学校説明会は、自校の魅力や入試情報を伝えるため、各学校が行うものです。学校によって時期や内容、対象者の設定が異なります。この記事では、学校説明会について詳しく紹介していきます。
そもそも学校説明会ってなに?
学校説明会とはなんなのかについて見ていきましょう。
入試説明会との違いは
学校説明会は、体育館や講堂などに参加者を集めて、「自分たちの学校がどんな学校なのか」について説明する会です。学校に関心を持つ、生徒とその保護者を対象としています。参加者の学年に制限を設けている学校もあり、その場合は五・六年生のどちらか、もしくは六年生のみを対象としている学校が多いです。また、保護者のみを参加可としている学校も多くあります。
学校紹介や施設紹介、部活動や行事の紹介、入試の詳細などさまざまな情報が提供される場であり、説明会に参加しなければ受験できない学校も珍しくありません。こまめにホームページをチェックして、あらかじめ説明会のスケジュールを把握しておきたいところです。
学校説明会とは別に、入試に特化した入試説明会を設けている学校もあります。入試説明会は秋冬の受験直前に入試の詳細や今後の流れについて集中的に説明する会です。こちらも参加しておかないと受験できないことがあります。
一方で入試説明会であっても、広い年齢の子供を対象にしている学校もあります。武蔵中学校は例年、6月に学校説明会、10月に入試説明会を実施しています。武蔵中学校の入試説明会は小学生とその保護者が対象で、五、六年生向けの内容ではあるものの、四年生以下であっても参加できる仕組みです。内容は「四教科主任による入試に関する話」と、「動画上映視聴・図書館見学」、「入試問題集(過去問)や武蔵グッズの販売」となっています。学校ごとに学校説明会や入試説明会の位置づけは大きく違うので、趣旨をホームページ等で確認しておくことをおすすめします。
合同相談会ってどういったもの?
学校説明会に類似する会として、合同相談会というイベントがあります。その名のとおり複数の学校が合同で開催する相談会です。合同相談会の場合、ブースごとに異なる学校が来ているので、一回のイベントでさまざまな学校の話を聞くことができます。効率的な反面、直接校舎に足を運ぶわけではないので、学内の雰囲気まではわかりません。志望度の高い学校であれば、学校に直接足を運ぶ機会をできるだけ持ちたいものです。
学校説明会って何校ぐらい行くもの?
出願する学校よりも多くの学校説明会に参加するのが理想です。出願する学校を絞り込む際の判断材料にできるため、多ければ10校以上参加する家庭もあります。一方で、「そんなに時間はとれない」と出願する学校にだけ参加する家庭もあります。
複数回学校説明会を開催する学校も
複数回、学校説明会を開催する学校には、その内何回ぐらい参加すればよいのでしょうか。
複数回開催される説明会の内容は同じ?
学校説明会を複数回実施する学校は多いです。同じ内容の説明会を複数回に分けることで講堂や体育会に入れる人数を調整している学校もありますし、一回一回内容を変えて、期間を空けて行っている学校もあります。
内容を変えて行っている学校に関しては、複数回参加したほうがよいでしょう。志望度が低い学校でそんなに時間を割けない場合は、無理せず行ける回数だけ行けばよいです。学校によっては複数回の参加を断っている場合もあります。
複数回説明会を行う学校にはどんな学校がある?
複数回説明会を行う学校はたくさんあります。
一例を挙げると、開成中学校は10月中、二日間にわたって説明会を一日三回ずつ。桜蔭中学校は10月と11月に計4回の説明会を実施しています。その内、三回目の説明会だけは四年生を対象にした説明会で、それ以外は五年生もしくは六年生と、その保護者が対象です。web申し込みによる事前予約制なので、忘れずに申し込まなければなりません。
雙葉中学校は三日に分けて説明会を行い、予約制です。三年生から六年生の保護者に限定しています。各家庭一名のみの参加で、子供は参加できません。桐蔭学園中学校では六年生と保護者のみを対象にしている説明会を複数回行い、それとは別に四年生から六年生を対象とする日を別途設けています。
オンラインでの説明会を実施している学校も
学校説明会に複数回参加しようと思うと、行くだけでも大変です。学校側にとっても、複数回実施するのは労力がかかります。そのため、オンライン説明会で対応している学校も増えてきました。これなら参加者も自宅で好きな回数視聴するだけで済みます。
たとえば、2025年度、麻布中学校は説明会をweb公開のみにし、それとは別に学内の見学会を三回に分けて開く予定です。ちなみに、学内の見学会は人数の制限を設けていません。
また、オフラインとオンライン、両方で対応している学校もあります。玉川学園中等部では、2025年度は対面説明会とオンライン説明会をそれぞれ複数回実施する予定です。
対面説明会を行った映像を配信している学校もあります。オンラインとひと口に言っても、学校ごとに方法はさまざまです。
説明会前に準備しておきたいこと
説明会に行く前にいくつか準備しておきたいポイントをまとめました。
服装は?「きれいめ」な格好を心がけて
学校を訪ねるわけですから、服装には気を遣う必要があります。いわゆる「きれいめ」「きれいめカジュアル」にまとめた服装を意識しましょう。男性はスーツ、もしくはシャツにジャケットを羽織ってズボンでよいです。女性は男性同様、スーツやジャケットでかっちり見せるか、落ち着いたワンピースがおすすめです。子供は、制服があれば制服、なければ男子ならシャツにパンツ、女子ならワンピースや、ブラウスにスカートやパンツを合わせます。落ち着いて見えるアイテムを選びましょう。
筆記用具を持っていこう
説明会ではメモをとりましょう。説明の内容についてはもちろん、学内の印象も書き留めておくとよいです。
当日は、筆記用具の一環として、クリップボードを用意しておくことをおすすめします。文房具屋さんではもちろんのこと、百円ショップでも取り扱っています。クリップボードがあると膝上でもササッとメモがとれますし、その場で書くようアンケートを渡されたときにも便利です。また、配布物をしまえるように別途クリアファイルを持って行くとよいでしょう。
スリッパが必要かどうか確認しておこう
学校によっては「スリッパを持ってくるように」と注意書きがあります。袋に入れて持っていくとよいです。一般的な形状のスリッパ以外にも、折り畳み式の簡易スリッパや、脱げづらい靴型になっている室内履きなど、さまざまな種類があります。
質問事項を書いた紙を用意しよう
質疑応答の時間を設けてくれる学校であれば、事前に質問事項を書き出しおき、気になる点を尋ねられるようにしておきましょう。そのためには、事前に学校ホームページにしっかり目を通しておくとよいです。
その他基本的な持ち物を忘れないように
人がたくさん集まる場所に行けば、風邪をうつされる可能性もあります。秋の終わりで空気が乾燥してくる時期ならなおのことです。マスクをつけて身を守るようにしましょう。飲み物やハンカチなど、基本的な持ち物も忘れないようにしてください。
質問の例は?気になるポイントから考えよう
説明会での質問内容の一例を紹介します。
宿題量について
中学校の宿題量は学校によっても大きく差があります。家庭学習まで学校がある程度管理する方針の学校もあれば、完全に生徒の自主性に任せる学校もあります。子供の性格によってどちらが合うかは異なるため、確認しておくとよいでしょう。普段の宿題だけではなく長期休暇中の宿題についてもあわせて質問しておくことをおすすめします。
補習授業について
私立中学校に通う生徒のほうが、公立中学校に通う生徒に比べて塾代が安く済むのはよく知られています。それは多くの私立中学校では、生徒が授業についていけるよう、補習授業で手厚くフォローしているためです。ただし、補習への注力の度合いは学校によって大きく開きがあります。補習を受けるための条件や、科目、頻度、時間などを質問してみてください。
クラス分けについて
成績別でのクラス分けを行っている学校は珍しくありません。特に英語や数学では、成績に基づいて少人数クラスを編成し、各生徒のペースに合わせた内容を教えている学校が多くあります。生徒一人ひとりに合った教育を実現するため、どういった工夫をしているのかぜひ確認してみましょう。
内部進学の実情について
中高一貫校の場合、内部進学の条件についてホームページで紹介している学校が多いですが、詳しい内容までは載せていない学校もあります。内部進学の条件がどう設定されているのかを確認しておくとよいでしょう。また、中学卒業後に外部受験を考えている場合は、外部受験をしている生徒の割合や実績について聞いてみることをおすすめします。
部活動の取り組み方について
入りたい部活がある場合は、部活について質問をするのもよいでしょう。週何回、何時間ぐらいの活動なのか、長期休暇中はどうなのかなど気になる点を質問しておくとよいです。
平均的な通学時間について
通学時間が長いと、通うだけで子供は疲弊してしまいます。学校に通っている子供はだいたいどのぐらいの通学時間なのか、聞いておくとよいでしょう。学校側もだいたい〇時間以内といった目安を想定しているでしょうから、確認しておきたいところです。
高校卒業後の進学先について
中高一貫の場合は難関大学への推薦枠の有無や進学先について質問するのもよいでしょう。進学実績はホームページに載っていることが多いですが、推薦枠についての詳細までは載せていない学校も多いです。この機に掘り下げて聞いておきましょう。
学校説明会に行くならここは見ておこう!
学校説明会に行く上で見ておきたいポイントをまとめました。
通学環境を確認しよう
説明会に向かう道中、通学環境を確認しておきましょう。時間帯も違うでしょうから、通学時間における混雑具合まではわからないはずです。それでも、道中心配な場所はないかを確認することはできます。たとえば街灯が少ない場所など、気になる場所はチェックしておいてください。
学校の設備を見ておこう
私立中学校では、広々としたグラウンド、テニスコート、プールといった設備をアピールポイントにしている学校が多いです。蔵書数の多い図書館や、複数ある実験室なども最近では人気を集めています。子供がやりたいことに取り組める環境かどうかを確認しておきましょう。
先生の様子を観察しよう
学校説明会で接触できる先生は限られていますが、彼らの言動や振る舞いをチェックしておくとよいでしょう。もちろん、一部の先生だけを見て断定できるものではないですが、端々から校風が伝わってくるものです。
学校説明会に参加する際に気をつけたいこと
気になる場所があっても、許可されていないエリアに立ち入らないようにしましょう。また、仲間内で誘い合って参加する場合でも、私語は厳禁です。行き来も含めて長い時間かかるので、水分補給は道中で行い、学校内での飲食は許可がない限り控えましょう。スマートフォンは音が鳴らないようにしておいてください。
注意ポイント
説明会での態度が合否に影響することはまずないとはいえ、お世話になるかもしれない学校に迷惑をかけない姿勢が大切です。
学校説明会に行って志望校選定に役立てよう
できるだけ多くの学校説明会に参加し、受験校を選定するための判断材料とすることをおすすめします。ただし、学校説明会にたくさん参加するには時間と労力が必要です。おまけに高学年になればなるほど、スケジュールはタイトになります。
参加対象とされる学年になったら、早めに回り始めてください。もちろん、無理をする必要はなく、できる範囲で大丈夫です。
中には、学校説明会に参加しないと受験できない学校もあるので注意しましょう。事前予約が必要な学校は、タイミングを逃さないよう早いうちからチェックをしておいてください。
当日は「きれいめ」な服装を心がけましょう。筆記具やクリアファイル、スリッパ、質問事項を書いた紙など、忘れ物がないよう準備して臨んでください。マスクも付けたほうが安心です。
当日は学内の様子をチェックするだけでなく、通学環境もあわせて確認することをおすすめします。