早稲田実業学校中等部の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の勉強法

早稲田実業学校中等部の科目別受験対策。国語・算数・理科・社会の勉強法

早稲田実業学校中等部は、早稲田大学の学風に基づく中等教育を進める共学校です。早稲田大学への進学を検討している家庭は、早稲田実業学校中等部も選択肢のひとつに考えているケースが多いでしょう。この記事では早稲田実業学校中等部の科目別受験対策について紹介します。

そもそも早稲田実業学校中等部ってどんな学校?

そもそも早稲田実業学校中等部ってどんな学校?

早稲田実業学校中等部は1901(明治34)年に開校した伝統ある私立校です。初等部・中等部・高等部に分かれ、内部進学だけではなく外部からも受験生を受け入れています。

早稲田大学の中学校は二つの附属校、四つの系属校からなり、早稲田実業学校中等部は系属校に当たります。系属校は、附属校とは異なり、経営母体が早稲田大学ではなく別法人です。ただし、理事・事務局長は早稲田大学から派遣されます。

早稲田大学の附属校の場合、ほぼ全員が早稲田大学へ内部進学しますが、系属校の場合は早稲田大学への内部進学の枠は学校ごとにバラバラです。しかし、早稲田実業学校は系属校であるにもかかわらず、高等部からほぼ全員が早稲田大学へと内部進学することができます。

注意しなければならないのは、中等部から高等部への進学の可否を問う学内基準が設けられている点です。評定である程度の数字を出していないと外部受験を勧められるため、高等部に内部進学したいのであれば、常日頃から真面目に勉強に取り組む覚悟をもって入学する必要があります。現状、そこまで厳しい基準ではありませんが、成績が下がると早い段階で注意を受けます。

早稲田実業学校中等部の入試概要

早稲田実業学校中等部の入試概要

早稲田実業中等部の入試概要は以下のとおりです。

2023年度の倍率

男子の募集人数が70人、女子の募集人数が40人でした。受験者数は男子が292人で合格者数が82人。女子は受験者数が188人で合格者数が48人です。倍率は小数点第二位以下四捨五入で男子が約3.6倍女子が約3.9倍でした。帰国生は男子のみ3人受けて全員不合格です。昨今問題視もされていますが、難関中学校は全体的に女子の枠を少なく設ける傾向があるため、必然的に偏差値も女子のほうが高くなります。四谷大塚の2023年度の偏差値で男子は64女子は68でした。

2024年度の入試

2024年度は約110名(男子約70名・女子約40名)の募集です。Web出願期間は2023年12月20日(水)から2024年1月10日(水)までで、書類郵送受付期間は2024年1月10日(水)から2024年1月12日(金)まで。試験日は2024年2月1日(木)で、合格発表は2024年2月3日(土) 13:00からです。検定料は三万円とされています。

入学手続き金は、2024年2月3日(土)13:00 から2月5日(月)13:00までにサイトで振込。同じく、施設設備資金も2024年2月3日(土)13:00 から2月5日(月)13:00までにサイトで振込です。

早稲田実業学校中等部における国語・算数・理科・社会の出題傾向

早稲田実業学校中等部における国語・算数・理科・社会の出題傾向

早稲田実業学校中等部における出題傾向を紹介します。

字数は年々少なめに

国語の制限時間は60分で配点は100点です。大問三つの構成で、うち二つを読解文が占めます。ひとつは物語文もしくは随筆文のどちらかで、もうひとつは論説文もしくは説明文です。残りの大問は総合知識問題が出題されます。

読解文の文章量は年々少なくなっていて、コンパクトな抜粋となっています。問題数自体も減少傾向で、近年はトータルで30問程度です。しかし、その分記述問題の割合が増加しています。総合知識問題は漢字の書き取りや語彙力が問われます。通常の漢字の書き取り以外にも、四字熟語の穴埋めであったり慣用句の穴埋めであったりといった問題が出題されるため、対応できるようにしておかなければなりません。

算数は場合の数と図形が多い

算数の制限時間は60分で配点が100点です。難易度は高めの問題が多く出ます。大問は五つ程度で、大問一は小問集合となっています。頻出単元としては、平面図形、立体図形、場合の数が挙げられます。図形は高難度の問題が多く、平面図形では点の移動・面積比・相似・角度などが出題され、立体図形では展開図・立体の切断などが出題されます。場合の数では、式を使って解く力手を動かし整理していく力の両方が必要です。ひとつの大問に三つ前後の小問が出題されます。

理科は全分野ではないことも

理科の制限時間は30分で配点が50点です。一般的に中学入試の問題では理科は生物・化学・物理・地学の全分野から出題されるケースが多いですが、早稲田実業学校中等部の場合は三つ程度に分野を絞って出題される年度もあります。2023年度は物理からの出題がありませんでした。全体としては生物の出題比率が高い傾向にあります。中でも人体や植物は出やすい単元なのでやり込んでおくとよいでしょう。ただし、幅広い単元を扱っているので、網羅的な対策が必要です。また、時事と絡めた問題も出題されるため、理科関連の時事問題も押さえておきましょう。

社会は歴史の難問に注意

社会の制限時間は30分で配点が50点です。歴史は地理・歴史・公民・時事の全分野から出ます。例年、歴史に次いで地理の比率が高めでしたが、2023年度は歴史に次いで公民の出題比率が高めでした。今後の出題比率がどうなるかはわかりません。いずれにしても、歴史の比率が高いのは変わらない可能性が高いでしょう。早稲田実業学校中等部の歴史は難問もいくつか出題されるため、対策しておかなければなりません。出題形式としては選択問題、正誤判定問題、穴埋め問題、記述問題などさまざまです。記述では論述問題が出題されるので時間がかかります。

ポイント
  • 過去問をやり込むことが大事
  • 科目によって難易度に開きがある

早稲田実業学校中等部に合格したい。どんな勉強が効果的?

早稲田実業学校中等部に合格したい。どんな勉強が効果的?

早稲田実業学校中等部に合格するためにはどういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。

国語の勉強法

国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。

書く力の強化を

国語で扱う文章は決して長くないため、速読はそこまで求められません。ただし、記述問題の出題が多く、書く力の強化が必要です。説明記述も抜き出しも両方とも出題されます。特に抜き出しは多く出題される傾向にあり、2023年度は七問も出題されています。2022年度は少なかったので、今後減る可能性もあるでしょう。

説明記述は苦手とする子供が多いので、早めに対策しておきたいところです。説明記述では必要なキーワードを余すところなく落とし込めているかが問われます。なにが重要な情報で、なにがカットしてよい情報なのかを見抜けるようにしておきましょう。

総合知識問題対策で語彙の習得を

大問三の総合知識問題では、漢字と語彙を組み合わせた出題が多く見られます。語彙はギリギリに詰め込むより早いうちから少しずつ覚えておきたいものです。四五年生のうちから、読解文に取り組む際には、必ず文章でわからない言葉の意味を調べて覚えておきましょう。その際に、どの言葉の意味を調べたのかすぐわかる状態にしておいてください。語彙だけをまとめたノートを作るのもよいでしょう。定期的に見直して、とりこぼしのないようにします。六年生はまとめ教材の語彙のページでとりこぼしがないかチェックしてください。六年生になってからいきなり詰め込むのはハードルが高い上、時間もかかるので常日頃からの積み重ねが大切です

早稲田実業学校中等部の国語対策
  • 記述問題の対策は早めに行っておく
  • 語彙は四五年から始めてノートを作るとよい

算数の勉強法

算数にはどう取り組めばよいのでしょうか。

図形が苦手な子供は早いうちに対策を

図形では難問も出題されるため、できるだけ早めに対策しておきたいところです。まずは平面図形から始めて、応用レベルの中でも比較的簡単な問題を確実に解けるよう仕上げていきます。できるようになったら立体図形も同様に進めてください。

それらが仕上がったら、次に難問レベルです。難問レベルがスラスラ解けるようになるまでには時間がかかります。四五年生のうちは授業にあわせて、できるだけ応用レベルまで解けるように努めます。間違えた問題やテストで失点した問題は何度もやり直しておきましょう。実力の下地を作っておかないと、六年生になってから慌てても間に合わない可能性が高いです

苦手な子供がとても多い立体の切断

立体の切断は苦手な子供が多い単元ですが、入試ではよく出題されます。早稲田実業学校中等部も例外ではありません。立体の切断は解説してもらったところで、頭の中で立体図形を描けなければなかなか理解できないでしょう。立体に対する想像力は個人差が大きいです。おまけに、物体を用いて再現をするのも難しいぐらい、複雑な問題が出ます。とりあえず直方体や立方体で再現できそうなものから手をつけていって、あとは問題をたくさんこなすことでパターンを頭に入れていくとよいです。

早稲田実業学校中等部の算数対策
  • 難問が出題されるため早めに実力の下地を作る
  • 立体は数をこなして想像力を養う

理科の勉強法

理科にはどう取り組めばよいのでしょうか。

生物を中心にした対策を

生物分野を中心に対策を進めていきましょう。どの分野が出るか、あるいはすべての分野から出るのかは年度によって異なりますが、生物は出やすい傾向にあります。生態系の変化など、時事や環境問題を絡めた出題が多いです。気象や災害など、その年注目を集めた事柄は押さえておいたほうがよいでしょう。

計算問題は頻出単元を中心に

中学受験理科の定番のひとつである力のつり合いの計算問題は、早稲田実業学校中等部ではあまり出題されません。どちらかというと、電気の計算問題が多く出るのでそのあたりの単元をやり込んでおきましょう。特に電気は苦手な子供が多いので、ひと通り解けるようにしておくことをおすすめします。

まずは頻出単元を中心に基本を網羅

頻出単元を中心に基本問題を網羅するようにしましょう。理科の難易度は標準的なので、まずは細部まで基本事項を押さえることが最優先です。出題の仕方を見ると、難しくはないですが、テキストの隅々まで読んでいないと解けない細かい情報を出してくる傾向にあります。そのため、資料なども含めて丁寧に見ておきましょう。

早稲田実業学校中等部の理科対策
  • 難問に慣れるよりも基本事項を丁寧に覚えていく
  • テキストを隅々まで読んで理解しておく

社会の勉強法

社会にはどう取り組めばよいのでしょうか。

全分野を網羅的に

大問三~四つの中にすべての地理・歴史・公民・時事のすべての分野を落とし込んできます。そのため、網羅的な学習が必要です。特に歴史は一番多く出題される傾向にあり、問題の難易度も高く設定されています。地理は、中学受験対策のテキストでは日本の地理がメインですが、早稲田実業学校中等部では世界の地理からの出題もあり得るので、事前に対策しておくことをおすすめします。

問題文が長くスピードが必要

社会は問題文が長く、読むだけでも時間がかかります。問題数も多く、記述問題もあるので、いかに時間内に解ききるかが問われます。問題に慣れていないと、紙面の密度に圧倒されて焦ってしまいかねません。あらかじめ過去問を解く際に、時間を計ってイメージトレーニングをしておきましょう。

図版が多いので資料を頭に入れておこう

地形図やグラフ、写真などの図版を使った出題がとても多いです。日頃、勉強する際には資料をしっかり読み込んでおきましょう。地形図の見方を理解し、資料集の写真をチェックしておいてください

早稲田実業学校中等部の社会対策
  • 世界の地理もあらかじめ対策しておく
  • 過去問をやり込んで読み解きのスピードを上げていく

早稲田実業学校中等部の入試は出題傾向の変化も見据えて

早稲田実業学校中等部の入試は出題傾向の変化も見据えて

早稲田実業学校中等部の問題は科目によって難易度に開きがあります。まずは夏までに基礎を確実に固め、その上で秋以降は高難度の問題でも解ける実力をつけていきましょう。

国語はコツコツと語彙を増やしながら、書く力を強化していきます。記述の採点は自分でせず、塾や家庭教師に細部まで添削してもらってください。算数の頻出単元である図形は、難問ぞろいでスラスラ解けるようになるまで時間がかかるので、早め早めの対策をおすすめします。理科は基本レベルが他の科目より多めですが、細部まで理解していないと解けません。社会は問題文が長く、歴史に関してはかなり難しい問題がいくつか出ます。

どの科目も過去問をやり込み出題傾向を把握し、形式にも慣れておいてください。過去問を通したイメージトレーニングは大切です。当日、時間配分を間違えることがないようにしておきましょう。

過去問から学べることが多い一方で、近年出題傾向に変化が見られる科目もあります。たとえば、社会は例年、歴史・地理がメインだったのが、2023年度は歴史・公民がメインでした。今後どうなるかわかりませんが、そうした変化にも対応できるよう網羅的な対策も必要です。


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