立教新座中学校は、立教学院の学校として人気を集めています。この記事では立教新座中学校を目指す家庭に向けて、国語・算数・理科・社会の出題傾向と勉強法を紹介します。
そもそも立教新座中学校ってどんな学校?
立教新座中学校は立教学院の学校のひとつです。立教学院は、1874年に築地で宣教師チャニング・ムーア・ウィリアムズ主教が開設した「立教学校」が起源となっています。
「一貫連携教育」を掲げ、教育目標・教育内容・教育方法などの面で、学院全体としての一体性や一貫性を追い求めています。『キリスト教に基づく人間教育』を建学の精神に据えていて、小学校から大学まで立教学院ならではの教育を実現しているのです。
2024年度は立教小学校に通う120名のうち113名が立教学院の中学校に内部進学しています。内訳は、立教池袋中学校・高等学校に55名、立教新座中学校・高等学校に58名です。また、立教池袋中学校・高等学校の143名のうち118名が立教大学に進学、立教新座中学校・高等学校の325名のうち246名が立教大学に進学しています。
通常のカリキュラムが充実しているのはもちろんのこと、立教新座中学校ではさまざまな海外体験プログラムを用意しています。夏休みを利用したホームステイやサマープログラム、サマーキャンプ、ギャップイヤーを利用した留学、一年間の派遣留学などラインナップはさまざまです。
教室を離れた場での教育にも注力していて、校外学習や正課外教育プログラムに重きを置いています。清里環境ボランティアキャンプはその代表例です。
立教新座中学校の入試概要
立教新座中学校の入試について見ていきましょう。
2025年度の入試
一般入試第一回は1月25日土曜日で募集定員は約100名です。
筆記試験は四科目で出願期間は12月18日水曜日12時から1月18日土曜日23時59分までです。
一般試験第二回は2月3日月曜日で、筆記試験は四科目。出願期間は12月18日水曜日12時から2月2日日曜日16時59分です。
帰国児童入試は1月25日土曜日で筆記試験は国語と算数の二科目、本人面接があります。
出願期間は12月18日水曜日12時から1月18日土曜日23時59分までで、書類郵送期間は1月9日木曜日12時から1月18日土曜日23時59分までです。
2024年度入試倍率
第一回入試は受験者数1680名で合格者数は742名、実質倍率は約2.3倍、第二回入試は受験者数213名で合格者数は41名、実質倍率は約5.2倍、帰国児童入試は受験者数5名で合格者数2名、実質倍率は2.5倍です。なお、一般入試の合格最低点(合計)は前年度と比べて大きく違うことも珍しくないため、前年度基準で考えるのではなく、できるだけ高い得点を目指すようにしましょう。
受験日・区分 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
---|---|---|---|
第一回入試 | 1680名 | 742名 | 約2.3倍 |
第二回入試 | 213名 | 41名 | 約5.2倍 |
帰国児童入試 | 5名 | 2名 | 2.5倍 |
立教新座中学校における国語・算数・理科・社会の出題傾向
立教新座中学校の一般入試における国語・算数・理科・社会の出題傾向を紹介します。
国語は読解文が二つ出題
国語の試験時間は50分で配点は100点、大問は二つです。物語文と説明文がひとつずつ出題されます。文章量は年度によって幅がありますが、多いと一万字を超えます。
選択問題、適語補充、記述は書き抜き問題や30字程度の字数指定がある説明記述です。難易度は比較的易しめですが、文章量が多い年度は解く時間が不足しがちなので、速読を身につけて臨む必要があります。
他には漢字の書き取りや文法も出題されます。漢字の難易度は基本的には標準ですが、難しい問題も混在します。
算数は図形で点差がつく
算数の試験時間は50分で配点は100点、大問は五問前後です。平面図形・立体図形の問題が多めで、難易度が高い問題も含むため、点差がつきやすい傾向にあります。
他には数の性質や場合の数も出やすいです。しかし、全体で見ると広い範囲から出題されています。難易度は基礎レベルから応用レベルまで幅広く展開。解答欄は答えだけを書き込むタイプで、途中式や考え方は必要ありません。
理科は実験・観察からの出題が多い
理科の試験時間は30分で配点は50点、大問は四つ前後です。実験・観察からの出題が多くあります。実験・観察の結果を受けて、導き出された数値を見て解くタイプの計算問題は頻出です。
難易度もやや高めの問題が出ます。思考力を問うような問題もあるので解けるようにしておいてください。知識問題も多く出題されるため、基礎をしっかりと固めておく必要があります。
社会は全分野からの出題
社会は試験時間が30分で配点は50点、大問は三つです。各分野からひとつずつ大問が出題されます。問題文や資料はボリュームがあります。
年度によって出題傾向が変わるので一概には言えませんが、基礎知識を問う問題もよく出ます。説明記述問題も出題されるため、解答欄に収まる文字数でテーマについて説明できるようにしておきましょう。
- 文章量は年度によって幅があるが、多い年は一万時を超える
- 平面図形・立体図形の問題が多めで、難易度が高い問題もあるためそこで差がつきやすい
- 実験・観察の結果を受けて解く計算問題は頻出で、思考力を問う問題と知識問題も多く出題される
- 問題文や資料にはボリュームがあり、説明記述問題もよく出る
立教新座中学校に合格したい。どんな勉強が効果的?
立教新座中学校に合格するためには、どういう勉強をするべきなのでしょうか。科目別に見ていきましょう。
国語の勉強法
国語にはどう取り組めばよいのでしょうか。
一万字が出ても対応できるように
一万字程度の長い読解文が出題される可能性もあります。速読が苦手な子供の場合は、音読から始めて段階的にレベルアップしていきましょう。まずは、現状子供がどのぐらいのスピードで読めているのかを確認してあげてください。
読み飛ばしの多い子供は、視線を誘導してあげるとよいです。読んでいる文章に定規を添えてあげるといった働きかけをしてみましょう。スムーズに音読できるようにした上で、速読の練習をしていきます。
時間を計りながら一分間で七百字を目指してみてください。いきなりは無理なので、段階的に増やしていきましょう。
書き抜きの問題が意外と難しい
記述問題が苦手な人の多くは、「記述」と聞くと「説明記述」や「考察記述」を思い浮かべるでしょう。対して「書き抜き」はそんなに難しいと思っていない人も多いです。しかし、立教新座中学校の書き抜きの問題は、難易度が高めのものも少なからず出題されます。そもそもこの文章量の中で、該当箇所を探し出すのは読解を解き慣れていないと大変です。
説明文を読む際には論旨をきちんと追いかけて、キーワードにはあらかじめ線を引いておきましょう。それだけで読み返す量を減らすことができます。
対比を用いて論を展開している場合は、何と何がどういう理由で比較されているのかを頭の中で整理しながら読みましょう。
接続詞や副詞の使い方を理解しておこう
国語では、接続詞や副詞に関する問題がよく出ます。特に副詞は語彙力を問われる問題が多いので、日頃から読解文に挑む際はわからない言葉を調べて頭に入れておきましょう。
国語の平均点は高く出やすい
立教新座中学校の国語は、入試科目の中で平均点が高めです。2024年度第一回の平均点は70点で、2023年度も64.5点ですから、合格するためにはさらに上を狙う必要があります。
- 長い読解文の速読練習には、段階的に読むスピードを上げ、定規を使って視線を誘導し、最終的に1分間で700字を目指す
- 書き抜き問題は難易度が高い場合があり、説明文の論旨を追い、キーワードに線を引くことで効率的に解く準備をする
算数の勉強法
算数にはどう取り組めばよいのでしょう。
大問一で確実に得点する
算数は大問一で確実に点をとるようにしましょう。大問一は計算と小問集合が出題されます。大問一は大問の中で一番問題数が多く、おそらく配点は大問一全体で三十点ほどです。
立教新座中学校の算数は、その難易度から平均点が低く出る傾向にあり、2024年度の算数第一回の平均点は48.2点、2023年度は39.4点に留まっています。そのため、難易度が低めの大問一で確実に得点することが合格への近道だといえます。
計算問題は小数・分数の四則計算が解けるように繰り返しやり込んでおいてください。小問集合に対応できるよう、各単元の標準問題を解けるようにしておきましょう。
図形の問題は補助線を引けるように
平面図形・立体図形の問題がよく出題されます。補助線を書き込む作業が必要になってくるので、素早く線を引けるよう練習しておきましょう。
平面図形・立体図形は難易度の高い問題も出やすいので、集中的に対策しておきたいところです。標準問題だけでなく応用問題もとりこぼしなくやり込んでおいてください。比や相似が必要となる問題が出題されるので、できるようにしておきましょう。
一問あたりの時間数は少ない
「50分の制限時間内に23問」といったペースで解かなければならないので、一問辺りに使える時間はほぼ二分です。そうなると、問題を読んだらすぐ手を動かす必要があります。
時間がかかりそうな問題は後回しにして、解きやすい問題から取り掛かりましょう。問題を解く順番を素早く判断できるかが合否を左右します。
- 平均点が低い傾向があるため、難易度の低い大問一で得点することが合格の鍵となる
- 平面図形・立体図形の問題は素早く補助線を引けるようにしておく
理科の勉強法
理科にはどう取り組めばよいのでしょう。
知識問題を取りこぼさない
合格ラインに達するためにも知識問題で間違えるわけにはいきません。網羅的に基礎をチェックし、記憶から抜け落ちている単元があれば徹底的にやり直していきます。
また、実験・観察からの出題が主なので、器具の名前や手順をきっちり頭に入れておくようにしてください。
計算問題を解けるように
力のつり合いや水溶液、電流など計算問題が出題されやすい単元は、できるだけ多く問題をこなすようにしておきましょう。特に力のつり合いは頻出です。てこや浮力、滑車、輪軸などの問題を解けるようにしておきましょう。
時間がタイト
実験観察からの出題が多く、計算問題や思考力を要する問題がたくさん出るため、時間がかかります。しかし制限時間はたった30分なのでいかにサクサク解いていくかがカギです。過去問をやる際に、合格ラインに到達するためにはどのペースで問題を解けばよいかイメージトレーニングしておいてください。
- 知識問題で点を落とさないように器具の名前や手順を中心に徹底的に頭に入れておく
- 制限時間は30分なので、過去問でペースとイメージトレーニングをしておく
社会の勉強法
社会にはどう取り組めばよいのでしょう。
分野別の出題だが横断的な知識も必要
社会は各分野からの出題です。それぞれの分野における知識を固める必要があると同時に、横断的な出題があっても対応できるようにしなければなりません。特に地理的な要素は、どの分野であっても意識して結び付けながら頭に入れておいてください。
年度によって出題傾向は異なる
社会の出題傾向はあまり固まっていません。穴埋めがメインになる年度もあれば、記述が多めな年度もあります。どんな問題が出ても解けるように、知識を固めておくことが大切です。
また、問題数に対して時間がタイトな傾向にあるので、素早く解く癖をつけましょう。リード文や資料が多く読み込むのが大変なことも少なくありません。処理速度が問われます。
問題自体の難易度が高いわけではない
社会の問題は思考力を問う問題も出ますが、極端な難問は出ないので、標準レベルの知識をいかに定着化させているかで差が出ます。
時事問題も学んでおこう
社会は時事問題も出題されます。日頃からニュースや社会問題に関心を持っておきましょう。ただ起きた出来事を丸暗記するのではなく、背景に注目する姿勢が大切です。また、提示された資料から必要な情報を読み取る能力も欠かせません。
- 各分野から出題されるため、分野ごとの知識を固めると同時に、横断的な出題にも対応できるように意識して結び付けながら頭に入れていく
- 社会では時事問題も出題されるため、ニュースや社会問題に関心を持ち、出来事の背景に注目をする
科目によって難易度に開きがある
科目によって難易度に開きがあるのが立教新座中学校の入試問題です。国語は平均点が高いですし、算数は平均点が低い傾向にあります。合格ラインに達するためにはそれぞれに合わせた対策が必要です。
国語は文章量が多いため速読ができるようにしておく必要があります。漢字の書き取りや文法をきちんと固めておいてください。物語文も説明文も解けるようにしておきましょう。説明記述は30文字以内程度の短いものが出ます。指定の字数以内にまとめる力をつけておきましょう。
算数は大問一の計算と小問集合でどれだけ失点しないかが問われます。平均点自体が低いので、問題数の多い大問一では確実に点をとれるようにしておきましょう。
理科は知識問題も計算問題も思考力を問う問題も出ます。大問ごとに提示される資料が多く、読み込むのに時間がかかりがちです。30分の制限時間内で合格ラインまで解けるように練習しておいてください。
社会は出題傾向が固まりきっておらず、年度によって異なります。どんな問題が出ても解けるように準備しておきたいところです。分野ごとの出題ですが、横断的な問題も出るので、点と点を結び付けながら知識を増やしていきましょう。