• 2016年10月7日
  • 2024年4月1日

中高一貫校の魅力

中高一貫校の魅力

中学受験を検討されている方にとって、中高一貫校の魅力を知ることはとても重要です。
通常の学校と異なるカリキュラムを持ち、高校の授業内容を先取り学習しているところもあります。
しかし中高一貫校の魅力はそれだけではありません。

中高一貫校には私立と公立があるため、どちらを選ぶべきか迷う方もいるかと思います。
私立・公立の違いと共に、中高一貫校の魅力について説明します。

中高一貫校の魅力

私立・公立ともに共通した魅力を中高一貫校は持っています。まずは共通する4つの魅力について紹介しましょう。

1.心身の発達に重要な時期を落ち着いて過ごせる
 最も大きなメリットは、多感で心身の発育に重要な中学生の時期を、高校受験に費やすことなく落ち着いて過ごせることでしょう。中学生の時期は身体の発育が大きく進む時期です。
 また、多感な時期なので精神的な成長にとっても重要な時期となります。
公立の中学校に進学した子どもたちは、この重要な時期に高校受験が待っています。学校の内申や生活態度を気にしながら過ごし、3年生になると高校受験を控えているので、やりたいことを我慢して受験に打ち込まざるを得ません。

 しかし、中高一貫校では受験の必要が無いため、この中学生の時期を非常に有意義に使う事が出来ます。自分が興味を持った分野をとことん突き詰めて勉強することもできますし、部活やスポーツクラブに入っていれば、じっくりとスポーツに打ち込むことができます。
 高校に進学したら大学受験が待ち構えていますが、中学時代に着実に学び、将来について考える時間を持つことができるため、進路について迷ったり安易に考えたりすることも減ります。

 多くの保護者が中高一貫校に「先取り教育」など勉強面の期待を寄せているというアンケート結果がありますが、6年間を落ち着いて過ごせるという環境は、保護者の期待以上に大きな子どもの成長をもたらしてくれます。

2.独自のカリキュラムを持っている
 中高一貫校は一般的な中学校と比べて独特なカリキュラムを持っている場合が多くあります。高校受験を視野に入れる必要が無いため、無理にカリキュラムを詰め込んだり、受験期に授業の空白期間を生んだりすることが無いため、通常の公立校では経験できない貴重な授業を受けることができます。

 最近では「教えない学習」として、理科で習った内容をもとに、教師は介入せずに生徒間でディスカッションを重ね、実験を行い、答えを導く授業を取り入れている学校もあります。
フィールドワークや実験に重点を置いて、見て、聞いて、感じる授業を取り入れているところもあります。これらの授業ができるのも、高校受験に関わる時間を取られずに済む中高一貫校だからこそできることです。

 こういった独自のカリキュラムは、教育指導要領が目指す「生きる力」の獲得にも大きく寄与します。
中高一貫校は一流大学への進学率がクローズアップされがちですが、大学進学に対する実績だけではなく、人間性の成長を見込めるのは非常に大きなメリットと言えます。

3.同レベルの仲間と6年間過ごせる
 近しいレベルの仲間と6年もの時間を過ごせるというのは、子どもの成長にとても有意義です。特に中高の多感で濃密な時間を一緒に過ごした友人は将来にわたる貴重な仲間となります。さらに元々の学力が近しいのでお互いに切磋琢磨し学力を磨き合う事ができます。様々な学力の生徒が集まる公立中学校と違い、極端にできる生徒に劣等感を感じたり、勉強を放棄してしまっている生徒に引っ張られたりするリスクも低いです。

 そういった意味でも6年間でじっくり成長できる時間を獲得できるメリットがあると言えるでしょう。

4.高校生を身近に感じることができる
 部活などで先輩と関わることがあると、高校生を身近に感じ、大学受験について考える機会が多くなります。そういった先輩の姿を見ることで、将来に対する考えがしっかりする傾向にあります。
一般的な公立中学校に入ると、高校生と関わるチャンスは多くありません。

 多くの上級生が大学受験に向けて頑張る姿を見て、早い時期から大学進学について考えることができる点でも、中高一貫校は魅力的と言えます。

私立中高一貫校の特徴と魅力

 私立学校の強みとしては、独自の校風が強く現れていることと、教師の入れ替わりが少ない点にあります。公立と比較して束縛が少ないので独自性が強い教育を受けることができます。

 グローバル教育に力を入れて英語教育が充実している学校や、理科教育に力を入れている学校などがあります。授業のカリキュラムもさることながら、部活も「英会話部」や「生物部」や「ロボット部」など細分化された科学系の部活を持っている学校もあります。
そして、教師の入れ替わりが公立と比べてほとんどないため、魅力的な教師に教えてもらい続ける事ができます。また、担任の持ち上がりもしやすいので、安定した進路指導も受けることができる場合が多いです。

公立中高一貫校の特徴と魅力

 公立学校の強みは授業料の安さです。
公立学校なので私立と比べて学費が非常に安く済みます。その分を将来への積み立てや、家庭教師や塾、その他の学習費用に回すこともできます。

 安定してじっくり学べる環境にあるので、学習塾や家庭教師にお金をかけず、学校での学習に重点を置いている家庭もあるようです。

中高一貫校のデメリット

 一貫校の特徴がデメリットに繋がるケースもあります。
まず『独特の校風になじめない』という場合があります。子どもの特性と合わない場合、子どもが学校に行くことを苦痛に思ってしまうことがあります。そうならないためにも、学校選びの段階で子どもの意志をしっかり確認しましょう。

 次に『6年間の中で関わる人が変わりにくい』という点はデメリットになる場合もあります。高校受験を体験する生徒の場合、高校に入学すると新しい人間関係を構築します。その過程で人間関係について身をもって学びますが、中高一貫校では生徒が6年間ほぼ固定化されるため、新しい人間関係を築くことが少なくなりがちです。
大学進学以降も新しく知り合った人と関係性を構築できるように、学校外の取り組みに参加するなど、積極的に新しい人と知り合う機会を増やすようにすると良いでしょう。

私立・公立を受検する際の違い

 私立中高一貫校の入試では小学校の学習範囲を超えた問題が出題されることが多くあります。そのため、家庭教師や塾を利用して徹底した私立対策を行う必要があります。単純に知識を多く持っているだけでは入試を突破することはできず、持っている知識を利用できるかが重要になります。

 多くの場合、小学校4年生に上がった段階で本格的に受験準備に入るので、それまでに情報収集をしておくことが重要です。家庭教師でも塾でも中学受験を前提としたところでなければ合格は難しいでしょう。

 公立一貫校の入試では小学校の範囲を超えて出題されることはありません。しかし、入試内容は私立に負けず劣らず難しい場合がほとんどです。
文章の読み取り力、理解力、そして持っている知識を活用する力が必要になります。なぜそう考えたのか、といった内容も問われることがあるので、日頃から子どもが自分の考えを自分の言葉で表現できるようになるトレーニングを行うと良いでしょう。

将来を考えると中高一貫校がおススメ

 多くのことを学び、心身の成長に重要な中学校時代を高校受験に囚われることなく過ごせる中高一貫校は、子どもの将来を考えるうえでもおススメです。

 本来、教育の段階では子どもの発達段階に応じて小学校の期間を初等教育、中学校と高校の期間を中等教育、大学などの学校を高等教育と位置付けています。
発達段階に合わせて考えると中等教育機関を一貫して行う事は合理的であると考えられます。それに準じて、一部の中高一貫校では「中等教育学校」という名称となっています。

 子どもにとって一番成長できる時期を切磋琢磨できる仲間たちとじっくり学べる機会である中高一貫校は、子供の将来にとってプラスになることでしょう。

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