• 2020年1月20日
  • 2024年4月1日

転塾?家庭教師?中学受験をやめる前に学習環境を見直そう!

中学受験をやめる前に学習環境を見直す

首都圏における中学受験対策は、だいたい小学3年生の2月から始まります。受験までの長い過程のなかで、ときには「もう受験をやめよう」と考えることもあるでしょう。行き詰った際には、学習環境を見直すのも大切です。

この記事では、「中学受験をやめたい」と子供が言い出しがちなシチュエーションと、親のとるべき選択肢について紹介します。

中学受験をやめたい。子供が言い出しがちな場面

子供が言い出しがちな場面
中学受験をやめたいと子供が言い出しがちな場面は、以下のとおりです。

中学受験に向けて思うように成績が上がらない

当然の事ですが、志望校に合格するためには、成績を上げなければなりません。

しかし、順風満帆に成績を上げられる子供はごく一握りです。だいたいの子供が、程度の差こそあれ伸び悩む時期を経験します。

中学受験対策を始めたばかりの3・4年生であれば、まださほど深刻ではありません。努力すればある程度、成果につながるためです。

しかし、5・6年生になると競争は激化します。焦りも手伝い、「もう勉強しても無駄だ。中学受験をやめたい」と考える子供が一定数出てくるものです。

中学受験対策に時間をとられて遊べない

中学受験対策は学年が上がるごとに、スケジュールが過密になっていきます。6年生にもなれば、「学校から帰ったらすぐに塾に向かい、授業を受けた後は自習室で勉強、帰宅後は見直しをして寝る」「学校から帰ったら家庭教師と勉強。立てた計画に基づいて問題集をやって就寝」といった、一日のほとんどを勉強に費やすストイックな毎日です。

中学受験をする生徒が少ない小学校に通っていると、周囲との温度差に悩む子供も出てきます。「友達と遊べないから塾をやめたい」と言い出すケースも少なくありません。

中学受験専門塾の講師や家庭教師との相性が悪い

塾や家庭教師との相性が悪いと、勉強は途端につまらなくなります。特に個別指導や家庭教師は一対一であり、勉強を効果的に進めるためには相性のよさは欠かせません。
だからこそ、多くの個別指導や家庭教師には、合わない先生を替えられるサービスがついています。

問題なのは集団授業です。集団授業で相性のよくない先生がいても、交代してはもらえません。中には、我慢しているうちに塾をやめたいとまで思い詰める子供もいます。

親に中学受験をリードされて本人が置き去りに

中学受験をするかしないかを最初に決めるのはたいてい親です。本人が「中学受験したい」と切り出すケースはそんなに多くありません。もちろん、親の提案や説得によって、子供たちはある程度納得して勉強しています。

しかし、高学年になって、受験対策のスケジュールが過密になってくると「なぜ自分はこんなにも勉強しなければならないのだろう」とふと我に返ることがあります。今まで親の言うとおりしてきた子供が、ある日突然「受験をやめたい」と言い出すケースです。

子供に「受験をやめたい」と言われた保護者がとりがちな行動

保護者がとりがちな行動
せっかく続けてきた受験勉強を「やめたい」と言われれば、親は狼狽するものです。よくやってしまいがちな保護者の対応例を紹介します。

子供を叱り、「もっと頑張れ」と喝を入れる

「中学受験をやめたい」と言われて、子供を叱りつけてしまう保護者は少なくありません。中学受験はよく「親の受験」と言われます。親にかかる負担は、経済的にも時間的にも精神的にも大きいものです。

そんななか、子供から「やめたい」と言われれば、「いい加減にしろ」「もっと頑張れ」と喝を入れたくなってしまうのも無理はありません。ただし、子供が喝を入れられて親の思うように奮起するかは別問題。むしろ、あまり上手くいかないケースのほうが多いようです。

塾や家庭教師を一時的に休みにする

塾や家庭教師をしばらく休みにし、勉強を一時的にストップするというのはよくある対処法です。「休んだら最後なのではないか」と不安がる保護者は多いですが、必ずしもそういうわけではありません。溜まったストレスを発散し、中学受験に向けて再スタートを切る子供はたくさんいます。

その一方で、受験という選択肢を手放す子供がいることも事実です。勉強に遅れが出る可能性をはじめ、相応のリスクを背負わなければなりません。

親は子供の抱える問題を特定することから始めよう

子供の抱える問題を特定する
「中学受験をやめたい」と口に出す子供は、さまざまな問題を抱えています。親の判断で行動を起こす前に、子供との意見の共有が必要です。

中学受験について親子で話し合いの場を持つ

子供に「中学受験をやめたい」と言われれば、親は動揺するものです。しかし、だからといって感情のままなじってしまうと、子供は正直な気持ちを親に伝えることができません。中学受験を続けるかどうか、まずは親子で話し合いの場を持ちましょう。

その際に心がけたいことは「子供に話をさせる」ということです。子供の話に口を挟まないで相槌だけを打って、言いたいことを言える空気を作りましょう。

子供が「やめたい」原因がはっきりしたら、その場で無理に結論を出さなくてもよいです。「気持ちはよく理解できた。少し考えさせてほしい」と伝えてください。一度話し合いの内容を持ち帰り、夫婦間でも意見をすり寄せる必要性があります。

夫婦で意見がバラバラだと、子供は意見が近いほうだけを味方につけようと考えるものです。それでは家族が分断するだけで解決には至りません。親子間で話し合うと同時に、夫婦間でも話し合っていく姿勢が大切なのです。

塾や家庭教師を交えて話し合いの場を持つ

親子の話し合いだけでは埒が明かない場合は、塾や家庭教師を交えての話し合いに切り替えましょう。その際、親が先行して塾や家庭教師から、最近の子供の様子を聞いておくとよいです。子供を交えて話すのがはばかられる、デリケートな話題もあるかもしれません。

なお、話し合いのときには、情報が漏れないよう塾に配慮を求めましょう。家庭教師であれば、自宅で話せるためプライバシーは守られますが、塾の場合はほかの塾生の目もあります。ほかの塾生のいる時間帯や、話が筒抜けになりかねない場所だと、子供も素直な気持ちで話すことはできないでしょう。

話し合い中に気をつけることは、二対一で子供を責めたてる構図に陥らないことです。たとえば、塾や家庭教師が「まだまだ努力が足りない」と子供に指摘したとします。親が「そうだそうだ」とやみくもに乗っかっては子供もプライドを傷つけられるだけです。「具体的に、子供はどう努力すればよいでしょうか」「この先、どんなプランを立ててやっていけばよいでしょうか」とポジティブな解決策につなげられるよう、塾側に質問で返してください。

生徒について話し合う場で、この手の質問に明確な答えを返せない塾や家庭教師ならば、そもそも力不足です。精神論で成績は上がりません。塾や家庭教師がどういったプランを持っているのかを把握し、子供と持ち帰って検討できるようにしましょう。

中学受験を再スタート。子供の学習環境を見直す際の注意点

子供の学習環境を見直す際の注意点
子供の学習環境を見直す際にはどのような点に気をつければよいのでしょうか。

幅広い選択肢の中から子供により合う教育環境を

転塾や家庭教師派遣サービスへの変更、もしくは教師の交代は有効な手段です。よくよく子供に話を聞くと、中学受験自体をやめたいわけではなく、「今通っている中学受験専門塾をやめたい」「今の先生が好きじゃない」ということはよくあります。そうした場合は、新しい環境を用意すれば、やる気になれる可能性が高いです。

中学受験専門塾はSAPIX・四谷大塚・日能研・早稲田アカデミーと大手だけとっても、それぞれカラーが違いますし、中小規模の塾まで入れるとだいぶ方針に幅があります。家庭教師もまた派遣センターごとにカラーがあり、先生によって実力もアプローチもさまざまです。

転塾や教育サービスの変更にはリスクがある

転塾や教育サービスの変更には、リスクが付き物であることも知っておく必要があります。子供は当事者として、新しい環境や新しい学習進度に対応しなければなりません。ですから、6年生の夏以降など、受験ギリギリになっての変更はおすすめできません。どうしても学習に多少の無駄が生まれますし、子供が新しい環境に対応できなかったときに、取り返しがつかなくなるためです。

中学受験本番が近づくと、保護者はどうしても不安になります。そのため、子供によかれと思って、あれこれと新しい教育の導入を検討する人は少なくありません。しかし、成績が急上昇する特効薬はないと考えたほうがよいです。

「大手塾から中小規模の塾への変更」、あるいは「家庭教師への変更」が基本

中学受験専門塾は大手から中小規模まで幅広く存在し、それぞれに特徴があります。一般的に大手は体系化されたカリキュラムと豊富なデータが魅力です。対して中小規模の塾や家庭教師は、生徒一人ひとりに対するフォローの手厚さを強みとします。

もし、5・6年生になってから転塾を考えるなら、中小規模の塾がおすすめです。生徒一人ひとりに合った学習サイクルを考えてくれる塾を選びましょう。その際、大手より授業進度の速いところは避けてください。塾ではなく、中学受験慣れしている家庭教師にお願いする手もあります。

大手塾は授業進度がスピーディーです。授業についていけなくても無理はありません。子供が自信を持って実力を固められる授業進度の塾・家庭教師を選びましょう。

教育サービスを併用するべき? 切り替えるべき?

新しい教育サービスを、今通っている塾と併用したい」という家庭もよくあります。つまり大手塾をメインに据え、中小規模の塾を補習塾にしたり、家庭教師にフォローをお願いしたりするケースです。特にSAPIXのような超難関中学狙いの進度の速い塾の場合、他塾や家庭教師を併用するのは、有効な手段だといえます。基本的にある程度、上位をキープしている生徒のほうが併用は上手くいきやすいです。

もちろん、併用より、転塾や家庭教師への完全な切り替えをおすすめしたいケースもあります。たとえば、四谷大塚の中学受験テキスト「予習シリーズ」は、数年前に算数が大幅に改訂されました。5年生までに一通り終わらせるスタイルになってからというもの、その速度についていけない子供は珍しくありません。もし、今の塾のペースに子供が追いついていないなら、じっくり時間をかけてくれる塾や家庭教師に切り替えたほうがよいでしょう。

集団授業と個別指導の両方がある塾に代わって、得意科目と不得意科目で授業形態を使い分けながら、手厚く不得意箇所を見てもらうか、指導経験豊富な家庭教師に、徹底的に基礎学力の底上げをお願いするのをおすすめします。

中小規模の塾や家庭教師は選ぶのが難しい

大手塾に比べて、中小規模の塾や家庭教師は選ぶのが難しいのが困ったところです。選択肢が少ないわけではありません。むしろその逆で、中学受験に対応する中小規模の塾や家庭教師は数多く存在します。ただ、その分、当たり外れが大きいのが現状です。

大手塾と異なり中小規模の塾は情報が不足しがちなので、口コミを頼るより外ありません。地元で長年支持されているところを探す必要があります。家庭教師も、一部の実績あるプロ講師以外は実際の評価がわかりにくいのは難しいところ。ただし、もし失敗しても塾と違い、先生の交代をすぐにお願いできる利点があります。

目指すは中学受験合格。子供の話に耳を傾けて学習環境を見直しを

「中学受験をやめたい」と子供に言われた場合、親はうろたえて子供を叱りつけてしまいがちです。しかし、まずは子供の話に耳を傾けて、原因を探るところから始めましょう。塾や家庭教師からも最近の子供の様子を聞くようにしてください。家庭だけでは見えていなかった問題点が把握できるかもしれません。

なるべくなら、転塾や家庭教師への変更は小学6年生の夏期講習が始まる前に決断したいところです。夏休みは学力の不足を補える貴重な時期。この期間をどう有効に活用できるかが結果につながります。なお、転塾や家庭教師への変更の場合、学習進度を遅くすることが前提です。「こんなペースで大丈夫なのか」と焦るかもしれませんが、まずは基礎学力を向上させて、とりこぼしを減らしましょう。

転塾や家庭教師への切り替えだけではなく、複数の教育サービスを併用するのもひとつの手段です。子供によって効果的な学習環境は異なるもの。親はよく子供を観察し、最適なサービスを選ぶためのサポートをしてあげるとよいでしょう。

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