さいたま市立大宮国際中等教育学校は、公立の国際バカロレア認定校です。この記事では、さいたま市立大宮国際中等教育学校を目指す家庭に向けて、適性検査の出題傾向と勉強法を紹介します。
そもそもさいたま市立大宮国際中等教育学校ってどんな学校?

さいたま市立大宮国際中等教育学校は、高い語学力と多様な文化を大切にする学校です。六年間中高一貫教育を行っていて、国際バカロレアの教育プログラムを取り入れながら、協働的な学習を通し探究的な学びを実現しています。
校訓は「Grit mindset~やりぬく力~」「Growth mindset~成長し続ける力~」「Global mindset~世界に視野を広げる力~」。スクールミッションは「よりよい世界を築くことに貢献する地球・人の育成」と「学校生活のあらゆる機会を通して、未来の学力を備え国際的な視野を持つ生徒の育成」です。
パーソナル・プロジェクトで磨く主体性と国際感覚
中等教育の六年間を「入学してからの四年」と「卒業するまでの二年」に分けていて、それぞれ「Empowerment Stage」と「Achievement Stage」と呼んでいます。「Empowerment Stage」は、8つの異なる科目グループで学び、それぞれが学習者の集大成となるパーソナル・プロジェクト、「Service as Action」を通しての成長を目指します。他者との多様な経験から国際感覚を身につけていくというものです。「Achievement Stage」では、「Liberal Arts」「STEM」「Global」に注力。校外行事にも重きを置いていて、「British Hills 国内異文化体験」「芸術鑑賞」「ニュージーランド海外語学研修」などが行われています。
校内外のつながりを生かした教育活動を実施していて、探求発表会はそのひとつです。他校の先生や他学年の生徒、保護者からのフィードバックを生かし、自身の探究をブラッシュアップしていきます。
ホームページには1期生の合格実績を掲載しています。国公立大学53名、早慶上理ICU105名、GMARCH118名、海外大22名合格となっています。一部学校名を挙げると東京大学1名、京都大学1名、筑波大学7名、一橋大学4名、早稲田大学38名、慶應大学17名といった結果です。
さいたま市立大宮国際中等教育学校の入試概要

さいたま市立大宮国際中等教育学校の入試について見ていきましょう。
2026年度の入試
募集人数は160名で男女約80名ずつです。一般選抜と特別選抜の二種類があり、一般選抜はさいたま市全域を対象、特別選抜は埼玉県全域を対象としています。第一次選抜は2026年1月11日、第二次選抜は2026年1月17日です。
第一次選抜では適性検査A・Bが行われます。第一次選抜合格者の発表は2026年1月15日9時30分から13時です。第二次選抜は、第一次選抜に合格し、第二次選抜受検届を提出した者が対象です。第二次選抜では適性検査C(作文)と集団活動を実施します。集団活動は、さいたま市立小学校で実施されている「グローバルスタディ」の授業で身につけたコミュニケーションをするために必要な力を見るものです。一部屋15名程度で英語を用いた活動を行います。第二次選抜合格者の発表は2026年1月21日9時30分から13時までです。
インターネットでの志望者情報の登録と入学選考手数料の納入は、2025年12月3日から2025年12月26日まで、出願書類提出は郵送で、2025年12月25日から2025年12月26日まででした。第二次選抜受検届の提出は1月15日の10時から13時に設定されていました。
2025年度の入試倍率
2025年度は募集人員160名、受検者数614名で、実質倍率は約3.8倍でした。2024年度は160名の募集人員に、受検者数が725名であったため、実質倍率は約4.5倍でした。なお、実質倍率は小数点第二位以下を四捨五入しています。
| 入試年度 | 受検者数 | 募集人員 | 実質倍率 |
|---|---|---|---|
| 2025年度 | 614名 | 160名 | 約3.8倍 |
| 2024年度 | 725名 | 160名 | 約4.5倍 |
さいたま市立大宮国際中等教育学校における適性検査の出題傾向

さいたま市立大宮国際中等教育学校の適性検査における出題傾向は以下のとおりです。
適性検査Aは英語・算数・理科・社会に関連する問題
適性検査Aは、大問五つで試験時間は50分です。2025年度の大問一は英語のリスニング問題、大問二は算数関連の問題、大問三は理科関連の問題、大問四は社会関連の問題という構成でした。つまり英語を含めたさまざまな科目から横断的に出題されます。
より具体的に見ると、大問一はグローバルスタディの授業で身に付けた知識を活用することを前提としています。会話などを聞き取り、認知・判断することができるかを問う問題です。大問二では、時間の計算や割合の計算などの基本的な計算スキルが定着化しているかを確認します。必要なデータを正確に読み取る力や論理的な思考力の有無を問います。大問三は数学や科学における、課題解決力をはかる問題です。
適性検査Bは社会・理科・国語に関連する問題
適性検査Bは大問三つで試験時間は40分です。2025年度の大問一は社会関連の問題、大問二は理科関連の問題、大問三は国語関連の問題という構成でした。適性検査A同様、横断的な出題です。
より具体的に見ると、大問一は大宮駅の歴史や発展について扱っていて、与えられた地図、資料などから情報を読み取ります。必要なデータから分析・考察する力が必要です。大問二は光電池についての問題で、会話文や資料を通して情報を分析し、科学的、数学的手法を用いて課題を解決することが求められます。大問三は説明文の読解で、内容や考えを読み取る問題です。
適性検査Cは300字以内の記述も
適性検査Cは大問三つで試験時間は45分です。2025年度の大問一は生活習慣と運動習慣と体力づくりの関係性についての問題で、資料を読み、課題を解決するための取り組みを選び、自分の考えを表現することができるかを見るものでした。大問二では、インターネットの利用について資料の情報から論理的に判断し、その判断に至った理由をわかりやすく説明することができるかが問われました。大問三は、ヒートアイランド現象について調べ発表の原稿を用意するという問題でした。
大問一から大問三まですべて300字以内の作文問題です。
- 適性検査Aは英語・算数・理科・社会を横断し、リスニング力や計算力、論理的思考力が総合的に問われる
- 適性検査Bは社会・理科・国語を中心に、資料分析力や読解力、考察力が求められる
- 適性検査Cはすべて300字以内の記述問題で、資料を踏まえた論理的な作文力が問われる
さいたま市立大宮国際中等教育学校に合格したい。どんな勉強が効果的?

さいたま市立大宮国際中等教育学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。
国語の勉強法
国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。
説明文の読解力をつけよう
ここ数年、適性検査Bでは説明文の読解が出題されています。そのため、説明文に親しんでおくことが必要です。説明文に対して苦手意識の強い子供はたくさんいます。できるだけさまざまな説明文の読解に挑戦し、少しずつ実力を養うようにしましょう。
多くの子供はテーマや文体の難しさに身構えてしまいがちです。しかし、説明文は物語文のような曖昧さが少ない分、ノウハウを学べば成績が上がりやすい分野でもあります。説明文の問題を解いたら、記述問題のミスや減点箇所について塾や家庭教師の先生に解説してもらうとよいです。
記述問題に慣れよう
ここ数年、適性検査Cでは300字以内の記述が出題されています。記述問題に慣れていないと、大幅な失点につながりかねません。制限時間内に書き終えられるだけの実力を身につけて臨みたいところです。過去問を通して同様の問題に挑戦しておくことをおすすめします。300字でどれだけのことが書けるのかを感覚的に理解しておきましょう。
また適性検査Bでも字数指定の記述が出ることがあるので対応できるようにしてください。
語注を確認しよう
適性検査Bの説明文には語注がついています。わからない言葉があっても、語注を見れば載っている可能性があることを念頭に置いておいてください。わからない言葉に傍線をつけて、見直しやすくしておくとよいです。
- 説明文はノウハウを身につけ、添削で弱点を改善する
- 過去問演習で、制限時間内に書き切る力を身につける
- 語注を活用し、わからない語句は必ず確認する習慣をつける
算数の勉強法
算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。
条件整理の問題を解けるように
条件整理は適性検査の問題において定番のひとつです。ただでさえボリュームの多い問題文の中に、数多くの条件が提示されるので、解けるように集中的に対策しておきましょう。
規則性や場合の数の問題も
規則性や場合の数は適性検査の出題形式と相性がよく出やすい問題です。規則性や場合の数の問題は、問題の性質上、解くのに時間がかかります。どこから取りかかればよいのかわからず、問題の解き方に迷うこともあるでしょう。規則性や場合の数の問題はバリエーションが多いので、まずはどんな問題があるのかできるだけ多く経験しておきたいところです。
その上で、手を動かしていく問題なのか、計算である程度算出できるのかなどの判断速度を上げていきましょう。
図形の対策も
適性検査と相性のよい分野として、立体図形や平面図形が挙げられます。立体図形や平面図形は先に挙げた条件整理や規則性、場合の数の問題とも相性がよいです。さまざまな組み合わせ方で出る可能性があるので、苦手な場合は早いうちから対策しておくことをおすすめします。
- 条件整理の問題に慣れ、多くの条件を整理する力を養う
- 規則性・場合の数は頻出のため、多様なパターンを経験しておく
- 立体・平面図形も頻出分野として、他単元との組み合わせ問題に備える
理科の勉強法
理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。
図表やグラフから数字を読み取れるようにしよう
理科は実験結果やデータをとりまとめた問題が出題されやすいので、図表やグラフから数字を読み取って、問題を解けるようにしておきましょう。理科は数字の資料が多く提示される傾向にあるので、情報量で頭が混乱するかもしれません。整理して必要な情報を読み取る力を問われています。
2025年度の適性検査Bで出題された光電池の問題では、実験結果をまとめた表や、実験の内容をまとめた図が数多く並んでいました。また、2024年度の適性検査Bの音の問題では、実験ごとに図表が多く提示されました。
計算は式で説明することを求められる問題も
理科の計算問題では答えだけではなく、式を書いて説明するよう求められる問題もあります。日頃から途中式を省略する癖がついていると、採点者に伝わるような書き方ができません。必要な式を選んでまとめる力をつけておくとよいでしょう。
- 図表やグラフから必要な数字を整理して読み取る力を養う
- 計算問題では答えだけでなく、式を用いて説明する力を身につける
社会の勉強法
社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。
理科と同様、図表やグラフが多い
社会も情報量の多い資料から必要なデータを読み込むことが求められます。たとえば、2025年度の適性検査Bでは、大宮駅の歴史と発展をテーマに、地形図や年表、地図、移動にかかる所要時間の図、エリアごとの人流傾向などさまざまな情報がまとめられていました。2024年度の適性検査Bでも、人口と労働をテーマにさまざまな統計が資料として展開しています。
問題を解くにあたってどのデータのどの情報が必要なのかを見極め、正しく読み取らなければなりません。最初は情報量に圧倒されて時間がかかってしまうものなので、徐々にそうした出題形式に慣れていきましょう。
地図や地形図を理解できるよう
地図や地形図を用いた問題が多いので、必要な情報を読み取れるようにしておきましょう。社会の問題のテーマは幅広いですが、地理以外の分野でも、地図や地形図と絡めた問題が出ることがあります。
記述問題にも対応できるように
資料から読み取った内容から、空欄内を推測する問題などが出ています。こういった出題形式には慣れていない子供がほとんどなので、対応できるようにしておきましょう。
- 図表や統計資料から、必要なデータを見極めて読み取る力を養う
- 地図や地形図を活用した問題に対応できるようにしておく
- 資料をもとに推測・記述する問題形式に慣れておく
比較的選択問題の比率が高いが記述問題もある

さいたま市立大宮国際中等教育学校の適性検査は、比較的選択問題の割合が高いのが特徴です。書く量は全体で見れば少なめですが、適性検査Cでは大問三つ分の作文問題があります。それ以外にも、ところどころ書く問題が出るので対応できるようにしておきましょう。
適性検査AからCまですべての検査で資料が多く、問題文と資料から解く手がかりを探すような思考力を問うものばかりです。全体的に読み取らなければならない情報が多く混乱するかもしれません。しかし、まさにそうした情報量を適切に処理できるかどうかが問われているので、落ち着いて一問一問解いていきましょう。
時間配分は適性検査の種類によって違うので、あらかじめ対策しておいてください。時間配分をイメージできるようにしておかないと、間に合わなくなります。問題を解く際には、おおまかな優先順位を決めておくことをおすすめします。
