間(5年生) | 制限時間(6年生) |
---|---|---|---|---|
算数 | 200点 | 40分 | 50分 | 50分 |
国語 | 150点 | 40分 | 50分 | 50分 |
理科 | 100点 | 20分 | 35分 | 35分 |
社会 | 100点 | 20分 | 35分 | 35分 |
上位クラスに入るには
難関校、上位校を目指すなら学校のレベルにもよりますが、SやCを目指したいところです。学年やテストの難易度によって上下するため、一概には言えませんが、六年生だと四教科の得点率が八割以上でS、六割五分以上でCというのがひとつの目安です。Bならば、五割以上は得点したいところです。今、Aの人はまず、Bを、Bの人はCを目指して一歩ずつ頑張りましょう。
週テストとの関係は?
これまでやってきた四回分の週テストは範囲と重なるので、週テストに真面目に取り組んできた子供ほど有利です。ただし、週テストで出た問題がそのまま出題されるわけではありません。
- 四谷大塚では5週に1回の頻度で組分けテストを実施
- 直営校だけでなく、NET加盟塾やYTnet提携塾でも実施される
- クラスはS → C → B → Aの順で難易度が高くなる
- 算数の配点が高いのが特徴!
- 組分けテストは、過去4回分の週テストの範囲が対象
組分けテスト対策の基本は
組分けテストはどのように対策すればよいのでしょうか。
週テストに向けた勉強を疎かにしない
週テストではできる限り高得点がとれるよう勉強しましょう。予習シリーズはその名のとおり予習前提のテキストですが、それは復習を疎かにしてよいということではありません。授業を受けて、分からなかったところ、理解があやふやなところは念入りに復習します。予習シリーズの問題を解き直し、間違えた問題をやり直したら、演習問題集で類似する問題を解いてみてください。
過去四回分を復習しよう
予習シリーズは四回分の単元+一回分のまとめページという構成になっていて、組分けテストごとに過去四回分のまとめを学べる仕様です。過去四回分が出題範囲なので、復習をするようにしましょう。週テストで間違えた問題はやり直し、類題も解けるように仕上げておいてください。該当の範囲の予習シリーズと演習問題集をやり込みます。
科目別に組分けテスト対策を見ていこう
どのように勉強して組分けテストの対策をすればよいのでしょうか。科目別に見ていきましょう。
国語の組分けテスト対策は
国語の組分けテストはどのように勉強したらよいのでしょう。
読解問題でなにを間違えたか確認してみよう
授業や宿題で読解問題に取り組んでいるはずなので、間違えた問題をやり直します。問題に間違えた印を書き込んでおきましょう。たとえば、記述問題で間違えたり減点されたりした場合には、どうして間違えたのかをチェックしておいてください。文末表現なのか、代名詞をそのまま書き込んでしまったのかなどを見直します。類似するミスで減点され続けてしまう子供も少なくないので、見直しは欠かせません。
読解問題でつまずいている子供には
読む際は黙読ではなく音読にしてみましょう。説明文ならば、接続詞をピックアップして論旨がどう展開しているのかを説明します。形式段落ごとに番号を振って意味段落ごとに分けてみせるのもよいでしょう。物語文ならば、主人公の心情がわかる箇所をピックアップしてその変遷を提示してみてください。
予習シリーズの知識問題をチェック
読解だけに注力して、予習シリーズの各単元の最後にある文法や語彙といった知識ページを疎かにする子供がいます。しかし、読解よりも短時間で得点に直結しやすいのは知識問題です。読解はコツをつかむまで積み重ねが必要ですが、知識問題は覚えれば即点数につながるので先に押さえておきましょう。ひと通り解いてみただけで終わる子供が多いので、間違えた問題をやり直させてください。一回ではなく繰り返しやり直すことでインプットされていきます。
- 読解問題の間違え方を分析し、再発を防ぐ
- 読解が苦手な子は黙読より音読がおすすめ
- 説明文・物語文ともに、構造を意識して読む訓練を
- 知識問題(文法・語彙)は得点源!
- 間違えた知識問題は、繰り返しやり直して定着を図る
算数の組分けテスト対策は
算数の組分けテストはどのように勉強したらよいのでしょう。
基本問題・練習問題が解けているか
本人の目指すレベルによってどこまでやり込むかは変わってきますが、予習シリーズの基本問題はまず確実に解けるようにしてください。基本がわかっていなければ、簡単な問題で失点してしまいます。基本問題を一通り解き終えたら、次に進む前にミスを復習しましょう。ちゃんと理解しないまま、中途半端に練習問題に移ってしまうケースが多いですが、それは避けてください。効率が悪く時間がかかってしまうためです。基本で満点がとれるようになってから練習をやり込みます。
このとき、解説を読んで赤でノートに書き出してそのままにする子供が多いのですが、それでは成績は上がりません。「解説を読んで理解した気になる」のが、中学受験における一番の罠です。自力で解けなかった問題は印をつけて、その場でやり直し、後日もう一度解き直します。問題自体を丸暗記してしまっている可能性もあるので、できれば演習問題集で類題を合わせて解いておきましょう。
四則計算を練習する
四則計算の問題はスムーズに解けるようにしておいてください。計算自体が出題されるというのはもちろんですが、算数を解く際のベースはやはり計算力だからです。よく計算ミスについて、「問題の解き方を理解していたのに間違えてしまった。本当は解けたのに」と子供たちは嘆くのですが、だいたいそういう場合は広い意味での「計算力不足」です。
計算の理屈自体を頭で理解できていても、計算に慣れていないと、処理の過程でミスを頻発します。そうならないよう、計算練習をたくさんして実力を定着化させましょう。
時間配分に気をつける
全科目において時間配分は大切です。しかし、算数は特に後半難易度が上がっていくので、スピーディーに解き進めなければなりません。まず、Sを目指すなら、計算や小問集合は全問正解でなくてはなりませんし、前半の簡単な大問はすべて押さえたいところです。
後半、難易度が上がってくると解けない問題がどうしても出てくるので、大問の中で比較的易しい問題だけでも解いていきます。難しい問題に見切りをつけるタイミングも大切です。そのためには自分の実力がどのぐらいかを正確に把握する必要があります。
- まずは基本問題を満点レベルに!練習問題はその後
- 「解説を読んでわかった気になる」罠に注意
- 類題を演習問題集で解いて、応用力を育てよう
- 計算ミスは「解き方の理解不足」ではなく計算力不足
- 時間配分の練習も必須!後半の難問に引っ張られすぎない
理科の組分けテスト対策は
理科の組分けテストはどのように勉強したらよいのでしょう。
解説をよく読み込む
各単元の解説を隅々まで読み込みましょう。情報量が多いとどうしても、頭に入りきらないので、解説ページは音読することをおすすめします。黙読でも頭に入る子供はよいのですが、たいていの子供は情報量が多いページに対して、途中から目で文字を追うだけになってしまいます。誰かに説明しながら読み上げるのがおすすめです。解説を読み込んだあとは、要点チェックで基本的な理解ができているか確認してください。
演習問題集で難易度の高い問題も解けるように
要点チェックだけではあくまで最低限の基礎知識しかつきません。そのため、演習問題集を併用し、難しい問題まで解けるようにします。「まとめてみよう!」「基本問題」を確認し、できるようであれば「応用問題」に進んでください。「発展問題」が必要かどうかは、その子供の学力レベルや目標によって変わります。間違えた問題は必ずやり直してください。
- まずは各単元の解説をじっくり読み込もう
- 情報量が多いページは黙読より音読が効果的
- 「要点チェック」で基礎が定着しているか確認
- 演習問題集を併用して応用・発展レベルにも挑戦
- 間違えた問題は放置せず、必ずやり直して定着を図る
社会の組分けテスト対策は?
社会の組分けテストはどのように勉強したらよいのでしょう。
丸暗記ではなく体系的に
社会も解説ページの読み込みが大切です。よく社会は暗記科目と言われますが、バラバラに用語だけ頭に入れても、得点にはつながりません。解説ページにあるような体系的な理解が必要となります。そのためには理科同様、内容を読み上げて聞いてもらうことをおすすめします。
声に出してただテキストを読み上げるのではなく、自分の言葉でまとめ直して、相手に説明してみるとよいです。わかりづらいところは質問してもらい、質疑応答を繰り返してください。相手にスムーズに説明ができるようになる頃には、自分の頭にもインプットされています。
資料まで読み込む
社会で覚えなければいけないのは文章に書かれている内容だけではありません。グラフや図表で提示されているデータもまた、覚えるようにしましょう。たとえば、地理であれば雨温図、工業や農業、特産品などのデータです。これらもただじっと見て丸暗記しようと思うと難しいので、白地図に書き込んで、作業を通して覚えるといった工夫をするとよいでしょう。位置関係と詳しい情報が頭の中で結びつくようにしてください。
- 用語の丸暗記ではなく、体系的に理解するのが大切
- 自分の言葉でまとめて、誰かに説明してみよう
- 文章だけでなく、資料(グラフ・図表)も読み込もう
- 視覚と作業を組み合わせて、情報を整理&定着させる
組分けテストで起こりがちなミス。対処法は?
組分けテストでミスをしないためにはどのような点に気をつければよいでしょうか。
ケアレスミスを防ぐ努力を
テスト後には必ず「本当は解けたのに、うっかりやらかした」という言葉を聞きます。学年が低ければ低いほど、ケアレスミスをする子供は多いです。しかし、学年が上がってもケアレスミスが多い子供は一定数います。その場合、ケアレスミスをどう防ぐかについて真剣に検討しなければなりません。
見直しに時間を当てられればよいですが、制限時間があるのでそこまで手が回らないこともよくあります。まず、問題文を読み飛ばさないことを意識してください。問題文を読み飛ばすタイプの子供の早とちりによる失点は珍しくありません。
また、よくあるのが単純な計算ミス。ひと口に単純な計算ミスといっても、それぞれに理由はあります。よくある例を挙げるなら、乱雑に書かれた途中式のせいでミスを招いているケースです。この場合、書き方を直さなければ改善は難しいでしょう。漢字のとめはねはらいだって習慣です。ケアレスミスを防ぐためには、日頃から注意深い取り組みが必要なのです。
途中でタイムアウトは避けたい
テストでは、「時間が足りなくて最後まで解けなかった!」という声もよくあがります。スピードが足りないときは捨て問の判断や優先順位の決め方がカギとなります。テスト慣れしていないと、このあたりがうまくいかず、大きく失点してしまいかねません。そのため、制限時間内にテストを受ける練習をしておきたいところです。
組分けテストが終わったら
組分けテスト後は、間違い直しをしっかりやります。先生の説明を聞いてただ一回解き直せばいいわけではありません。自分で解けるようになるまで解いて、類題をやり込んでください。翌週から、また新しい単元に進んでいってしまうので、組分けテストごとのタイミングで復習に注力しないと、のちのちしわ寄せで苦労します。
四谷大塚の組分けテストで結果を出すには
四谷大塚の組分けテストを受ける際には、どのクラスに入りたいかはっきりと目標を立てましょう。それによって目指すべき点数も変わってきます。上位クラスを狙うなら八割以上解けるようにしておきたいところです。そのときによりますが、六年生だとSは八割以上、Cは六割五分以上、Bは五割以上の得点がだいたいの目安だといえるでしょう。
科目ごとに対策を練って取り組んでください。各科目の実力を定着化させると同時に、テスト慣れしておくことも大切です。自分がテストのとき、どういうミスをしやすいかがわかると、対策を立てやすくなります。
どの科目にも言えることですが、週テストごとの復習が大切です。週テストに載っている問題はもちろん、予習シリーズや演習問題集に載っている類題もやり込んでください。何回も解き、実力を定着化させましょう。