少子化が進む一方で、首都圏を中心に存在感を増している「中学受験」。
教育環境や進学実績への関心が高まる中、実際にどれほどの家庭が中学受験を経験・検討し、どのような学習方法や費用負担を選択しているのでしょうか。
そこで今回、プラスト株式会社との共同調査として、東京都在住の30歳~59歳の子どもを持つ男女3,000名を対象に「中学受験に関するアンケート調査」を実施しました。
本調査では、中学受験の実施状況、実施時期、利用した学習方法、家庭で負担した費用などを多角的に分析。東京都における中学受験のリアルな実態を明らかにしました。
■調査概要
・調査名:中学受験に関するアンケート調査
・調査手法:インターネットアンケート
・調査期間:2026年2月14日~2月21日
・調査対象:東京都在住の30歳~59歳の子どもを持つ男女
・有効回答数:3,000件
- 質問1:現在のお子さまの学年を教えてください。(複数選択可)
- 質問2:お子さまの中学受験について、現在の状況に最も近いものをお選びください。
- 質問3:中学受験を行った時期を教えてください。
- 質問4:中学受験において主に利用した(または現在利用している)学習方法を教えてください。(複数回答可)
- 質問5:中学受験において、ご家庭で負担した費用総額に最も近いものをお選びください。
※数値は小数点第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合があります。
※複数回答を含む設問では合計が100%を超える場合があります。
子どもの学年構成から見る“受験前後”のリアルな分布
まず回答者の子どもの学年構成を確認したところ、「中学生以上」が合計で61.2%ともっとも多く、次いで「小学4~6年生」が合計27.7%でした。
注目に値するのは、「小学4~6年生」が約3割を占めている点です。この層は中学受験の“本格準備期から直前期”にあたり、まさに当事者世代といえます。
一方で、「中学生以上」が61.2%という数字は、すでに中学受験を終えた家庭の声も数多く含まれている構成となっています。さらに、未就学児や低学年層も約4割を占めており、“これから検討する可能性がある層”の実態も反映されています。
【子どもの学年構成】
・未就学児:22.0%
・小学1~3年生:20.8%
・小学4年生:8.7%
・小学5年生:9.5%
・小学6年生:9.5%
・中学1年生:8.1%
・中学2年生:8.8%
・中学3年生以上:44.3%
今回の調査は、まさに受験の“前後を含めた全体像”を捉えたデータ構成となっており、東京都における中学受験のリアルな広がりを示す内容となりました。
約4割が「中学受験を経験・検討」、都内では身近な選択肢に
次に、「中学受験について、現在の状況に最も近いもの」を尋ねたところ、「すでに中学受験を終えた」と回答した家庭は24.2%、「現在準備している(小学4~6年生)」は8.9%、「今後検討している」は10.4%となりました。
「すでに終えた」「現在準備中」「今後検討」を合計すると43.5%となり、東京都においては約4割超の家庭が中学受験を経験、または現実的な選択肢として捉えていることが分かります。
【中学受験についての現状】
・すでに中学受験を終えた:24.2%
・現在準備している(小4~小6):8.9%
・今後検討している:10.4%
・予定はない:56.5%
依然として「予定はない」が過半数ではあるものの、中学受験は一部の特別な層だけの進路ではなく、都内では“検討対象として一般化している教育ルート”であることがうかがえる結果となりました。
受験の時期は「4年以上前」が過半数、継続的な選択肢として定着
すでに中学受験を終えた人(727名)に受験の時期を尋ねたところ、「4年以上前」と回答した家庭が50.8%と半数以上を占めました。続いて「2~3年前」が22.0%、「今年(2026年)」が16.5%、「1年前」が10.7%となりました。
この結果から、中学受験は一過性のブームではなく、長期的に継続して選択されてきた進路であることが読み取れます。
【中学受験の時期】
・今年(2026年):16.5%
・1年前:10.7%
・2~3年前:22.0%
・4年以上前:50.8%
近年の教育改革や大学入試制度の変化を背景に注目度が高まっているものの、都内ではすでに一定の定着を見せていることが数字からも裏付けられました。
学習方法は「集団塾」が57.1%で最多、個別・オンラインも一定数
中学受験において主に利用した(または現在利用している)学習方法を尋ねたところ、最も多かったのは「集団塾」で57.1%でした。次いで「個別指導塾」が30.3%、「家庭教師」が10.0%、「オンライン家庭教師」が8.8%、「通信教育」が7.9%と続きました。
依然として“集団塾中心”の構図は強いものの、個別指導やオンライン家庭教師といった選択肢も一定の支持を得ており、学習スタイルの多様化が進んでいることが分かります。
【主に利用した、または現在利用している学習方法】
・集団塾:57.1%
・個別指導塾:30.3%
・家庭教師:10.0%
・オンライン家庭教師:8.8%
・通信教育:7.9%
・その他:0.6%
・特に利用していない:16.6%
一方で、「特に利用していない」と回答した家庭も16.6%存在しており、学習スタイルには一定の多様性が見られる結果となりました。
また、その他の自由回答では、
・「市販教材」
・「親が教師なので教えた」
・「公文」
といった声も見られました。
必ずしも大手塾一択ではなく、家庭の方針や子どもの特性に応じて、複数の手法を組み合わせている実態もうかがえます。
費用は「100万~300万円」が最多、3割超が中価格帯
中学受験において家庭が負担した費用総額について尋ねたところ、「100万円以上~300万円未満」が32.4%で最も多く全体の3割超、「100万円未満」が21.0%という結果となりました。
一方で、「300万円以上~500万円未満」15.9%、「500万円以上」6.9%と回答した家庭も合計で22.8%にのぼり、決して小さくない教育投資であることが分かります。
【中学受験の費用総額】
・100万円未満:21.0%
・100万円以上~300万円未満:32.4%
・300万円以上~500万円未満:15.9%
・500万円以上:6.9%
・わからない/把握していない:23.8%
また、「わからない/把握していない」が約4人に1人存在している点も注目に値します。
塾費用、教材費、模試代、講習費などが複合的に発生するため、総額を正確に把握しづらい実態も浮き彫りになりました。
中学受験は、時間的負担だけでなく、経済的にも中長期的な覚悟を要する選択であることが、今回の結果から明らかになりました。
【まとめ】中学受験は“特別な選択”から“現実的な進路の一つ”へ
今回の調査では、東京都において約4割の家庭が中学受験を経験・検討していることが明らかになりました。
学習方法は集団塾が中心ながらも、個別指導やオンライン、家庭学習など多様化が進行。費用面では100万~300万円が最多である一方、300万円超の家庭も2割超に達しており、教育投資としての重みも浮き彫りになりました。
中学受験は依然として過半数の家庭が選択していない進路ではあるものの、都内では確実に“身近な進学オプション”として定着しつつあります。
今後は、情報の透明性や家庭ごとの最適な学習設計が、より重要になっていくと考えられます。
中学受験を「する・しない」という二択ではなく、家庭にとって納得のいく選択肢としてどう位置づけるかが問われる時代に入っているといえるでしょう。
