• 2025年5月8日
  • 2025年5月12日

大妻多摩中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

大妻多摩中学校の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法

大妻多摩中学校は自立した女性の育成を目指している学校です。この記事では、大妻多摩中学校を目指す家庭に向けて、各科目の出題傾向と勉強法を紹介します。

そもそも大妻多摩中学校ってどんな学校?

そもそも大妻多摩中学校ってどんな学校?

大妻多摩中学校は1908年に創設された裁縫と手芸の私塾を前身とする、中高一貫の女子校です。1988年多摩キャンパスに大妻多摩高等学校が建設され、その6年後に中学校も併設。その後も図書館棟などさまざまな施設が増設されて現在に至ります。

「自立自存」「寛容と共生」「地球感覚」の三つが教育の柱です。予測不能な未来社会の中で活躍・貢献できる人材を育成しています。また、2019年度からTsumatama SGLを開始。SGLとは、科学教育プログラム(Science Education)、国際教育プログラム(Global Education)、教養教育プログラム(Liberal Arts)のことです。多角的に充実した教育を実現しています。

2020年から「国際進学入試」を開始し、「国際進学クラス」を新たに設置しました。定員は40名程度で、自分に合ったレベルで英語を学べる環境を提供しています。ただし、2026年度からは総合進学クラスと国際進学クラスが統合される運びとなったので、注意が必要です。

進学実績としては2025年3月の卒業生134名中、四年制大学進学者は114名で、内、国公立が6名、私立が108名です。

大妻多摩中学校の入試概要

大妻多摩中学校の入試概要

大妻多摩中学校の入試について見ていきましょう。

2025年度の入試

2025年度は11月に帰国生入試がありました。総合進学入試・国際進学入試ともに2024年11月23日土曜日実施でした。ただし、オンライン試験の場合は11月22日金曜日と11月23日土曜日のどちらかを選択できます。総合進学入試・国際進学入試ともに出願期間は、対面試験だと11月11日月曜日9時から11月22日金曜日23時59分まで、オンライン試験だと11月11日月曜日9時から11月19日火曜日23時59分まででした。受験料は22,000円です。

二月入試の総合進学入試では、2月1日土曜日に第一回入試(40名募集)、適性型思考力入試(10名募集)、同日午後から第二回入試(25名募集)が行われ、2月2日日曜日に第三回入試(25名募集)、2月4日に第四回入試(20名募集)が行われました。出願期間は第一回入試および適性型思考力入試、第二回入試の三つは1月10日金曜日9時から1月31日金曜日23時59分まで。第三回入試が1月10日金曜日9時から2月1日土曜日23時59分まで。第四回入試が1月10日金曜日9時から2月3日月曜日23時59分まででした。

二月入試の国際進学入試では、2月1日土曜日に第一回入試(10名募集)、同日午後に第二回入試(5名募集)、2月2日日曜日午後に第三回入試(5名募集)でした。出願期間は第一回入試・第二回入試が1月10日金曜日9時から1月31日金曜日23時59分までで、第三回入試(午後)が1月10日金曜日9時から2月1日土曜日23時59分まででした。

受験料は各22,000円で、2回同時出願で35,000円、3回同時出願で45,000円、4回同時出願で50,000円に設定されていました。

2025年度入試の倍率

2025年度入試の倍率は第一回入試の総合進学では68名受験し、55名合格で実質倍率は約1.2倍。国際進学では受験者数5名、合格者数4名で約1.3倍でした。適性型思考力入試では受験者数11名、合格者数9名で実質倍率約1.2倍

第二回入試の総合進学では受験者数197名、合格者147名、実質倍率約1.3倍、国際進学では受験者数8名、合格者数5名、実質倍率約1.6倍です。

第三回入試の総合進学では受験者数86名、合格者数74名、実質倍率約1.2倍。国際進学は受験者数3名、合格者数3名、実質倍率1倍でした。

第四回の総合進学が受験者数33名、合格者数30名、実質倍率は1.1倍です。帰国生入試は総合進学が受験者数7名、合格者数7名で実質倍率1倍。国際進学が受験者数5名、合格者数5名でこちらも実質倍率は1倍です。なお、実質倍率は小数点第二位以下を四捨五入しています。

入試区分進学コース受験者数合格者数実質倍率
第一回総合進学68名55名約1.2倍
国際進学5名4名約1.3倍
適性型思考力入試11名9名約1.2倍
第二回総合進学197名147名約1.3倍
国際進学8名5名約1.6倍
第三回総合進学86名74名約1.2倍
国際進学3名3名1倍
第四回総合進学33名30名1.1倍
帰国生入試(総合進学)7名7名1倍
帰国生入試(国際進学)5名5名1倍

大妻多摩中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

大妻多摩中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向

大妻多摩中学校における国語・算数・理科・社会の四科目受験の出題傾向を紹介します。

国語は説明文・物語文・知識問題の構成

国語は制限時間50分で配点100点、大問は三つです。説明文と物語文、知識問題の三つで構成されています。読解文は選択問題が中心ですが、各大問にいくつか記述問題もあります。特に第一回入試の大問二では、語句の抜き出しや文章の抜き出しに加え、字数指定の記述もふたつ出題され問題数が多かったです。なお、字数指定は二十字程度の問題もあれば、六十字程度の問題もあり、幅があります。

読解文で扱う文章は平易な内容が多いため、読みやすいでしょう。ただし、大問一も大問二も小問数が多めなので時間配分には注意が必要です。知識問題は漢字の書き取りや語彙力を問う問題が出題されています。

算数は大問三以降が単元別の出題

算数は制限時間50分で配点100点、大問は六つほどです。解答欄は答えだけを書く形式となっています。大問一が計算、大問二が小問集合で大問三以降が単元別の出題です。頻出単元は平面図形、立体図形、速さ、数の性質、場合の数、規則性などです。

平面図形は角度を求める問題、立体図形は回転の問題がよく出ます。大問一の計算は分数、小数、括弧を使った計算です。大問二の小問集合は基本レベルの問題が出ます。大問三以降の単元別の問題も全体的に標準レベルの問題です。

理科は思考力を問う記述問題も

理科は制限時間40分で配点60点、大問は四つです。大問はそれぞれの分野から出題されています。図表が多く、化学と物理は実験観察が中心です。

2025年度第一回入試の生物では、ナナフシについて掘り下げるところから始まり、最後は外来生物への対策について問う問題が出題されています。また、地学では火山が噴火した場合の予測について、その根拠を問う問題が出ています。記述問題にも対応しなければならない入試です。

社会は世界地理も出題

社会は制限時間40分で配点60点、大問は三つです。各分野から出題されます。中学受験の地理といえば、基本的には日本地理ですが、2025年度第一回入試を見てもわかるように大妻多摩中学では世界地理も出題されています。

パリやブリズベンがどれか、雨温図を見て答える問題や、フランスと日本の地形の相違からTGVがトンネルをほとんど通らない理由を記述する問題などが出ました。知識だけではなく思考力も求められる内容です。歴史や現代社会でも、他国の状況や比較を問う問題が出題される傾向にあります。

ポイント
  • 国語は問題数が多いため時間配分が重要
  • 算数は平面図形は角度、立体図形は回転の問題が多く出題される
  • 社会は日本地理だけでなく世界地理も出題され、思考力を問う問題も多い

大妻多摩中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

大妻多摩中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

大妻多摩中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

知識問題では確実に点をとろう

漢字の書き取りや語彙力を問う問題が出題されるので、確実に点数がとれるようにしましょう。だいたい知識問題は漢字計10点、語彙力計5点ぐらいの配点なので、特に漢字は一問も落とさないようにしましょう。とめはねはらいに注意して読みやすい字を書きます。

接続詞や副詞の使い方を覚えよう

読解文の大問では、適切な接続詞や副詞を選択肢の中から選ぶ問題も出題されています。接続詞や副詞は、それ自体の意味を知っていることはもちろんですが、実際に使われている文章に慣れておくことが大切です。

記述問題は文末表現を適切に

記述問題は、短い抜き出し(配点2点)から長い説明記述(配点8点)まで広く出題されます。指定字数があるときは、8~9割以上の分量を目指してください。記述問題で理由を問われたら、文末には「から」。「どんなことか」を問われたら文末には「こと」を書くようにしましょう。適切な文末表現は記述の基本です。

読解にも言葉の知識が必要

読解の大問の中でも、語彙力や適切な表現を問う知識問題は出題されます。日頃から言葉の数を増やすつもりで国語に取り組みましょう。

大妻多摩中学校の国語対策
  • とめ・はね・はらいに注意し、正確で読みやすい字を書く
  • 接続詞や副詞の意味と使い方を身につける

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

計算問題で失点しない

計算問題の配点が意外と高く、2025年度の第一回入試では大問一の計算問題(小問三つ)は各6点でした。計算以外では、大問六の(3)が5点の配点で、それ以外はすべて7点の配点だったことを考えると、計算問題と文章題にはほとんど点差がありません。そのため、計算問題でミスをしてしまうと、大きく出遅れてしまいます。計算が三問とも正解なら18点とれるわけですから、大問一をパーフェクトに仕上げる意義は大きいです。

基本・標準を頻出中心に固める

頻出単元の基本問題と標準問題を中心にやり込むようにしてください。難易度的には高くありません。各単元の代表的な問題という印象です。

グラフの問題にも対応できるように

2025年度の第一回入試では水槽に水を入れる問題でグラフと共に出題されています。水槽の水の量と時間の関係をグラフで表した問題は定番ではありますが、改めて解けるようにしておいてください。

大妻多摩中学校の算数対策
  • 計算ミスを防ぐことで大きなリードを確保できる
  • 基本問題を確実に解けるよう反復練習する

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。

見慣れない問題でも慌てないで

受験問題集に載っているような定番の問題ではなく、切り口を変えた問題が出ることもあります。しかし、慌てることはありません。一見見慣れないと思っても、これまで学んだ知識を当てはめて考えれば解ける問題です。

思考力を問う記述が出題

2025年度の第一回入試では二問、思考力を問う記述問題が出題されました。問題文にヒントがあるタイプではありません。知識を持っているかどうか、その知識を記述に落とし込めるだけの思考力があるかどうかが問われる問題です。過去問を解いて出題傾向を把握しておきましょう。出題されても焦らないことが肝心です。なお、理科の記述は部分点が狙えるので、まずは書ける範囲で書いてみるという姿勢で臨みましょう。

大妻多摩中学校の理科対策
  • 新しい問題に直面しても冷静に知識を活用する
  • 過去問を通じて出題傾向を把握する

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

海外についても基礎を固める

日本国内だけではなく、海外に関する知識も必要となるため、地理であれ、歴史であれ、現代社会であれ、広い学びが必要です。たとえば、2025年度の第一回入試の地理ではフランスの地形の問題が出題されていますし、現代社会では大統領と内閣総理大臣を制度的に比較する問題が出題されています。歴史では日本に卑弥呼がいた時代の中国について出ました。過去問を解いて、出題傾向をあらかじめ把握しておきましょう。

図解やグラフなどの資料の多さに注意

社会は資料や地図や図解やグラフなどが出題されます。受験テキストや資料集に載っている図版を頭に入れておいてください。また、各地のデータを国内のみならず頭に入れておきましょう。図表が出てくるだけで身構えてしまう子供もいますが、読み取れるデータはなにかを落ち着いて考えてください。

社会にも関心を持っておこう

2025年度第一回入試では、多党制と二大政党制を比較して、メリットを論じる問題が出題されました。社会問題にも関心を持っておいたほうが、こうした問題がスムーズに解けます。知らないトピックが出題された場合は、まずは自分の頭で考えるところから始めてみましょう。

大妻多摩中学校の社会対策
  • 海外の地形や政治制度、歴史にも対応できる知識を身に付ける
  • 図解やグラフ、地図の情報を正確に読み取れるようにする

記述問題が出る科目が多いので対策を

記述問題が出る科目が多いので対策を

算数を除き、基本的にどの科目でも記述問題が出題されます。特に理科や社会では、思考力を問う内容が出題されるので対策が必要です。
国語では記述問題が複数問出題されます。簡単な抜き出しから字数指定の問題までさまざまです。文末表現に注意しながら、過不足なく要点をまとめる力を身につけておきましょう。算数は基本・標準レベルの問題が多いので、頻出単元を中心にとりこぼしなくやり込んでいってください。

理科・社会では思考力を問うタイプの記述問題が出題されます。理科も社会も、受験テキストに載っている知識だけに留まらず、社会問題にも関心を持っているとより解きやすいです。たとえば、理科の外来生物の問題は、日頃からニュースでも取り上げられていますし、政治の仕組みは知っておくべき内容です。受験に限らず広くアンテナを張っておくことをおすすめします。

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